第19話 レベル上限
レベルについてです。申し訳ありませんが、この章は短いです。
第19話 レベル上限
ブリーフィングを終えたメンデスと僕は、二人きりとなった宿泊施設の部屋で、情報交換をしていた。
「レベルアップしてレベル5になったんだよ。それでね、基礎ステータスやスキルレベルが上がったんだけど、これって上限とかあるの?」
「レベルの上限か?そうだな、真実かどうかは不明な部分が多いんだけど、一般的に信じられていることを教えてあげるよ」
「まず職業レベルに関しては、今までに公に確認されている最高値は20だね。それもわずかな人数しか達していない。根拠はないけど、ギルドではこの上もあると考えられている。そういう意味では、最高がいくつかはわからないということになるね。次に基礎ステータスだね。これに関しては上限が20とされている。比較的多くの冒険者が20に達しているにもかかわらず、21以上はひとりも存在しないことから、これはほぼ間違いないだろうといわれているね。スキルレベルに関しては、最高値は10とされているね。これも基礎ステータスと同様の理由で、ほぼ間違いないだろう。どう、参考になった?」
「ありがとう、よくわかったよ。僕の基礎ステータスはかなり限界に近いんだな。その反面、職業レベルやスキルレベルはまだまだ成長の余地がありそうだ」(僕はどこまで強くなれるんだろう…)
「僕はね、範囲攻撃を持ってないし、メンデスのように相手の攻撃を受けて、盾となることもできない。だから、みんなを守り切れないんじゃないかって、とても心配になるんだよ」
「そうだな、今のレンの戦闘スタイルだと、どうしてもそう感じてしまうかもしれないね。でもね、実際にはそんなことはないと思うよ。レンには、暗殺スキルがあるから、一体一体を倒すのがとても早いよね、レンはその特長を伸ばせば良いんじゃないか?一体一体を倒すのが極限まで早くなれば、それは範囲攻撃と変わらないよ?」
「…そうだね、一体ずつしか倒せなくても、短時間で多数を倒せば、範囲攻撃で多数を倒すのと変わらなくなる…か、そう考えることもできるのか…」
(やはり時空間操作スキルと暗殺スキルとステルス・スキル、この三つのスキルを重点的に育てるという考えで間違いなさそうだな)
「レン、僕たちのパーティーはここまですごく順調に来てるよね。3週間ほどで第二層の半分まで来た。迷宮は第三層までだから、一見すると、半分まで来たように思えるかもしれない。でもね、ここからがこの迷宮の本番なんだ。ここからが大変なんだよ」
「そうなの?でもどうして?」
「それはね、実際にこれから経験することだからすぐにわかることだけど、レベルは高くなればなるほど上がりにくくなる。つまりこれからは目に見えて成長速度が落ちるということが起こってくるんだ。そのうえ第二層はモンスターのエンカウントが多いだろ?だから呪文切れを起こしやすくて、前に進めなくなってくる。レベルアップが遅くなるから、呪文を唱えられる回数もなかなか増えなくて、なおさら迷宮攻略が進まなくなる。それで物理的、精神的に停滞を起こしてしまうんだ」
「なるほど…それは大変だね。それなら準備をしておく必要があるね」
「何の準備?」
「それはね…、ねえ今度の休息日は僕に付き合ってよ」
「何を企んでいるのかな?…まあお付き合いするよ」
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