第39話 アーク・デーモン
第39話 アーク・デーモン
「まず、基本的な情報として、アーク・デーモンはグレーター・デーモンほど大きくなく、2m程の人型の悪魔らしいよ。でも、攻撃技術が高くて、達人級の動きをするらしい。それに多彩な魔法攻撃を仕掛けてくると言う話だ」
「魔法は効きやすいんだったわね」
「普通くらいには効くという話だ」
「それなら、作戦は決まったようなものね」
「というと?」
「それはね…」
私たちは、キャンプを終えると、通路を進んでいった。
渦状になった通路は、だんだんと直線距離が短くなってきている。
中心部はもうすぐだ。
「きっとこの先ね。呪文の準備を開始いておいてね」
「了解」
「じゃあ良い?行きましょう」
私たちが進んでいった先は、ほぼ渦の中心部となっており、悪魔が一体佇んでいた。
アーク・デーモンだ。
私はスロー・タイムを発動させた。
それと共に時間の流れが遅くなる。
間髪入れずに、スリプルの魔法を、無詠唱で何度も発動させた。
アーク・デーモンが眠りに落ちるまで、三回の発動を要した。
丁度アーク・デーモンが眠りに落ちたと同時に、オリビアがニュークリア・バーストの魔法を発動させた。
アーク・デーモンは、ニュークリア・バーストの炎に焼かれ、その表情が苦痛に歪んでいる。
確実に、ダメージを与えている。
しかし、核の炎が継続する中、アーク・デーモンは目を覚ましたようだ。
ニュークリア・バースト一発では倒しきれないかもしれない。
イオタは、サイレントの魔法を何度も発動しているが、効果が出ないようだ。
アーク・デーモンが、炎の中で、ニュークリア・バーストの魔法の呪文の詠唱を開始した。
このまま、アーク・デーモンが詠唱を完遂させれば、パーティーが危機的状況に陥ってしまう。
まだスロー・タイム中であった私は、再度スリプルの魔法を連続で発動させた。
今度は、二度のスリプルの魔法で、アーク・デーモンを眠りに落とすことが出来た。
再度、ニュークリア・バーストの魔法の詠唱を始めるオリビア。
その時、スロー・タイムの時間が終了してしまった。
アーク・デーモンが目覚める前に、けりをつけなければならない。
次のニュークリア・バーストの魔法は間に合うのか?
私は、スリプルの魔法と少し迷ったが、ファイア・ストームの魔法を選択し、詠唱を開始した。
オリビアの詠唱はまだ続いている。
私は詠唱を終え、ホールドさせた。
アーク・デーモンが目を覚まし、ニュークリア・バーストの魔法の詠唱を再開した。
オリビアの詠唱はまだ終わらない。
私は、ホールドしていたファイア・ストームの魔法を発動させた。
ファイア・ストームの魔法の炎の影響でダメージを受け、魔法の詠唱が乱れ、遅くなっている。
ここでオリビアは、アーク・デーモンに二度目のニュークリア・バーストを発動させた。
核の炎が更に、アーク・デーモンに襲いかかる。
しばらくは炎の中で、ニュークリア・バーストの詠唱がまだ続いていた。
しかし、それが発現する前に途絶えた。
ようやくアーク・デーモンを倒すことに成功した。
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