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第59話 レベルアップ

第59話 レベルアップ

僕がルナの横に瞬間移動した後、程なくthree-headed dragon kingが超重力により圧壊した。

これにより、ドラゴンから攻撃を受けることはなさそうだが、念のためにルナを退避させることを優先させた。

僕はルナを伴って安全圏まで瞬間移動した。

それとほぼ同時に、ドラゴンの時間停止が終了した。

エライザは肉塊となったドラゴンにシューティングスターで斬りかかっていった。

シューティングスターで肉塊を切り開いては進み、切り開いては進み、少しずつ進んでいった。

肉塊のほぼ真ん中辺りまで切り進んだとき、ようやくドラゴンのコアが見つかった。

エライザは躊躇なくそれを破壊した。

かつて、three-headed dragon kingであったものは、光の粒子と変化し、きらめきながら徐々に消えていく。

完全に光の粒子が消失したとき、宝箱が出現した。

僕とルナは、エライザがドラゴンのコアを破壊したのを見て、ようやく胸をなで下ろした。

そして嬉しさから、僕もルナも、思わずエライザに向かって走り出していた。

身の危険はそれほど感じなかったが、攻撃手段が乏しく、長い戦いを強いられていたので、精神的にきつかったのだ。

エライザとルナと僕はハイタッチしながら、喜びを分かち合った。

「ルナ、ありがとう。ルナのおかげだよ」

「そうよルナ、本当にありがとう」

「何を言っているの!私たちは家族だもの、協力し合う、お互いを助けるのは当たり前だわ」

「それでも、手詰まりの状態だったから、本当に助かったよ」

「本当に助かった。でも、今後のために何かしら対策が必要だわ」

「それについては、僕に考えがある。次があれば任せてよ」

「それは頼もしいわね。それは置いておいて、ボスが宝箱を落としたわね。期待大だわ」

「ちょっと待っていてね」僕は宝箱を鑑定した。

「テレポーテーションの罠がかかっているね。解除に失敗してどこかに飛ばされたら厄介だ…」

「そうね。女神様のおっしゃっていた泉を最優先にすべきだわ。かと言って、ボスの宝箱を放置するのももったいない…」

「…そうだね…。じゃあこうしよう。僕達はまず泉に向かう。僕達がこの部屋から出たら、分身体で宝箱を開けるよ。どこに飛ばされたとしても中身を収納ボックスに入れて、分身体を消滅させれば問題ないし」

「それは良いアイデアね。ところで、ボスのいた所の後ろに出現した魔方陣はどうする?」

「ああ、あれは転移脱出用の魔方陣かもしれないね。どこに飛ばされるかは気になるけど、まず、泉に戻らなくちゃね」

「了解」僕達はそれぞれ、この部屋に入ってきた扉に向かった。

扉は開くようになっており、問題なくボス部屋から出ることができた。

それを確認した後、分身体でテレポーテーションの罠を解除した。

上手くいった、テレポーテーションの罠は作動せず、宝箱には鎧が入っていた。

それを収納ボックスに入れると、分身体を消失させた。

僕は通路を進んでいき、枯れた泉のあった部屋の扉の前までやって来た。

ここの扉も開けることができるようになっており、部屋の中に入った。

すでにルナとエライザは部屋にいた。

泉は清らかな水をたたえており、その水は不思議な光に包まれている。

まるで光のベールに包まれているようだ。

「三人が泉に触れると枯れるんだったわね?誰から触れる?」

「誰かの途中で泉が枯れても嫌だし、三人一斉に触れてみようか?」

「その案に賛成だわ」「了解」

「じゃあ、良いかな?行くよ!」僕達は仲良く三人一斉に神秘的な泉に触れた。

触れた手の先から、光のベールがまとわりつくように体中に広がっていった。

神秘的なその姿は、エライザとルナ二人の美しさを際立たせている。

僕はその姿にしばらく見とれていた。

三人の全身が光のベールに包まれると、泉は枯れてしまった。

僕達三人は、それからもしばらく綺麗で神秘的な光に包まれていたが、やがてそれは消失した。

「レン!何を見とれているのよ」

「あははははは。バレてた?とても神秘的で、あまりにも二人が美しかったから…。空想の中の女神のようだった…」

「そう?それならば許してあげるけど…」二人共、僕の言葉に照れている。

そうしたやりとりの後、突然に身体に違和感が生じた。

これはあの感覚だ、そうレベルアップしたときに感じる違和感だ。

しばらくその感覚が続いたが、やがてそれも消え去った。

「これってあれよね?」「うん」「早速、鑑定しましょう」

僕とルナは自分の能力鑑定を行った。

泉に触れたことで、僕達は限界突破を果たしたらしい。

詳細は後で確認するとして、僕はレベル26に、ルナはレベル24に上がっていた。

ルナは足りないと思っていたステータスが上昇し、喜んでいる。

エライザはレベル25に上がっていた。

レベル20になった後の経験値が蓄積されており、その分まとめてレベルアップしたのだろう。

素晴らしい女神様の贈り物を得て、とても感謝する三人だった。

「ところで、宝箱の中身は何だったの?」

「これだよ、聖なる鎧だ。エライザ用だね。ロード専用の究極の鎧だ。聖なる鎧を身につけると、防御力が上がるのは勿論だけど、剣技にまで影響があるらしいよ。技が冴えまくるんだって」

「ありがとう。でも、こんなに素晴らしいもの貰って良いの?」

「当たり前だよ。どうせ二人とも使いこなせないし」

「そうよ、遠慮なく使って」

「ありがとう」

それから僕達は、転移魔方陣の行き先を確認するべく、ボス部屋へと戻っていくのだった。


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