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第8話 手伝い

第8話 手伝い

「合併症についても、一応説明しておくよ」

「待って、もう信用すると決めたから、もういいわ。手術に百パーセントは無いんでしょ?覚悟はしておくわ」

「…そう?」

「では、ゲイリー君本人の意向を確認しよう」

「それももういいわ。ゲイリーが、私の命に背くはずないもの」

「…、それなら後は魔力の問題だけか…」

「そんなにも魔力を消費するものなの?」

「時間停止を何度せねばならないか、やってみないと分からないし、鑑定スキルやクリーン・アップの魔法は十回では足りないだろう。その他にも治癒魔法が何度も必要になるし、止血操作でも魔力を消費する。とにかく魔力が心配だ」

「そう…」

「それに関しては手段が無いわけでは無い。ルナは常人の三倍程の魔力を有しているわ。それに魔素の吸収に伴い魔力の回復が早いのよ」

「女神様、ルナさんの魔力量が豊富なことは分かりましたが、それでは解決になりません」

「勿論。でも、ルナは魔力を譲渡できるのよ」

「!!ベス様、私はそんなことは知りませんでした」

「ルナが知らないのも、仕方が無いわ。ただし、ちょっとした問題もあるの」

「その問題とは何でしょう?」

「魔法の譲渡は、触れあいながら、行わねばならないの。だけど、皮膚同士の接触では魔力譲渡の効率が悪すぎるの。平均で、およそ八分の一といったところね。すなわち800の魔力を譲渡しても、受け取れるのは100程になるという事ね」

「それでは、いくら魔力を補給しながらとはいえ、厳しいかもしれないわ」

「そう。そこでもし粘膜同士接触しながらなら、ほぼ90パーセントの効率で譲渡できるわ」

「えっ、粘膜同士?ということはキスしながら?それは、出来ません。エライザとの約束がありますし、ルナさんも承知しないでしょう」

「私は……、…ゲイリーのためなら受け入れるわ」

「私は、レンがそんな事をするなんて、受け入れられないわ。他の手段は無いの?」

「まあそうでしょうね。別にキスと決まったわけでは無いけど、どちらにしても同じ事ね。もし、粘膜と皮膚の接触なら50パーセント程の効率になるわよ」

「粘膜と皮膚…。それはどちらが粘膜でどちらが皮膚でも良いんでしょうか?」

「構わないわね」

「何か魔力の伝導率が良いものを介してはいけないのですか?」

「あら、それは可能でしょうね…。レン君は賢いのね…。でもいくら魔力伝導率が高くても、長すぎては効率が落ちるでしょうね。せいぜい5-6cmかしら?」 

「魔力の伝導率の良い素材は、ミスリルやオリハルコン、ヒヒイロカネといった貴重な金属類ね」

「ここは鉱山都市、貴重な金属でも手に入るかもしれない」

「そのどれかを手に入れるしか無いわね。でも5-6cmか…。○ッキーゲーム並みの短さね…」

「…」

「因みに魔力の伝導率が高いのは、ヒヒイロカネ、オリハルコン、ミスリルの順ね。出来ればオリハルコンかヒヒイロカネが良いでしょうね」

「エライザ、直接触れるわけでもないし、このあたりで妥協できるだろうか?」

「仕方が無いでしょうね」

「手術をするなら早いほうがいい。準備を整えて明日にでも執り行おう。ルナさんも手術を手伝ってくれるよね?」

「私は手術なんてしたことが無いわ!」

「しかし、手術中に時を停止して貰わなければいけないかもしれないし、魔力をいつでも譲渡してくれる準備が必要だよ。それなら、少なくとも手術する場所にいて欲しいし、どうせいるなら手伝いをして欲しい。一人での手術より、手伝いがあった方が、圧倒的に手術は早く進む。経験が無くても、言うとおりにしてくれれば、大丈夫。もし手伝いを他の人に頼んでも、時を停止させている場面では、役に立たない。その点、ルナさんなら大丈夫だろ?」

「そういう事なら…手伝うしか無いのかしら?」

「まあそういう事だよ。あと、エライザも今回は手術の手伝いをしてくれない?」

「えっ私も?」

「うん」

「分かったわ」

「ルナさん、後で時を止めるタイミングと、その時の注意点について説明しておくね」


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