第一話
誤字報告ありがとうございますm(_ _)m
【あらすじ、諦めなけれいけなくなった→諦めなければいけなくなった】 私の住んでる国の名はザガン王国。平和な国です。ですが20年以上前は貴族による不正、汚職、違法薬物の売買は当たり前、果てには他国にザガン国の情報を売り国家転覆を計っていた貴族達がいるような危険な国でした。そんなどうしようもない国を建て直す為、代替わりした王と王弟が不正を働いている者達を一掃した。特に王弟のアルベルト様がすごかった!
不正した者達を容赦なく一族郎党処分していった。老若男女関係なく。
そのため親の言うことを聞かない子、勉強や手伝いをしない子には、
『アルベルト様が現れるぞ』
の一声で子供達は大人しくなり親の言うことをすぐに聞くほど恐れられています。親になったら必ず躾として使われる魔法の言葉になっていますわ。貴族も平民も……もちろん私も……ブルブル……想像しただけで怖いです。
現在、王が代替わりし、アルベルト様は大公となりましたが、今でも恐怖の象徴としてこの国に君臨していますが妻の前では尻に敷かれているようです。アルベルト様の妻大公夫人様は、この国の発明家として社会に役に立つ革新的な道具を作っています。アルベルト様と違い大公夫人様は慈愛に満ちた方だと皆に慕われ真逆の2人が結ばれた事に国民達は皆首を傾げているようです。
この2人のおかげで現在も平和な国を維持し、この国、独自の道具を輸出し、ザガン王国は潤っております。
そんな平和な時代に生まれたハインツ伯爵家の私こと、コリンには幼馴染の婚約者がいます。婚約者の名は、スチュアート侯爵家次男のケヴィンです。
私はケヴィンの笑顔と、美しい容姿で、一目で恋に落ちてしまった。ケヴィンは私にとても優しく、嫌なことは絶対にしない子で大好きです。
ケヴィンも私のことが好きなんだって♡!私の天真爛漫で笑う可愛い笑顔が大好きだと言ってくれました。
貴族間では政略結婚が当たり前ですが私達は違います。私とケヴィンは領地が隣同士の付き合いがあり、幼い頃から一緒に遊んでいました。次第に私とケヴィンは好き同士になりました。それから一緒にいるのが当たり前になりケヴィンが10歳の誕生日会に2人は婚約者になったと告げられ婚約したのです。
そんな2人は驚きながらも大喜びだった。
ケヴィンはピョンピョン飛び跳ね、体全体で喜んでいた。もちろん私も。
『やったー!コリンと結婚できる。これからもずっと一緒だね』
『いいの!?私こんなに地味だよ』
私にはコンプレックスがありました。ケヴィンと違い私は地味なのです。でも、ケヴィンは気にしていませんでした。
『全然地味じゃないよ!可愛いよ!もし、コリンに地味だっていった奴がいたら僕がボコボコにしてあげる!それから僕がずっとコリンを守ってあげるね』
と、ケヴィンが両手を広げ私に抱きつきました。
『きゃぁ!』
今までそんなスキンシップしたことなかったのに!と驚ぎしたが、この時の私は幸せな気持ちになりました。
それからケヴィンは私に会う度に可愛いといってくれましたね。
そんな月日が5年経ち貴族学園に入学することになり、突如ケヴィンから伊達メガネをプレゼントされました。
『これから卒業までこれを掛けて学園に通ってね!僕メガネをかけてる女の子が大好きなんだ!あと化粧もしちゃ駄目だよ!』
と照れながら渡されました。私の目は悪くはないのですが、ケヴィンが好きならとメガネをかけることにしました。好きなケヴィンからのプレゼントだし無下にはできません。鏡で自分のメガネ姿を確認しましたがより一掃地味になり、似合っていませんでした。でもケヴィンは、
『うん!これなら大丈夫だね。メガネを掛けたコリンも可愛いよ』
と言ってくれたおかげで安心しました。でも私のお父様とお母様に見せたらとても不評でした。侯爵は『まったくケヴィンは心配性だな』と呆れていました。どうしてでしょう?この時の私にはわかりませんでした。
学園での生活は寮暮らしではなく実家から通うことになりました。ケヴィンは寮暮らしになりました。侯爵の方針らしいです。
ケヴィンとクラスは別々でした。入学当初は王都でデートしたりカフェでまったりとした時間を楽しんでいました。
でもデート中、奇異な目で見られていました。なぜならケヴィンの容姿が美丈夫で私は茶の髪に黒目で分厚いメガネを掛けた地味な令嬢だったのです。不釣り合いだと思われていたのでしょう。学園でもケヴィンと一緒にいると同じような目で見られます。
ケヴィンは学園でも令嬢達にも人気でした。その上、侯爵家嫡男ということで、近づく令嬢が沢山いましたが婚約者の私がいると分かると離れていくのが大半でした。ケヴィンが人気者で複雑な気持ちになりましたが、ケヴィンはこの姿の私が好きだって言ってくれているので気にしないようにしています。だって、これまで積み上げてきた二人の信頼がありましたから。
入学して2か月経った頃ケヴィンが私とのデートや学園内で一緒に昼食をするのがめっきり減っていきました。そのことをケヴィン伝えると、
『そんなのもわからないの!?将来の為に自分の顔を広めないと駄目に決まってるだろ!これから次期侯爵になる僕には必要なことなんだ。だから学園にいる内はコリンから離れようと思うんだ。コリンも僕以外の人と交流持った方がいいよ。世界が広いってわかるからさ』
と言いながらクラスメイトを連れ学園から出ていきました。たぶん王都で流行っている演劇を見に行ってしまったのでしょう。以前ならケヴィンの横は私だったのに、今ではクラスメイトの令嬢に替わっています。そんな光景を見ると胸が締め付けられ苦しくなりました。そしてケヴィンの後をずっと見つめ、もしかしたら振り返ってくれるかもと期待しましたが、一度も振り向いてくれませんでした……嫌な予感がしましたが、ケヴィンの言われた通り自分のやりたいことをしようと無理やりに思い込んだ。そうしないと自分の心が壊れてしまうと思ったのです。なので以前から生徒会員の2人から勧誘されていた生徒会に所属することにした。
ドキン、ドキン!!緊張しながら生徒会室の扉を叩いた。ここにはコリンより高位貴族令嬢、令息達が所属しているのだから。
「し、失礼します」
「どうぞ」
ドアを開けると4人の生徒会員がいた。見るからに高位のオーラを放っていた。その中で屈強な体つきをした令息が話しかけてきた……
「おっ!来てくれたのか!」
そこには私をしつこく勧誘した先輩が仁王立ちしていた。まるで騎士のようです!
