第21話 再出発
第21話 再出発
僕とエライザは、メンデスを連れて、ルナ達の部屋にやって来た。
「ルナ、入って良いかな?」
「レン?どうぞ、中に入って」
僕達は、ルナの部屋に入っていった。
ルナ達は全員起きていたようだ。
「ルナさん、イオタさん、オリビアさん、見ず知らずの僕を助けに来てくれて、本当にありがとう御座いました。その上、仲間を失うことになってしまって…、なんと言って良いのか…。…ごめんなさい」
「メンデスさん、あなただけでも助かって良かったわ。ゲイリーのことは、あなたのせいじゃないわ。ゲイリーは、レンに命を助けて貰ったの。その恩を返しただけ…。決してあなたのせいじゃない。自分を責めないで下さい」
「…ありがとう…」
「メンデス、それにレンも。いつまでも落ち込んでいる場合じゃないでしょ。これからのことを話し合わないといけないわ。女神様達からの使命もあるじゃないの」
「エライザ…、君も辛いのに…。そうだね、いつまでも落ち込んでいられない。これからの事を話し合おう。でもその前にメンデスに説明しておくよ」
僕は、ルナ達との出会いから今に至るまでの経緯や、女神様達とのことを、メンデスに説明した。
「メンデス、改めて、僕達とパーティーを組んでくれるかい?」
「僕は、リンの件を忘れることが出来ないけれど、レンの話で、魔族の人たちも僕達と何ら変わりが無いことが分かった。さらに魔族であるゲイリーに助けて貰った恩もある。魔族の人たちに対するわだかまりは捨てるよ。ルナ達と協力することに何の問題も無いよ…」
「良かった。それじゃあこれからは、この6人でパーティーを組もう」
「…それで、特殊個体の討伐をすれば良いのかな?」
「そう。特殊個体が出現したら、女神様からイオタに神託があるはず」
「じゃあ神託があるまではどうする?」
「コンビネーションを確認したり、レベル上げをしようか?」
「そうだね。ところで、僕の情報を提供するから、みんなの情報が欲しいんだけど…」
僕達は、自分の職業やレベル、特殊なスキルなどの情報を共有した。
「じゃあ改めて、メンデス、エライザ、ルナ、イオタ、オリビア、よろしくお願いします」
「こちらこそ、お願いします」みんなの声が重なった。
「いつまでも過去にとらわれていてはいけないわ…。そうだ、新しいパーティー名をつけましょう。何が良いかしら?誰か案はない?」
「それじゃあ、ユナイテッドにしよう。チームユナイテッドで」
「人族と魔族が一つになる…、良い名ね」
「じゃあ、ギルドカウンターに登録に行こう。昨日の報告もしなければいけないし…。ところでメンデス、魔族はギルドに所属できるの?」
「ああ、状況が変わったし出来ると思うが、ギルマスに直接報告して、決定を仰ぐしかないだろうな」
「それじゃあ、王都リベリスに戻ろうか。みんな、それでいいかな?」
「問題ないわ」
「よし、じゃあ準備を進めて、王都へ出発しよう」
「了解」
僕達は、早々に準備を整え、悲しみから逃れるかのように、王都リベリスに向かって出発した。
しばらく進んでからのこと、「レン、ちょっと良いか?」
「何だよ、メンデス」
「ほら、反国王派の方は大丈夫なのか?」
「ああ、それか。…正直、分からない。でも、ベックの迷宮に来る途中で、2人ほど懲らしめておいたよ。それで、諦めてくれないかな…」
「レン、そのことは聞いていないわ。襲撃されたの?」
「いや、襲撃の前に気付いたから、問いただしたんだよ。そうしたら襲ってこようとしたから、懲らしめてやった。ちゃんと手加減したから、命に別状はないはずだよ。王都に戻ってちゃんと報告して、手を引いてくれたら良いんだけど…」
「そう…。でもそれくらいでは、諦めないかもね」
「時空間スキルを使ったから、訳が分からないまま大怪我を負ったはずだけど、それでも駄目かな?」
「どうでしょうね…」
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