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第6話 対談

第6話 対談

「問題っていうのは?」

「女神様、サリア様に許しを請わなくてはならないよ」

「あなたも女神様に召喚されたのね?それなら、確かにそうかもね…。私も女神様にお聞きするべきかもしれないわ…」

ルナという少女が、目を閉じ、祈りはじめた。

すると、横にいたイオタという魔族の様子が急に変わった。

それと同時に、僕の後ろで突然に光の球体が現れ、それが消失すると共に、エライザの様子が急変した。

イオタの身体に女神ベス様が顕現したように、エライザの身体に女神サリア様が降臨した。

「レン、しばらくエライザの身体を借りるわ。ベス、久しぶりね。こんな所であうことになろうとはね…」

「サリア、久しぶりね。今回は我が眷属の病気に関すること、しばし話をしましょう」

「そうね、ここで話すのは得策ではないわ。エライザやイオタも含めて私の所に招待するわ」

サリア様のその言葉と共に、僕達の意識は白い何も無い空間に飛ばされた。

「状況が把握できていない者もいるようだから、説明しておくわ」

「私がサリア、こちらがベス。私たちはこの世界を創造せしもの。切り札として私が異世界より召喚したのがレンで、ベスが召喚したのがそこのルナ。レンが私に祈った時に、ベスがイオタの身体を使って、この世界に顕現しようとしていたから、急遽私がエライザの身体を使って顕現したの。いくら私が隠蔽の工作をしていたとしても、レンの目の前にベスが現れては、すべて看破される。それでは不公平よね。公平を期すために私が顕現したわけ」

「私が現れたのは、ルナが私を呼んだから。私を呼んだ理由は、ルナの仲間のゲイリーが不治の病を患っていて、その予後が不良であることを知ったルナが、ゲイリーの治療をサリアの眷属の手に委ねても良いかどうかの判断に困ったからなのよね」

「レンが私に問うたのも、ベスの眷属を助けても良いのかどうか。そのためにスキルを使用しても良いものかどうかを確かめたいが故ね」

「レンやルナのスキルに関しては、私とベスが二人の目の前に現れた時点で、すべて筒抜けになっているから、ある意味もう問題はなし。そうなると、議論すべき事は、それぞれの眷属の代表として戦う事になる言わば敵を助けるのか、あるいは敵に助けて貰うのかということ。それから、助け助けられた場合は、予定通りに後で戦いをするのか、戦うことが出来るのかということね。ゲイリーを助けるということは、みんな望んでいるように思えるけど、一応確認が必要ね。エライザはどう?」

「私は、正直なところ、見知らぬ魔族のことはどちらでも構いません。レンの判断に任せたいと思います」

「では、レンは?」

「僕は、仲間を魔族に殺されたので、思うところはあります。しかし、その反面、病に苦しんでいる人が目の前にいて、もしかしたら自分がその人を助けることができるかもしれない状況で、その人を見放すことは出来ません」

「イオタはどう思う?」

「私は、ゲイリーを助けて貰いたい気持ちがあります。でも、その判断は、私たちが仕えている勇者ルナ様の判断に委ねます」

「ルナは?」

「仲間であるゲイリーを救うことが出来るなら…、その可能性があるなら、助けて貰いたい」

「ゲイリーを助けることで、意見は一致しているわね。この世界の法則で、私たちが介入することが許されていないことを考慮すると、レンに任せるしか無いわけだけど…」

「…はい、それには少し問題があります」

「その問題は何?それに本当に助けることが出来るの?」

「ルナ、あなたが心配する気持ちも分かるわ。でもね、確かにそのレンという者は、ゲイリーを助けることができるかもしれない。しかし、同郷故か、ルナとレンは考え方が似ているわね」

「えっ同郷?」二人の声が重なる。

「あなたは(君は)、日本から来たの?」


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