「はい……生徒会に入りたいと思いまして……」
緊張した私は言葉が詰まってしまう。そんな中、パチパチパチパチと1人拍手し、大層喜んでる先輩がいた。
「やっと新たな人材が入ってくれるんですね。あぁ、私の仕事が少なくなりそうです。うぅ」
泣きながら喜んでる先輩はヴェントン公爵令息、三学年のニール様です。メガネを外しハンカチを目に当て泣いています。
「それぐらいで泣くんじゃない。まだ新人の子に仕事を沢山押し付けちゃ駄目だよ」
王子様のようなオーラを放っているこの方が生徒会長のラザール様。この方も三学年でこの国の王太子様です。あっ!本物の王子様でした。
「誰のせいで仕事が溜まってると思ってるんですか!今年の学園祭何も手がついてないんですよ。これからもっと大変になるんですよ!特に、わ・た・し・が!」
いつのまにかメガネを掛け直したニールがラザールに反論した。
「ハッハッハ!ニールは大袈裟だな。いつも間に合ってるだろ。だが俺のおかげでコリン嬢をスカウト出来たんだからよかったじゃねぇか」
この口の悪……じゃなくてしつこい……じゃなくて……
「今俺のこと……」
屈強な先輩がギロリと私を見ました!
どうしましょう!?私の心が読まれてます!!早く弁解しなくては!
「口が悪いとかしつこく勧誘してくる先輩だなんて全然思っていません……あっ!!」
心の声が出てしまった!!
「……ハッハッハ!いいね!正直で。さすが俺の気に入った令嬢だ!」
少し面食らったようだが、機嫌は良さそうね。ふぅ、不敬だと処分はされずにすみそう。
と思っているとラザールが驚いたようにコリンを称えた!
「すごいね君!アバンに堂々と言えるなんて。さすがアバンの選んだ人材だ」
そして、ラザールがコリンに合掌をした。
何故?
「そうだろ!俺の目に狂いはなかった。俺は狙った獲物は逃がさない主義だからな」
「えっ!狙われてたんですか!?」
「「ご愁傷様」」
ラザールとニールに拝まれた。
また!?さっきからなんなの!?
「まぁ、困ったことあったら何でも聞いてくれ!俺が責任持って教えてやるからよ。しつこく勧誘した詫びでな!ハッハッハ」
と豪快に笑ってる方は……そう、この先輩が私を生徒会に入れようとしつこく勧誘していた生徒会副会長のアバン様。スカッシュ侯爵令息である。あの大公夫人様の生まれたスカッシュ侯爵家である。そのおかげで怖い先輩だと思っていましたが話していく内に裏表のない方だとわかり悪い印象は消えました。口は悪いですけどね。
そしてもう1人勧誘していた方が……
「ホホホ!わたくしのライバルがやっと入ってくれましたわね」
この目立つ縦ロールの令嬢は私と同じクラスのメイリーン様。侯爵令嬢様でラザール様の婚約者です。メイリーン様と私は学園の入学試験で首位を競いあったライバルでした。それから試験がある度に勝負しあってる内に友達になったと私は思っております。でもメイリーン様はまだ認めていませんけどね。
他にも生徒会の役員の方達がいるはずですが今日はいないみたいですね。今日から生徒会員として新しいことに挑戦するのって楽しみです。
と、この時は思っていた私をぶん殴りたいです!なぜなら想像以上に大変でした……マジで!あらやだアバン様の悪い口が移ってしまったわ。
それから、慣れない生徒会の仕事に勉学に忙しくあっという間に半年が過ぎて行きました。
生徒会の仕事は多岐に渡り大変でしたが先輩達の助けがあり、生徒会の仕事を乗り切れました。生徒会の仕事のおかげ随分自分が成長したと思います。
これなら次期侯爵になるケヴィンの補佐も出来ると自信が付いた頃、生徒会室にて嫌な知らせが入ってきた。
読んで下さりありがとうございます。
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