表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
172/233

第32話 精霊女王

第32話 精霊女王

「この結界を解く前に言っておく。連れて行くのはできるだけ少人数の方が良い。人数が多ければ多いほど、途中で力を使い果たす危険が高くなるから。それで、何人連れて行けば良い?」

「それは…。レンと私の二人ね。時間を停止した世界で戦えるのは私たちだけだもの」

「ルナ、ちょっと待って。時間停止するまでは私も戦えるわ。それに、回復が必要になるかもしれないし」

「エライザ、ありがとう。でも私が思うに、直ぐに時間を停止する状況になる」

「そう…?」エライザは悔しそうな顔をしている。

「エライザ、ありがとう。ここは僕達に任せて。戻ってきたら回復をお願い」

「…わかったわ」

「と言う事で、二人を連れて行って」

「わかった。では始める」

精霊は目を閉じると、精霊語の呪文を唱えた。

すると、精霊の森を取り囲んでいた結界は消え去った。

私たちも神木も暴風雨にさらされた。

「…急がなければ」

精霊が更に呪文を唱えると、精霊とレンと私は結界に包まれ、そのまま空中に浮遊した。

「行きましょう」

精霊のその言葉と共に、私たちは結界と共に急上昇を始めた。

丁度、超高速なエレベーターにでも乗っているような感じだ。

私たちは上昇していき、分厚い雨雲を突き抜け、青空が広がる高さまでやって来た。

「結界の外に出ては駄目。空気が薄いし、落下してしまうから。あそこに精霊女王様がいらっしゃる。行く」

上空に漂うように浮かんでいた精霊女王のもとまでやって来た。

「結界を広げ、エタニス様を結界内にお招きする。その後、直ぐに結界を残して、去る。しばらく結界は保つでしょうが、早めに決着をつけて」

精霊がそう言うと、一瞬にして結界が広がり、エタニス様と相対する事が出来た。

「何者じゃ?」精霊女王様は、憤怒の表情で私たちを見ている。

「私はルナ。女神様の遣わした者。エタニス様、私を覚えておられませんか?」

「知らぬな」

「セントレア湖畔の洞窟で、エタニス様に呪文を授かった者です」

「…」沈黙していたエタニス様が、突然苦しみだした。

「エタニス様!」ルナが叫んだ。

しばらくの間、精霊女王は悶え苦しんでいたが、一旦平静を取り戻した。

表情は柔らかな者となっている。

「ルナ、久しぶりじゃ。妾は今何者かに囚われておる。わずかな間しか意識を取り戻しておれぬ故、よく聞くが良い。遠慮は要らぬ、妾を滅ぼせ。今の状況は妾の望むものではない。頼んだぞ」

エタニス様はそう言うと、取り巻く雰囲気は一変し、再び憤怒の表情に戻ってしまった。

「ええい、煩わしい者ども、滅ぼしてくれる」

「ルナ!覚悟を決めていくよ」

「わかってるわ。レン、物理攻撃は効果が無いわ。剣に魔力を纏わせて攻撃して」

「わかった」

私もレンも、時間に干渉し、時間の流れがゆっくりとなった。

精霊女王はスペリオル・グラヴィティの呪文を唱えた。

その途端に、強力な重力場にとらわれた。

私は直ぐに時間を停止させた。

スペリオル・グラヴィティの中では、レンは自由に動く事が出来ない。

私は精霊女王のスペリオル・グラヴィティを相殺するように、スペリオル・グラヴィティを発動させた。


読んで頂き有り難う御座います。宜しければ、高評価、ブックマーク登録をお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