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第29話 精霊

第29話 精霊

その後は、海竜に襲われる事もなく、無事にジスパ島に到着する事が出来た。

僕達が上陸したジスパ島の海岸は、細かく綺麗な白砂の砂浜で、それがかなりの大きさで広がっており、その奥には防砂林が見えている。

何人かの子供達が遊んでいたが、僕達の姿を認めると、蜂の子を散らすように去って行ってしまった。

「行ってしまったね」

「変わった衣装を着ていたわ。でもかわいかった」

「この島に独特な衣装だね。子供達が去って行った、あちらの方に集落があるのかもしれないね。行ってみようか?」

「そうね」

僕達は、子供達が去って行った方向へと歩いて行った。

しばらく歩いて行くと、丁度リーズ村程の大きさの集落があった。

子供達の話を聞いて警戒したのか、何人かの村人がこちらを鋭い目つきで見ている。

僕はこれ以上警戒されないように、慎重に、笑顔を浮かべながら話しかけた。

「僕達は大陸で起こっている天変地異を解決するために、この島にやって来ました。お話を伺いたいのですが、どなたかお願いできないでしょうか?」

「私がこの村の村長だ。何を聞きたいんだ?」

「実は、大陸では大地震や、火山の噴火、巨大な竜巻の発生などの天災に見舞われています。それを解決する鍵が、この島にあるとの情報を得て、やって来たのですが…」

「…わかった。話に応じよう。こっちに来るが良い」

「ありがとう御座います」

僕達は村長と名乗った男に連れられ、村の集会所のような建物にやって来た。

中に入ると、大きな長方形のテーブルと、それを取り囲むように20脚ほどの椅子が並べられていた。

村長は、そのうちの一脚に腰掛けつつ「どうぞお座り下さい」と言い、一緒について来た村人にお茶の用意を頼んだ。

村長は、僕達が座るのを待って、話しかけてきた。

「改めて挨拶をしよう。私は村長のミルマだ。皆さん方は?」

僕達は自己紹介をし、この島に来たいきさつを話した。

「それでは、大陸で起こっている天変地異を解決する鍵がここにあると古竜のゲリュートから聞いて、やって来たということですか…」

「確かに、このジスパ島でも、通常ならざる事が起こっています」

「それはどのような事でしょうか?」

「うむ、海竜の異常な発生と、その他は大陸と同じように、繰り返す大きな地震、台風などだな…」

「そうですか…。では、その様な異変をおさめる鍵になりそうなものの、心当たりはありませんか?」

「それなんだが…、少し前からこの村の巫女がおかしなことを言っていてな…。ちょっと、巫女のミリアを連れてきてくれないか?」

「承知いたしました」

しばらくして、白い巫女装束に身を包んだ、凜とした姿の老女がやって来た。

「今更、私に何の用事じゃ?あれほど、精霊様のお怒りを鎮めるよう進言したのを無視したのに…」

「ミリアの婆様、今は客人が来られておる、悪態をつくのをやめて貰えませんか」

「ほう…、お主らは誰じゃ?むっ、その娘は精霊様に好かれておるようじゃな」

「私はルナ。精霊女王のエタニス様にお会いし、魔法を授かった事があるわ」

「なんと!エタニス様にお会いした事があると…。それならば、精霊様達をお願いできんかの?」

「どうすれば良いのですか?」

「原因は分からん、しかし今、精霊様達は怒り狂っておられる。精霊の森に行って、精霊様達を鎮めて下され」

「精霊の森とは?」

「この島の北東にある森林地帯の事じゃ」

「そこに行けば精霊達と会えるのですか?」

「昔より、そう言い伝えられておる」

「分かりました。大陸の、そしてこの島の異変の原因が精霊達にあるなら、そこに赴き、精霊達を鎮めてきましょう」


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