第14話 ソロ攻略
レン君が、みんなに取り残されないために、ソロで迷宮に潜ります。
第14話 ソロ攻略
後ろからついて来ている仲間達のことは気にしないようにしよう。
今日僕は、一人で迷宮に潜っていく。
*
いつもとは違い、光をともすライトの魔法は使っていない。
そのかわり、暗視能力をフルに発揮している。
それに加え、迷宮ではあまり役に立たないといわれている気配察知のスキルを使っている。
さらに、ステルス・スキルも使うことで、こちらより先に魔物に見つかる心配は、ほとんどないと思われる。
「スキルレベルはスキルを使うことで上げられる」僕は、ギルドマスターの言葉を思い出していた。
できるだけスキルを使うようにするんだ。
特に、時空間操作スキルと暗殺スキルとステルス・スキル、この三つのスキルはできるだけ使うようにしなければいけない。
しばらく迷宮を進んでいくと、コボルト三体に遭遇した。
相手はまだ僕に気づいていない。
奇襲攻撃を仕掛けるチャンスだ。
ステルス能力を発揮したまま、一気にスピードを上げる。
距離を取りながら迂回するように移動し、相手に悟られることなく、背後にまわることに成功した。
そのまま気づかれないように行動に移す。
時空間操作を使用し、一気に距離を詰め、相手の認識外から、短剣で一体のコボルトの首をはねることに成功した。
残りの二体のコボルトは、異変に気づいたようだが、まだ状況がつかめていない。
僕はそのまま死角を確保する様に移動し、相手に悟られぬまま、もう一体のコボルトの首をはねた。
ここに至って、ようやく最後の一体は僕とその位置を認識したようだ。
しかし、すかさず速度の緩急を用いてフェイントを入れ、時空間操作を使用することで、再び相手の前から姿を消した。
そのまま、相手に気づかれることもなく接近し、急所を短剣で攻撃し、最後のコボルトを屠ることに成功した。
一分と経たぬまま、コボルト三体を討伐したのである。
やっぱり忍者はソロに向いていると実感する。
それから何体ものモンスターを倒しつつ、迷宮第一層の奥へ奥へと進んでいった。
かなりのモンスターを倒しただろうか、気がつけばグレートサーペントの部屋の近くにいた。
グレートサーペントと最初に戦ったとき、パーティーはかなり危険な状況に追い込まれた。
しかしその後に周回したときには、特に苦労もせず倒すことができるようになっていた。
レベルも上がった今、ソロで挑んだらどうなるだろうか?頭の中で戦闘をシミュレートしてみる。
大丈夫だ、勝てる。
僕は気合いを入れて、グレートサーペントに挑むことにした。
扉を開け中に入ると、相変わらず巨大な蛇がそこにいた。
しかし、以前のようなプレッシャーは感じない。
ステルス・スキルを一旦中止した。
よしやるぞ!僕は即座に加速し、高速に移動しながら、相手の死角に入ろうとした。
しかし、いくら速く移動しても、それだけでは死角に入ることができない。
そんな僕に対し、グレートサーペントは何度も噛み突き攻撃をしてきた。
僕はそれを避けつつ、次の作戦に移った。
素早い移動から、急減速してフェイントをかけると、時空間操作スキルを使いつつ、再度急加速をした。
それでやっと、グレートサーペントの認識から外れることができた。
時空間操作スキルは、現状では、体感で数秒ほどしか使えない。
時空間操作スキルが切れた後も、相手に気づかれないように死角を確保しながら、グレートサーペントに近づいていった。
グレートサーペントには、短剣より手刀の方がダメージを稼げることがわかっていたので、手刀で攻撃をするつもりでいる。
しかし、その場合は、短剣より間合いがさらに短くなる。
気づかれないまま、相手のすぐ近くまで行かねばならないのだ。
ここで再度、時空間操作スキルを使い、さらにステルス・スキルを併用し、一気に勝負に出た。
地面を強く蹴り、高く跳躍すると、そのまま完璧な不意打ちをグレートサーペントに食らわせた。
僕の手刀がグレートサーペントの首を捉えた。
手刀は首を切り裂いていき、首の切断に成功した。
ソロでもグレートサーペントを倒すことができた。
強くなっている実感がわいてくる…。
はやる気持ちを抑えつつ、早速、能力鑑定をしてみた。
レン 人間族 13歳 男
職業 忍者 職業レベル4↑
基礎ステータス
力 18↑、知性 16↑、信仰心 15、生命力 17、体力 17、敏捷性 19↑、
幸運 17、器用さ 18↑
職業スキル
ステルス レベル4↑、遠見の術 レベル2、暗視 レベル4↑、
気配察知 レベル4↑、状態異常抵抗 レベル2、暗殺 レベル4↑、
投擲 レベル3
固有スキル
時空間操作 レベル4↑、魔力操作 レベル4
生活魔法
火属性 レベル3、水属性 レベル3↑、風属性 レベル3
土属性 レベル3↑、精神属性 レベル3↑
その他 攻撃魔法適正なし
職業レベルは4に上がった。
それに伴い基礎ステータスやその他のスキルレベルも上がっている。
伸ばしておきたいスキルである、暗殺スキル、ステルス・スキル、時空間操作スキル、すべてがレベルアップしているのは喜ばしいことだ。
しかし特筆すべきは、収納ボックスが使えるようになったことである。
これは、時空間操作スキルがレベル4になったことにより、使用可能となった。異空間に27㎥ほどの立方体の閉じた空間を作ることができ、この大きさに入るものなら、生きた生物以外のものを収納することができる。
また任意に取り出すこともできる。
異空間では時間の流れが止まっているので、入れたものが経時的な変化を起こすことがない。
すなわち、できたての料理を入れると、いつでもできたての料理を堪能することができるわけである。素晴らしい!
浮かれた気分のまま、今日はマーリンに戻ることにした。
読んで頂き有り難う御座います。初投稿から一週間になります。何とかペースがつかめてきました。これからも頑張ります。宜しければブックマーク登録をお願いいたします。