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「フォロワー数ゼロの影」

ユウマはエピソード1で見つけた謎のアカウントが、インフルエンサーたちの失踪や奇妙な出来事に関係している可能性が高いと睨み、自分のアカウントで「#影」「#見えない手」などのハッシュタグを付けて投稿する実験を始めてみた。


翌朝、ユウマは自分の投稿に「フォロワー数ゼロ」のアカウントが「いいね!」を押しているのを確認する。鳥肌が立つような感覚に襲われながらも、彼はこの謎のアカウントに反応を得られたことを冷静に受け止める。そして、フォロワーゼロの影のような存在が、アキラや他のインフルエンサーに何をしていたのかを探るため、さらに行動に移すことにした。


“影”からのメッセージ

ユウマは、フォロワーゼロのアカウントに接触する手段を模索し、意を決してそのアカウントに「DMダイレクトメッセージ」を送ってみることにした。メッセージの内容はシンプルだった。


「君は一体、何者なんだ?」

しばらく待っても返事が来る気配はなかったが、その日の夜遅くになって、ユウマのスマホが震えた。フォロワーゼロのアカウントから返信が届いたのだ。メッセージは、ただ一言だけだった。


「影が見えるか?」

この一言に、ユウマは不気味さと興奮が入り混じる感情を覚えた。「影」というキーワードが、今回の事件と深く結びついていることは間違いない。しかし、この短いメッセージだけでは何も分からない。彼はさらに質問を続けたが、それ以降メッセージは返ってこなかった。


消えたインフルエンサーの「最後の投稿」

ユウマは、アキラを含めて失踪したインフルエンサーたちの「最後の投稿」に目を向けることにした。アキラ以外のインフルエンサーも、SNS上で何か異常な兆候を見せていたはずだ。そこで彼は、他の失踪したインフルエンサーたちのアカウントを徹底的に調べ、投稿内容やいいねのタイミングを精査することにした。


数人のインフルエンサーの最後の投稿を見比べているうちに、ある共通点に気づく。すべての投稿には「#影」「#消える足跡」「#いいねの罠」など、同じような不気味なハッシュタグが使われている上に、投稿が公開される直前のタイミングで必ずフォロワーゼロのアカウントが「いいね!」を押しているのだ。


さらに調査を進めると、奇妙なことが分かった。それは、これらの「いいね!」が、実際には「投稿が公開される数分前に押されている」という事実だった。つまり、フォロワーゼロのアカウントは「未来の投稿内容」を事前に知っているように見える。ユウマは、これは単なる偶然やAIの設定ミスではなく、何者かが故意に仕組んだ「罠」だと確信する。


新たなターゲット、次の標的

ユウマが調査を進めていると、あるフォロワー数の多い女性インフルエンサーのアカウントに目が留まる。彼女のアカウントには、直近の投稿に例のフォロワーゼロアカウントが「いいね」を押していた。さらに、そのインフルエンサーは最近「謎のメッセージが届く」「誰かに監視されている気がする」と言っていたという噂もあり、彼女が次のターゲットにされる可能性が高いとユウマは推測した。


ユウマは彼女に警告するためにDMを送り、「絶対にそのアカウントのメッセージに反応するな」と助言を試みる。しかし、彼女はあまり気にしていない様子で、ユウマの警告も聞き流してしまう。ユウマの焦りが募る中、その夜、彼女が「何者かに狙われている」という緊迫した動画をSNSに投稿し、彼の不安は的中する。


その動画には、彼女の部屋の窓に誰かの影が映っていた。そして、その投稿にはまたもや「#影」「#最後のカウントダウン」という不穏なハッシュタグがつけられ、フォロワーゼロのアカウントがいち早く「いいね!」を押していた。


暗号の手がかり

彼女の動画を確認したユウマは、投稿に含まれたハッシュタグが何かの暗号になっている可能性に気づく。そこで、投稿に使われたハッシュタグの文字列や順番を解析することにした。


解析を進めるうちに、「#影」や「#最後のカウントダウン」「#いいねの罠」などのハッシュタグが、特定の順番で並んでいるとメッセージが浮かび上がることに気づく。ハッシュタグの一部が一定の法則に従って並べられており、その並び順を利用して犯人が“警告”を送り続けているらしい。


ユウマは、この暗号が次の犯行のタイミングや場所を示しているのではないかと考え、解析を進めた結果、「翌日夜8時、彼女の自宅で異常事態が発生する」というメッセージが浮かび上がる。


危険な駆け引き

ユウマはすぐに彼女に連絡を取り、「夜8時には絶対に自宅を離れて安全な場所に避難するように」と指示する。しかし、彼女は逆に「これでSNSのフォロワーがさらに増えるかも!」と危険な状況を理解しないまま、意図的に“ライブ配信”をする準備を始めてしまう。


当日夜8時、ユウマは彼女のライブ配信に注目する。視聴者が見守る中、彼女が部屋で待っていると、彼女の背後の窓にまたもや不気味な影が現れる。コメント欄は騒然とし、ユウマも画面越しに心臓が凍りつくような感覚に襲われる。


だがその瞬間、配信が突然中断され、画面が真っ暗になった。ユウマが慌ててメッセージを送るも、彼女からの返信はなく、最後に彼女のアカウントに表示されたのはフォロワーゼロアカウントによる「いいね!」と「#影の手は届いた」という暗号のようなコメントだった。

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