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第48章 サイレン

第48章 サイレン

「メンデス、今日は私たちも冒険者ギルドへ一緒に行くのよね?」

「そうだよ。ミーレでの活動ができるように、もう許可が下りているはずだよ。まあ今日は一緒に行ってみよう」

「了解」

僕はオリビアとイオタを伴って冒険者ギルドへやって来た。

三人で受け付けカウンターまでやって来ると、昨日と同じ受付嬢が座っていた。

「リベリス冒険者ギルドのメンデスです。ネス公国での活動許可は下りているでしょうか?」

「はい、メンデス様。…それにオリビア様、イオタ様ですね。公国内での冒険者活動の許可が下りています。こちらが許可証となっております」

「ありがとう」

「確認事項を説明しておきますね。皆様方は、公国内での冒険者活動の許可が下りていますが、正式には冒険者ギルドに所属していません。従って、すべては自己責任でお願いします。但し、ギルド所属冒険者と同様にクエストを受けることができますし、ボランティア活動だと伺っておりましたが、報酬も他のギルド冒険者と同様に出ることとなりましたので、遠慮せずお納め下さい。当ギルドの規則は、リベリス王国冒険者ギルドとほぼ同様ですので、規則を遵守するようお願いします。皆様方はギルドの管理下には置かれていませんが、一週間に一度はギルドカウンターにお越し下さい。もしお越しにならない場合は、自動的に公国内での活動許可は失効となりますので、お気をつけ下さい。以上ですが、何か質問は御座いませんか?」

「そうですね…、僕達は戦闘が得意だから、魔物から街を守りたいと思っているんだ。魔物が出現した際はどのように連絡が来るのかな?」

「そうですね、今、ミーレは魔物の脅威にさらされています。魔物の退治に加わっていただけるのは本当に有り難いです。もし魔物がミーレへ接近してきていることが確認された場合、サイレンで知らせることになっています。少々耳障りな音なので、直ぐにわかると思います。ほとんどは西、稀に南から魔物がやって来るので、サイレンが鳴ったら、まずは西門に向かって下さい。魔物の退治後にギルドカウンターによっていただければ、成功報酬をお渡しいたします。それと、蛇足かもしれませんが、通常の魔物の討伐の依頼は、あちらのクエストボードに有りますので、そちらもご確認下さい。それでは、よろしくお願いします」

「わかりました」

「それでは、くれぐれもお気をつけて」

「ありがとう」

僕達は冒険者ギルドを後にすると、西門近くの宿泊施設に立ち寄り、二つ部屋を確保した。

少しみすぼらしい施設であったが、そこは我慢することにした。

やはり、現場となる可能性の高い西門の近くにいることが大切だとわかっていたからだ。

「さて、後は待つだけかな…。それとも、ボードの討伐依頼でもこなす?」

「どちらでも良いわ。…でも、昨日着いたばかりだし、今日は街の散策でもしましょうよ?」

「そうだね。買出しもしておきたいし、街を散策しようか」

「よし、決まりね。そうと決まれば早速出発ね」

「了解」

僕達三人はミーレの街にくり出した。

ミーレの街は、その1割近くが被害を受けたとはいえ、比較的に大きな街であり、営業中の商業施設が多数存在し、活気にあふれている。

街の中心部にはサリア教の教会もあり、多くの人々が行き交っている。

その多くは、人族やドワーフ族だが、獣人族も時々見かけることができた。

また、物々しい姿をした巡回中の騎士の姿も多く見かけた。

僕達はポーション類の買出しを行った後、教会前にある広場で休憩をとることにした。

「活気があって、良い街ね」

「うん。人々も優しいし、少し元気が出てきたかも…」

僕は、ふと、死んでいった仲間達を想い、サリア様に祈りを捧げた。

「そうね。あと、ベス教の教会があれば最高なんだけれど…」

オリビアやイオタも同じ想いを抱いているのかもしれない。

「…そうだね。でも、ここではなくても仕方がないね」

「そうよね。わかっているわ」イオタは静かにそう言った。

オリビアも頷いている。

沈黙が訪れそうになった時、突然に魔物の接近を告げるサイレンの音が街中に響き渡った。

「サイレンだ!西門へ急ごう!」

「了解!」

僕達三人は、西門に向かって走り出した。


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