第27話 管理下
第27話 管理下
「レン、さっきのデーモン・ロードだけれど、特殊個体かな?」
「多分そうだろうね。でも…、特殊個体って結局は何なのだろう?」
「そうね…。そう言えば、特殊個体について女神様に聞いていなかったわね?」
「うん。で、話は変わるけれど、これからどうする?このまま迷宮の攻略を進めても良いし、経験値が目的なら、先ほどの階層でもかなり良い感じに経験値をゲットできると思うから、周回しても良いと思う」
「特殊個体の事もあるし、僕は第二層の周回で良いと思う」とメンデス。
「賛成!」「それでいいわ」オリビアやイオタも同意している。
「じゃあ、迷宮の攻略は中止にして、第二層の周回をしよう」
「了解」
それから僕達はシーナ迷宮第二層の周回を行った。
その後はもう特殊個体が出現する事はなく、コーリングに応じずに後でまとめて出現するような事もなかった。
僕達が十分に戦闘を繰り返し、イオタとオリビアの魔力が尽きそうになってきたとき、女神ベス様が突然にイオタに降臨した。
「もう十分に経験を積んだみたいね。あなた達にはもうこれ以上の戦闘は必要ないわ。メンデス、オリビア、イオタ、あなた達三人に現在のあなた達にふさわしいレベルを授けるわ」
「有り難う御座います」
女神ベス様が右手をかざすと、メンデス達三人は暖かい感じの光に包まれた。
しばらくの間、その光は三人を包み込んでいたが、次第に光は消え去り、それと共に三人はレベルアップを果たし、レベル20に達した。
「これで皆レベル上限に達したわね」
「女神様、有り難う御座います」
「あの、ところで女神様、僕達が倒したデーモン・ロードは特殊個体だったかもしれません」
「そうね。あのデーモン・ロードは特殊個体だったわ。それで?」
「はい。結局の所、特殊個体っていうのは一体何なのですか?」
「…そうね、良いでしょう、教えてあげるわ。簡単に言うと、特殊個体というのは、至高神様がレン達の成長を促すためにつかわした魔物という事ね」
「至高神様がつかわした魔物…、僕達の成長を促すために…」
「そう。至高神様は、あなた達の成長をいつも見守っておられるのよ。そして必要に応じて成長を促されておられるの」
「ゲームのために?」
「ゲームというとなんだけど、まあ、そういう事ね。まあ、複雑な気持ちになるかもしれないけれど、至高神様はこの宇宙の管理者で創造者でもあるわ。そういう意味では、管理されているのは当たり前の事なのよ」
「…別にそれに対し文句があるわけではないのですが、いろいろ思うところがあります…。自分たちの存在意義とか…、いや、というか、自分自身の存在そのものに対する疑問が…」
「それは自分自身が何者かという事ね?」「…はい」
「レンにはわかると思うけれど、あなた達が観測する全ての事象は、ある意味頭の中の電気信号に過ぎないわ。あなた達が感じる五感の全ては電気信号なのよ。すなわち、自分以外の全ては、頭の中の電気信号に過ぎないのよ。それに自分の思考そのものも電気信号に過ぎない。リアルな夢が現実と区別できないように、現実と虚構はその中にいる限り区別がつかない。だから、そこに疑問を呈する事は無い答えを探しているに過ぎないの。まあそれでも考える意義はあるでしょうけれどね」
「僕やルナは、前の世界すなわち地球から召喚されました。その時の出来事も…、いや、地球そのものも…」
「それも同じ事ね」
「それは地球も至高神様が創られた宇宙に存在するという事ですか?」
「そうね」
「……わかりました」
「それじゃあ、次の戦いまでゆっくりと休みなさい」
「はい…」
女神ベス様はイオタから去って行かれた。
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