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第8話 パーティー

レン君達のパーティー結成。

第8話 パーティー

アーク島はリベリスポートから船で一日ほどの距離にある。今の季節は、海は穏やかで、気候は温暖であり、甲板に出るととても気持ちが良かった。心地よい風に吹かれながら、僕とメンデスはきれいな景色をボーッと眺めていた。

「なあ、レン。おまえライトさんとディアさんから剣技や魔法を習ってたんだろ。ちゃんと魔物と戦えそうか?」

「ああ、大丈夫だと思うよ。もちろん実際に戦ってみないと分からないけどな。ただ、オークやラビフィンと戦ったことはあるんだよ、その時は問題なかった」

「ああ、そう聞いている、何も訓練してない状態で勝てるとは、たいしたもんだな。忍者というclassはヒットアンドアウェイの戦法が得意なのか?」

「まあそうだね。自分のスキルがはっきりと分かったから、改めて戦闘方法をよく考えてみたんだけど、聞いてくれる?」

「ああもちろん」

「忍者は暗殺スキルが強みだと思うんだ、ステルス・スキルと時空間操作を上手く組合わせて、相手の不意をつきながら戦うのが良いと思う。だから気配を消して、高速に移動しながら、相手の虚を突いて、急所を狙う作戦で行こうと思う。でも、問題はそうすると味方の認識からも消えてしまって、戦いにくいと思われるかもしれないってことなんだ。忍者はソロで行動するのが基本なのかな…」

「そうだな、確かにそういう側面はあるかもしれない。それならパーティーを組んだときと、ソロの時で戦い方を変えてみるのがいいんじゃないか?パーティーのときはステルス・スキルを使わないとか」

「なるほど・・・、そうだね。ということは、ソロの時は考えていたような戦い方をして、パーティーの時は気配を消さずに、時空間操作だけで相手の虚を突けば良いのか…。なるほど、良い考えだね、ありがとう」

「はは、少しでも役に立てて良かったよ」

「じゃあ、ソロで迷宮に潜るのも認めてくれよ?」

「もちろんだ。但しレベルを上げてからな」

「もちろんだとも、命は惜しいからね」

船旅はそれからも順調で、海が荒れることもなく、予定通りにアーク島に到着した。

アーク島の玄関口であるマーリンは小さな港町である。

冒険者のための宿泊施設や武器屋、(魔法)道具屋、冒険者ギルドといった冒険者御用達の施設を除けば、島の住民達の住居やレストラン、マーケットなどがあわせて五十軒程あるのみである。

僕は船から下りると、周りを見回してみた。

ここから冒険が始まるんだと思うと感慨深い。

迷宮に入るためには、冒険者ギルドで手続きをする必要がある。

特にマークワン迷宮は、主に初心者の冒険者が潜るということもあり、管理が厳格になっている。

迷宮に潜るパーティーメンバーの構成やレベル、到達予定階層などを申告しなければならない。

万が一冒険者が危険に陥ったとき、救出できる可能性が高くなるからだ。

だからまず僕たちは、冒険者ギルド・マーリン支部を訪れた。

マーリン支部の建物は、湾岸通りに面しており、赤をメインとした派手な色合いと大きな扉を持つ特徴的なものであった。

カラランという大きな音とともに扉を開け、僕たちは支部の中へと入った。

建物の中の作りは、小ぶりであるものの王都とほぼ同じつくりであった。

メンデスは中を見渡すと、何か用事ができたようで、迷宮に入る手続きを僕に押しつけ、テーブルの方へと歩いて行ってしまった。

僕はメンデスのことは放っておくとして、受付を済ませることにした。

受付の窓口に着くと、リーリアという長い髪をした人間族の美しい女性が座っていた。

僕はリーリアに微笑みかけると、冒険者証を見せ、アークワン迷宮に潜る手続きを頼んだ。

「冒険者証を拝見します。レンさんですね。アークワンに潜りたいと…。あの、他のパーティーメンバーは?」

「はい、あちらにいます。…呼びましょうか?おーいメンデス、ちょっと来てくれ」

しばらくすると、メンデスは3人の冒険者を連れてやって来た。

「メンデス、その人達は?」

「ああ、彼女たちはレンと同じで冒険者になったばかりでね、初めて迷宮に挑むらしいんだよ。マッパー、魔法使い、僧侶と、僕たちと組むには理想的な構成だからパーティーに誘ったんだよ」

