第22話 レベル6
第22話 レベル6
迷宮からマーリンに戻り、ギルドへ報告に行った。
第二層のボスであるアイアン・ゴーレムを無事に倒したことを伝えると、受付のリーリアさんは、とても良い笑顔で、僕たちのパーティーを祝福してくれた。
そして、急に真顔になったかと思うと、忠告をしてくれた。
「第三層の推奨レベルは、レベル6からレベル10になります。第三層へ行くルートが確保できたからと言って、まだ第三層へは挑戦しないでくださいね」
ある階層を攻略すると、レベルに見合っていないにもかかわらず、先の層に進んでいってしまい、窮地に陥るパーティーが後を絶たないらしい。
とくにアークワン迷宮は第三層が最下層であり、ゴールが見えてきたことで、功を焦るパーティーが多いということもあり、忠告してくれたようだ。
「分かっています。しばらくレベリングをして、十分に実力を蓄えてから、第三層の攻略に着手しますよ」
「そうしてくださいね」
「ということなんだ。しばらくは第二層でレベリングだね」とメンデス。
「じゃあ、今後の予定を含めてみんなで相談しよう。夕食を摂りながらミーティングをしよう。あとで僕たちの部屋に集まってね」
宿泊施設に戻り、シャワーを浴びてすっきりしてから、レストランで夕食のデリバリーを頼んで、みんなで部屋に集合した。
料理は、パエリア風の海鮮料理とサラダ。
おつまみとして、白身魚のフライとフライドポテトを皿に盛った、フィッシュ・アンド・チップスであった。
メンデスとレイリアの二人はアルコールの入ったヱールで、僕たちはお茶や果汁飲料で乾杯をすることになった。アルコールは15歳からしか飲むことが許されていないのだ。
「第二層攻略の成功を祝って乾杯!」「乾杯!」
「それにしてもメンデスは流石だね。アイアン・ゴーレムのパンチを盾で受けきっていたよ」
「いや、ダメージを受けまくりだったよ。何とか持ちこたえられたのは、レイリア達のおかげだね」
「レンの攻撃も的確だったのです」
「ん、素早く相手をダウンさせた。お見事」
「まあ、狙い通りに戦えたよね。チームワークの勝利だね」
「うん」
「それで、今後しばらくはアイアン・ゴーレム周回かしら?」
「どこまでレベリングするかってこともあるけど、少なくともみんなのレベルが6に上がるまではそうしよう」
「了解なのです。早くレベルアップしたいのです」
「みんながレベル6にさえなれば、第三層の攻略に乗り出しても良いんじゃないかな。それまでは第二層ボス周回を頑張ろう」
「おう」
それからしばらくは、予定通りに、アイアン・ゴーレム周回を行った。
支えの盾の防御力は高く、アイアン・ゴーレムのパンチを盾で受けても、メンデスはあまりダメージを受けなくなった。
タンク役が安定することにより、戦闘が安定し、大きな問題なくボス周回をすることができた。
その後、約一ヶ月間、ボス周回に精を出した。
今日は、みんなで能力鑑定を行なう予定とし、ギルドに集合してきたのだ。
順番に能力鑑定をしていった結果、メンデスはレベル7に、その他のメンバーは僕も含めレベル6に到達した。
レン 人間族 14歳 男
職業 忍者 職業レベル6↑
基礎ステータス
力 20↑、知性 17↑、信仰心 17↑、生命力 18、体力 18↑
敏捷性 20↑、幸運 18、器用さ 19
職業スキル
ステルス レベル6↑、遠見の術 レベル3↑、暗視 レベル5
気配察知 レベル5、状態異常抵抗 レベル4↑、暗殺 レベル6↑
投擲 レベル6↑
固有スキル
時空間操作 レベル6↑、魔力操作 レベル6↑
生活魔法
火属性 レベル5↑、水属性 レベル5↑、風属性 レベル4、土属性 レベル4↑
精神属性 レベル4
その他 攻撃魔法適正なし
今回は、生活魔法の水属性魔法がレベル5になったことにより、生活魔法の中で唯一の治癒魔法である、プチヒールの魔法を覚えることができた。
プチヒールの魔法は、神聖魔法のヒールの劣化版であり、効果こそヒールに劣らないものの、詠唱時間はヒールの3倍以上かかり、戦闘時には使用できない魔法だ。
しかし、日常生活では、詠唱時間はそれほど問題にならないことが多く、とても重宝されている魔法でもある。
パーティー全員のレベルが6以上になったことにより、いよいよ第三層の攻略へと進むことになった。
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