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第55話 作戦

第55話 作戦

私たちは、狭い通路を這いつくばって、洞窟の外に出てきた。

みんな地面を這いつくばったので、あちこち汚れている。

私はクリーン・アップの呪文を唱えた。

「何、その魔法?便利ね。私にもかけてよ」

「あら、知らない?生活魔法のクリーン・アップよ。皆に順番にかけてあげるわ」

「ありがとう。これは便利だね」

「本当!これはお風呂いらずだわ」

「それは無いでしょ?お風呂は綺麗になるためだけに入るんじゃ無いわ。リラックスするためにも入るのよ」

「まあ、そんなこと今は良いじゃない。とにかく、新しい魔法が手に入って良かったわね。私も収得したかったわ…」

「オリビア、残念だったわね。でもスペリオル・グラヴィティの収得には、時魔法が使えることが前提だったみたい」

「そうなのね。だから、広まらなかったのかもしれないわね。時魔法を使える魔法使いは、本当に限られているもの…」

「それは良いとして、この後どうする?」

「一旦、別荘に戻って、それから今後のことを相談しましょうか?」

「時間が惜しい気がするわ。このまま王都を目指しましょう」

「ターミネーターはどうする?魔王の討伐には役に立たなさそうだけど?」

「それも後回しにしましょう。魔王討伐後に、余裕があれば、取りに行きましょう。ダックと時間の約束があるからね」

「それはそうとして、魔王討伐の目処は立ちそう?スペリオル・グラヴィティは使えそうかしら?」

「勿論、実際に使ってみないと分からない面もあるけど、かけられた感覚からすると、有効そうな印象があるわ」

「そうなの?魔王討伐の目処が立ったなら、迷うことは無いわね。私たち魔族の念願、魔王討伐に行きましょう」

「おう!ってオリビア、そこは私が号令をかけるところじゃない?」

「ははは、バレたか」

「まあ良いじゃない。楽しく行きましょう」

「賛成!」

私たちは、セントレア湖に沿うように北側を進み、王都バースの近くまでやって来た。

途中でかなりの数の魔物と戦うことになったが、今の私たちの敵ではなかった。

王都バースは、城郭都市である。

周囲は、石で出来た高い塀で囲われており、南北二カ所に大門がある。

さらに東西の二方向には、馬車も通れないような小さな通用門が設置されている。

王城はというと、王都のほぼ中央部に堂々と聳え立っており、城郭外からでも高い塀の向こう側に確認することが出来た。

「あそこに魔王がいるのね」と私。

「確定では無いけどね。まあ王城でほぼ間違いないでしょう」とゲイリー。

「さて、どうやって乗り込んでいくか、作戦を練りましょう」

「どうやるも何も、正面突破以外に方法があるの?城郭内は静かなようだけど…」とイオタ。

「まあ効果的な方法があるわけでは無いけど、できるだけ侵入に気づかれない方が良いことは確実だね」

「それなら通用門から侵入するの?」とオリビア。

「そんなの正面突破とあまり変わらないわよ」

「じゃあどうするのよ?」

「まず、私が単独で城郭内に入り込み、王城の理想的な場所までたどり着く。私には時魔法があるから、ほとんどのことは一人で対処できると思う」

「それでどうするの?」

「そこの座標を確認しておいて、ここまで戻ってくる。それから転移の魔法で皆を連れて、一気に王城までテレポートする。そういう作戦よ」

「…それはルナが危険すぎないか?」

「大丈夫よ」

「…ルナの負担を考えなければ良い作戦だけど…」

「気にしないで。じゃあ勇者である私からの命令とするわ」

「それを言われたら従うしかありません…。でも、本当にお気をつけて」


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