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第37話 セイレーン

第37話 セイレーン

「前世ではね、歌で惑わす魔物の話があるの」

「惑わされる前に歌を遮断した方が良いかも…」

私は、サイレススペルを唱えた。

呪文を唱えると、私たちの周囲は音を遮断するベールに包まれた。

それで、歌声は、遮断され聞こえなくなった。

「これで魔物の歌は遮断できたわ。でも、周囲の音が聞こえなくなるから、気をつけてね」

「了解。因みに、前世での魔物ってどんな魔物?」

「それはね、海に出現するセイレーンという魔物で、上半身が女性で、下半身が魚だったり鳥だったりするの。歌を歌って船員を惑わし、船を難破させるのよ」

「もし、魔物がセイレーンだったら、電気系の魔法が有効かもね」

「そうね。魔法は電気系で」

それから、私たちは、警戒しながら先に進んでいった。

「前方に魔物が二体!」

ダークゾーンの中なので、視覚で確認することは出来なかったが、魔力感知や索敵能力で、やはりセイレーンのような魔物であることが分かった。

私はスロー・タイムを発動させた。

そして、間髪入れずにライトニングの魔法を二発放った。

ダークゾーンの中なので、視覚的にライトニングの魔法が発動したことは認識できない。

ダークゾーンの中では、光が発生することがないのだ。

でも、ライトニングの魔法が、相手に少なからずダメージを与えていることが分かった。

「やっぱり電気系の魔法が有効ね」私が言うと同時に、オリビアの魔法が炸裂した。

スペリオル・サンダーの呪文だ。

この呪文は、電気系魔法の最上位に当たる呪文で、ライトニングの魔法とは比べるまでもない程の威力を発揮した。

セイレーンにとっては、光も音もないところから突然ライトニングの魔法をくらい、立ち向かおうとしたところに、スペリオル・サンダーである、たまったものではない。

これで、大きなダメージを負い、瀕死の状態となってしまった。

そこに、ゲイリーと、少し遅れて私の斬撃が襲いかかった。

素早い動きで、縦・横と剣を振るい、弱っていたセイレーンを、反撃のチャンスを与えることなく倒すことが出来た。

「ルナの言うとおり、セイレーンだったわね。今回も作戦勝ちね」

その後は、魔物にエンカウントすることなく、ダークゾーンの最後の所までやって来た。

そして、シークレットドアであった扉から、部屋の中に入った。

「ダークゾーンを抜けるとホッとするわね」

「そうだね。でも油断は禁物だよ」

私たちは、右手にある扉から部屋の外に出ると、反時計回りに渦巻き状の通路を進んでいった。

何度か魔物を倒しつつ渦巻き状の通路を進んで、ダークゾーンの手前までやって来た。

「ここはダークゾーンだけでなく、アンチマジックエリアでもあるのよね。魔物には出会いたくないわ。さっさと抜けましょう。一応、シュートが解除されていない可能性もあるから、そのつもりでね」

「了解」

私たちは、ダークゾーンの中を走るように急いで移動した。

シュートの罠に落ちることはなく、ダークゾーンを抜け出すことが出来た。

「さあ、ここからはどうなっているか分からないわ。慎重に進みましょう」

「そうだね。ダークゾーンを抜けても、渦巻き状の通路は続いているようだね。このまま中心部を目指そう」

「そこにはまたボスがいるのかしら?」

「いるだろうね」


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