第38話 作戦
第38話 作戦
エライザは新たなスキルと加護を与えられた。
「エライザ、このスキルはゴッドアイと言って、私たちが使う神の目の機能の一部を再現したものよ。これを使えば、相手の特性なんかを、ある程度見抜く事が出来るわ。これで見抜けない魔物、それが特殊個体という訳ね。それと、時の加護を与えたわ。今後あなたは、自分で時を止める事は出来ないけれど、止まった時の中でも普通に行動できるわ。これはあなたにとってだけでなく、あなた達のパーティーにとって、切り札となるはずよ」
「最奥にいる特殊個体が、時を停止させる事が出来るのは確定として、その他の10体も時を止める事が出来る可能性が高いわ。三人で協力して、討伐してきて」
「それと、トゥーレの迷宮に、あなた達以外は入れないように結界を張っておいたわ。周囲に目はないから、気にせずスキルを使用して頂戴。あと、迷宮の最奥に泉が湧いているわ。この泉は、稀にしか湧かない特殊な泉で、三人が触れると枯れてしまうわ。次に湧き出るのはおそらく千年以上後になるわ、必ず三人とも触れておくように」
「その泉にはどんな効果があるのですか?」
「それは、触れてからのお楽しみよ。その他に質問はないかしら?」
「はい、得にはありません」
「それでは、あなた達をトゥーレの迷宮の第一層まで転送するわね」
「はい」
「じゃあ、討伐をお願いね」
女神様のその言葉と共に、僕達は迷宮の内部に転移した。
「…どうやら、迷宮の中で間違いないようだね」
「そうね。女神様の話だと、ここはトゥーレの迷宮と言う事になるわね」
「ねえエライザ、トゥーレの迷宮ってどんな迷宮か知ってる?」
「そうね、ドラゴン達が住まう迷宮という事ぐらいかな…」
「あと、この迷宮を完全に攻略したものは誰もいないのよ…。つまり、難攻不落の未知なるドラゴンの迷宮ということになるわね」
「じゃあ、私たちが最初の攻略者になる訳ね。楽しみだわ」
「と言う事で、作戦が大切だね。えっと、三人での攻略だから、陣形は前列が僕とエライザで、後列にルナでいこう」
「了解」
「エライザは、特殊個体だとわかった時点で、僕達に教えて」
「勿論」
「ルナ、時間への干渉は、できるだけ特殊個体の討伐に取っておこう。特殊個体が時間を停止させたときに、クールタイムに入っていたらどうしようもないからね」
「了解」
「エライザは魔力をできるだけ温存しておいて。回復ポーションが沢山あるから、戦闘時以外は、回復にはそれを優先で使おう。戦闘時での回復はエライザの魔法頼みだから、魔力管理が大切だね」
「わかったわ」
「ルナは魔力の補填がきくから、適宜、魔法で攻撃と補助をお願いするね」
「了解」
「前衛が足りないかもしれないから、分身体を一体前衛に回しておこうか…」
「確かに、前衛が三人いた方がバランスが良いわね」
「了解。じゃあ分身体を一体前衛にしておこう」
「さて、こんな所かな?何か意見や案はある?」
「そうね。私は魔法を惜しみなく使うから、魔力を吸収するための時間を時々頂戴」
「勿論良いよ。いつでも遠慮なく言って」
「私は、魔物とエンカウントしたら、まずゴッドアイを使うから、レンは分身体と共に先制攻撃をしておいて」
「わかったよ。じゃあ、探索開始だ」
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