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第41話 アース・ドラゴン

第41話 アース・ドラゴン

特殊個体は、時間に干渉する能力を持つ可能性が高い。

だから、必要なときには、時間停止を惜しみなく使う予定にしている。

しかしだからといって、闇雲に時間停止をするのは得策ではない。

やはり、自分たちより先に、相手に時間停止を使わせることが大切である。

何故なら、時間停止をできるのは限られた間だけなので、状況によっては、自分の時間のみが停止する事態に陥る可能性があるからである。

僕達は、いつでも時間停止ができるように準備しつつ、アース・ドラゴンに向かっていった。

特殊個体とは言え、弱点は同じであり、倒し方も変わりはしない。

僕本体とエライザは正面から攻撃を加え、分身体はステルス・スキルを使いながら、気付かれないように背後に回った。

アース・ドラゴンは大きく口を開け、ブレス攻撃を仕掛けてきた。

アース・ドラゴンのブレス攻撃は、方向性を持った円錐形の暴風に、大小様々な岩が含まれたような攻撃で、当たれば物理的なダメージが大きい。

僕とエライザは暴風と共に飛んでくる岩を避けながら、ブレスの範囲外に移動した。

ルナも飛んでくる岩を何とか避けていたが、時々小さめの岩がヒットしている。

小さめの岩でもその勢いは強く、ダメージは馬鹿にならない。

ルナはたまらずスロー・タイムを発動させた。

時間の流れを遅くすることで、飛んでくる岩を完全に避けようとしたのだ。

その作戦は功を奏し、ルナは岩を避ける余裕ができた。

ルナは、岩を避けながらも、反撃とばかりに、アース・ドラゴンにウインドカッターの呪文を発動させた。

ウインドカッターの呪文は、ドラゴンのブレスと正面からぶつかり合い、徐々に押し込んでいく。

しかし、呪文の効果がアース・ドラゴンまで届くことはなく、その効果が消失してしまった。

それでも、ブレス攻撃の威力を半減することに成功した。

その攻防の間に、エライザは、退避しながら横に回り込み、再び攻撃を加えようとしている。

分身体は、背後からドラゴンの弱点である尻尾の付け根を狙い、攻撃を加えようとした。

アース・ドラゴンはそれらに対し、尻尾を大きく振り回す事により、近づく事を許さなかった。

戦況は、ダメージを受けることはあまりないかわりに、ダメージを与えることもできない、膠着した状態に陥りつつあった。

そこで僕は魔弾による攻撃をしようと構えた。

しかしその瞬間、アース・ドラゴンは突然にブレス攻撃をやめ、スキルでの地震攻撃に切り替えた。

アース・ドラゴンは足で何度も強く地面を踏みつけ、スキルによる局所的な地震を引き起こした。

地面が上下に激しく揺れ、ある所では大きな裂け目を作り、別の所では槍のように鋭い岩がいくつも飛び出してきた。

僕は魔弾による攻撃をやめ、地面の揺れの影響を無効化するために、大きく跳躍した。

ルナとエライザは、地震の範囲外まで退避した。

僕と分身体は、アース・ドラゴンの顔面部の高さまで跳躍すると、その眼や頭部に向かって、僕自身は手裏剣を投擲し、分身体は魔弾を発射した。

それらの攻撃がドラゴンに到達するかと思われた瞬間に、アース・ドラゴンは状況を覆すために、時間を停止させた。

そして、停止した時間の中で、ゆっくりと僕の方に顔を向け、再びブレス攻撃をしようと大きく口を開けた。

危ない!

危険を察知した僕は、時間停止を上書きした。

それと共に身体が動き出し、跳躍の続きが再開した。

ブレス攻撃が始まる前に決着をつけてやる。

僕は先ほどの跳躍でドラゴンより高い所まで至り、ドラゴンの視覚から外れた。

そのタイミングで瞬間移動を行い、文字通りアース・ドラゴンの目の前に現れた。

そして、目の前にあるドラゴンの眼に、手刀攻撃を深く突き入れた。

瞬間移動に伴う攻撃はクリティカルとなり、手刀が光ると共に、アース・ドラゴンの頭部が破裂した。

頭部を失ったアース・ドラゴンは、そのまま倒れ、ゆっくりと消滅した。



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