第7話 旅立ち
レン君の相棒の登場です。
第7話 旅立ち
「で、これからどうするんだ?」とギルドマスター。
「もちろん冒険者登録が済んだら、迷宮の攻略に出たいです」
「ああ、もちろんそれはそうだろうが、パーティーはどうするんだ?ライト達と組むのか?」
「いや、私たちはリーズ村を長く離れることはできない。レンのことはもちろん心配だが、このときのためにレンを鍛えてきたんだ。レン、大丈夫だよな?」
「うん、大丈夫、心配しないで。パーティーは自分で探すし、何とかするよ」
「そうか…、では明日、もう一度ギルドに来て貰えないか?よければ戦士を一人紹介したい。君は親友の大切な息子であり、ギルド期待の新人だからな。万が一があっちゃならん。」
「そうですか?それならばご好意に甘えたいと思います」
「トッド、ありがとう。私たちの方からもお願いするよ(わ)」
「ああ、任せておけ」
「ところでレン、自分のclassについて、パーティーメンバーや他の冒険者達にどう説明するつもりだ?しばらくは忍者と明かさない方が良いぞ。いろいろややこしいからな。とりあえずは戦士とでもしておくか?」
「そうですね…、そのようにします」
「それでいい。さあレン、君は今日からDランク冒険者だ。冒険者証を渡そう。これからたくさん経験を積んでいくんだ。戦闘をして経験を積むと、classのレベルや基礎ステータスをあげることができる。スキルレベルはスキルを使うことで上げられる。それをいつも意識しておくことだ。俺やライト達はかつてAランク冒険者だった。俺たちと同じようにAランク冒険者を、いやそれ以上を目指すんだぞ。道のりは険しいだろうが、君ならできる。期待しているぞ」
「はい、ありがとうございます。頑張ります」
とても嬉しい気持ちで、冒険者証を受け取とった。
そして、これから待ち受ける未来を空想しながら、ギルドを後にするのであった。
ギルドを出ると、武器や防具を購入することとした。
僕の戦闘スタイルやスキルに合わせ、武器は2本の短剣と投擲用のナイフを購入した。
二刀流で両手に短剣を装備するつもりだ。
防具は体の動きを制限しないよう、上半身につける鎖帷子と、両前腕と両下腿をそれぞれ保護するプレートを買った。
戦士としては軽装だが、スピードを生かしてヒットアンドアウェイで攻撃する僕としては、良い買い物ができたのではないだろうか。
翌日になり、再び冒険者ギルドにやってきた。
相変わらずたくさんの冒険者で賑わっている。
受付で、ギルドマスターへの取り次ぎを頼むと、ギルドマスターの部屋まで案内してくれた。
ギルドマスターのトッドは、僕たちが部屋に入ってくるのを確認すると、一人の青年を紹介した。
「戦士のメンデスだ。レベル6の冒険者で、ギルドの職員でもある。君の情報も共有しているから、何でも相談して頼ると良い。実は俺の息子なんだ。仲良くしてやってくれ」
「初めまして。メンデスです。レンは13歳だね?僕の方が冒険者として先輩だし、年も上だから、何でも相談に乗るし、僕を頼ってほしい。よろしくね。」
「こちらこそよろしくお願いします。初心者なのでいろいろ教えてください」
「レン、まずはアークワン迷宮を目指そう。あの迷宮は冒険者が最初に潜る迷宮としては最適だよ。あそこなら、はじめは比較的魔物の危険度も低いし、いろいろ学びながら攻略していけるだろう。それに仲間となる冒険者も見つけやすいしね」
「父や母からもそう聞いています。まずはアークワン迷宮を目指しましょう。]
[ギルドマスター、いろいろお世話になり、ありがとうございました。」
*
いよいよ出発の時が来た。
目指すは南、アーク島。
アーク島は王都の南、サウト海に浮かぶ大きな島で、迷宮の島とも言われ、多数の迷宮や遺跡がある。
アーク島へは王都の南側にあるリベリスポートから船で渡る必要がある。
ライトとディアは、リベリスポートまで見送りに来てくれた。
「レン、頑張るのよ。あなたなら大丈夫だから、自信を持ってね。リーズ村にもちょくちょく帰って来るのよ。」
「いままで学んだことを忘れなければ問題ないさ。レン、気をつけていっておいで。」
「お父さんお母さん、今まで本当にありがとございました。今の僕があるのはお父さんお母さんのおかげです。教えていただいたことを胸に、頑張ってきます。土産話を持って帰るので、楽しみに待っていてくださいね」そう言うと、僕たちは船に乗り込み、旅立の時を迎えた。
読んで頂き有り難う御座います。頑張ります。