「えー、僕に相談なしで誘ったの?」

「良いじゃないか。理想的な構成だし、それに、女の子と一緒に冒険した方が楽しいよ。こんなチャンスはめったにない」

「うっ、・・・わかったよ」

とりあえず、簡単に自己紹介をしておこう。

「初めまして。戦士のレンといいます。よろしくお願いします」

「始めまして。私は僧侶のレイリアです。よろしくね」

「ボクは魔法使いのサーシャ。火属性の魔法が得意。よろしく」

「初めましてなのです。マッパーのリンです。マップ作成だけじゃなく、罠の解除もできるのです。よろしくなのです」

お互いに簡単な自己紹介を済ませたことを確認すると、リーリアさんはさっそくとばかりに、迷宮の手続きをすすめてくれた。

「では、マークワン迷宮の手続きをしますので、皆さん冒険者証を提示してください」

「明日から、マークワン迷宮に潜るのですね。攻略は一階層のみの予定ですね。リーダーはメンデスさんで宜しいですか?…はい。一階層はモンスターもそれほど強くなく、初心者でも問題ありません。でも初めてですから、パーティーの連携を確かめながら、慎重に進んでくださいね。では明日、迷宮から戻りましたら、お立ち寄りください」

「ありがとう」

迷宮の手続きが済んだので、テーブル席に移動し、改めて自己紹介をし、明日からの予定を立てることにした。

「じゃあ、改めて自己紹介と行こうか。僕はメンデス、戦士レベル6だ。レンとは親同士が親友でね、それで、冒険者になりたてのレンの冒険者デビューを助けることになったんだ。マークワン迷宮は最下層まで潜った経験があるし、ソロでも第一層なら問題ないよ。何かあったら僕が守る。だから安心して」

「次は僕の番だね。レンです。メンデスが言った通りの理由で、この島にやって来ました。初心者だけど、両親から鍛えられているので、大丈夫だと思う。よろしく」

「レン君は戦士なのよね?ずいぶん簡素な装備のようだけど?」

「…うん。一応戦士です。スピードを生かした、ヒットアンドアウェイの戦法が得意なので、このような装備です。相手の攻撃は、あたらなければ何の問題もありません、大丈夫です」

「(…一応?あたらなければ大丈夫?いったい何言ってるの?命がかかってるのよ…納得できないけど、まあ今は仕方がないか…)」

「さっきも自己紹介しましたが、僧侶レベル1のレイリアです。私が三人の中で一番のお姉さんなので、二人から頼りにされてます」レイリアは、肩まできれいな茶髪を伸ばし、茶色い大きな瞳をした人間族の美少女で、外見は少しおっとりとした印象を受ける。

「私たちは、ここのギルドで出会ったの。種族も年齢もバラバラだけど、何だか意気投合してね、それでパーティーを組むことにしたの。私たちみんな、迷宮は初めてだけど、しっかりと連携がとれるように頑張るわ」

「んっ、ボクは魔法使いレベル1のサーシャ。火球の魔法が得意。魔法攻撃は任せて。迷宮の攻略が楽しみ」サーシャはエルフ族の美少女で、少し背は低く、華奢な体をしている。魔法使いのハットとローブを着用し、いかにも魔法使いという出で立ちである。

金髪をポニーテールとし束ね、金の瞳には強い意志と知性がうかがえた。

「私はマッパーレベル1のリンなのです。見ての通り猫族なのです。少しは戦闘もできるのです。よろしくなのです」リンは猫族の少女で、丸く大きな瞳と丸顔が印象的な小柄な少女であった。

尻尾が時々ゆらゆら揺れている。

改めての自己紹介を終えると、今後の予定を話し合った。

「明日から迷宮を攻略するから、今日はその準備をしよう。ポーションとかの消耗品の買い出しを忘れないように。それと体調管理をしっかりとするように」とメンデス。リーダーらしいじゃないか。

「明日の朝にギルドに集合。アークワン迷宮までは徒歩でもいける距離だから、徒歩で行くよ。じゃあ今日は解散」


読んで頂き有り難う御座います。頑張りますので、よろしくお願いします。

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