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第三話

3/11誤字を修正して下さりありがとうございますm(_ _)m

「申し訳ありません」


「謝罪は結構。それより、何しにこちらへ?」


『えっ!いつものアバン様じゃないわ!』

 コリンは驚いた。アバンの目が鋭くなったのを見逃さなかったのだ。


「……えっと……息子に用事がありまして……」


「それで、何しに?」

 さらにスチュアート侯爵を追い詰めた。アバンは狙った獲物は逃がさない。

 額から汗が滴り落ちているスチュアート侯爵は言いにくそうだ。


「それは……」


 アバンから言い逃れ出来ないと諦め、意を決しコリンを見た。


「コリン嬢に婚約解消を撤回して欲しく、こちらに参りました」


 その言葉にケヴィンが衝撃を受けた。

「はい?父さん?誰の婚約解消を撤回?」


「お前は黙ってろ!全てお前のせいで婚約解消となったのだ!馬鹿者がっ!」


「へっ!?な、なんで!!僕は何もやってません」


 惚けている。本当に分かっていないようだ。



「お前って言う奴は……情けない。伯爵から婚約解消を言われた時にお前がコリン嬢に酷い事をしたと聞いた。私はな、お前がコリン嬢を慕っているのを知っているから嘘だと思ってハインツ伯爵に婚約解消は、待って欲しいと頼んだのだ。だが、ハインツ伯爵が証拠があると言われれば受け入れるしかなかったんだ。そんなのが世間に知られたら貴族間の笑い者になるのだぞ!下手したら我が侯爵家が傾くかもしれん!」


「へっ!?全然父さんの言っている意味がわかりません」

 未だに状況を掴めないケヴィン。


 そんな息子を無視し、コリンに謝罪した。


「悪かったコリン嬢よ。息子の行いは許せないのはわかる。この状態の息子を見ればハインツ伯爵の言った事は本当だったとな。だが、許してくれないだろうか。息子には後でしっかり注意する。だからハインツ伯爵に婚約解消を撤回してくれるよう頼んでくれないだろうか。この通りだ」


 侯爵がコリンに頭を下げ、コリンが困っているようだ。もう、ケヴィンとの結婚はありえないのだから。

 そんな時、やっと現実が見えたケヴィンが騒ぎ出した。


「ちょっと待って下さい!僕とコリンが婚約解消されてる!なんで僕に相談なく解消……」


 ゴツン!

 言葉で言ってわからないケヴィンの頭に拳骨を落とした。


「痛ててぇ!」


「これ以上喋るな!婚約解消の場に来れない奴が何を言う!我が家に早く帰って来るようにと使いの者を出したが学園の寮にお前はいなかっただろうが!一体お前は何をやっていたのだ!」


「えっ……それは……」


 急にケヴィンの様子がおかしくなった。隠したい事があるのだろう。


「どうせ、そこの令嬢と遊んでいたんだろ!」


「「……‥」」 

 ケヴィンとラクスは顔を見合わせ何も言えなかった。図星だったようだ。


「お前も早くコリン嬢にさっさと謝れ!」

 スチュアート侯爵はまだ婚約解消を撤回してくれると思っている。誠心誠意ケヴィン本人が謝れば……でもケヴィンは下げなかった。

 ケヴィンはコリンより下手には出れない。プライドが高いのだ。

 スチュアート侯爵が頭を下げたまま時が過ぎた。ケヴィンは頭を下げずコリンを睨んだままだった。もし、スチュアート侯爵がケヴィンの態度に気づいていなら、もう一度怒りの鉄槌を下していただろう。



「……顔を上げて下さいスチュアート侯爵様」



「では、息子を許してくれるのか?」

 期待を込めた眼差しをコリンに向けた。


「申し訳ありません。既に両親と話し、私が婚約解消して欲しいと頼んだのです……スチュアート侯爵様にはよくしていただけましたが、撤回は出来ません。あの時ケヴィン・スチュアート令息様に罵られ、果てにはラクス様との口付けを見せられた私の気持ちわかりますか!!私はずっとお慕いしていたのに裏切られたのですよ!それなのにスチュアート侯爵様は、まだ私を婚約者に戻そうと本当に思っているのですか?

 私は父、母のように、いつも一緒に仲のいい家庭を築きたいと思っております。ですから撤回は致しません」

 思いの丈をスチュアート侯爵に伝えた。


「……もう駄目なんだな」

 コリンが苦しんでいるのがわかり、やっと侯爵は諦めたようだ。

 

 だが、一人諦めれない者ががいた。それは、



「一度の過ちだろ!それぐらい許してくれよ」

 ケヴィンは、まだ許されると思っている。だってコリンは自分の物なのだから。だが、それを聞いたアバンが怒りをあらわにし何かをケヴィンの前にばら撒いた。

 バサッ!!


「一度だと!!これを見てもう一度同じ言い訳を言ってみろ!」


 そこには、ケヴィンとラクスとの不貞の証拠の書類が散らばっていた。その中に二人がまぐわっている写真が含まれていたのだ。もう、言い逃れが出来ないだろう。


「ち、ち、違う!!コイツが捏造したんだ!ねぇ、父さん!早くスカッシュ侯爵に抗議……ブフォーッ!!」

 ドカン!ドンガラガッシャーン!!綺麗な放物線を描き飛んでいった。


 スチュアート侯爵の綺麗な右アッパーでケヴィンの顎を打ち上げた。

 アバンに対して口答えさせないために。これ以上、アバンに対して粗相したら、あの方(・・・)が出て来てしまう……


「この方はアルベルト大公様の御子息様であらせられるぞ!!」


「「…………」」

 ケヴィンとラクスは白目を剥いて聞いていなかった。ケヴィンは父のアッパーで気絶。ラクスは後の自分がどうなるか想像し気絶。

 


 コリンは、

「えっ……え、えーーーっ!!」

アバンの正体がアルベルト大公の息子だとわかり絶叫した!自分では心の中で絶叫しているつもりが、余りにもの衝撃で表に出てしまった。


「わ、私、アバン様の胸おもいっきり叩いちゃった!!ど、どうしよう……大公様は家族思いで有名な方だから……わ、わ、私の舌抜かれちゃうーっ!」

 

 また、心の声が表に出てしまった。果たしてコリンの運命はいかに……



 




読んで下さりありがとうございます。

【☆☆☆☆☆】を押して応援して頂けると嬉しいです( ◠‿◠ )執筆の励みになりますのでよろしくお願い致します。


最後、シリアスする予定でしたが無理でした。

m(_ _)mどうしてもアッパーをかましたかったもので。



※ちゃんとケヴィンはざまぁされます。



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