第34話 ダークゾーン
第34話 ダークゾーン
「強敵だったわね。イオタ、ありがとう、助かったわ。…でも悔しい。もっと強くなりたい」
「ルナ…」
「私の剣が当たっても、あまりダメージを与えられなかったわ。もっと強力な武器が欲しい…」
「それなら、この迷宮を攻略した後、最強の武器を手に入れに行きましょう」
「そんなものがあるの?」
「あるわよ。すべてを終わらせる剣といわれる、ターミネーターという剣が」
「それは楽しみだわ。とっとと迷宮攻略をしてしまいましょう」
私たちは、ボスを倒した先にあった上り階段を上がって、第三層へとやって来た。
階段を上りきると、そこはT字路となっていた。
南側方向はすぐに行き止まりとなっており、東西には長い通路が続いている。
まずは、東の方角へと進み始めた。
しばらく歩いて行くと、通路は折り返し、西に向かっている。
私たちは、そのまま西へと進んでいった。
しばらく行くと、通路は袋小路となっており、引き返そうとした瞬間に、テレポーテーションの罠が発動した。
テレポーテーションにより、飛ばされる私たち。
そして、浮遊感が収まったとき、視界は完全に閉ざされていた。
「ダークゾーンね。まずは場所の確認をしないと」
私は、ロケーションの魔法を唱え、場所を確認した。
「先ほどの袋小路から東に2ブロック進んだ場所ね。周囲を確認しながら慎重に進みましょう」
ダークゾーンの中をゆっくりと進み始めた。
しばらく歩いて行くと、前方より魔物が近づいてくる気配がした。
「魔物だ。ヴィレントが一体だな。魔法攻撃を!」
早速私とゲイリーは、攻撃態勢に入った。
オリビアはファイア・ストームの魔法を唱え始めた。
イオタはプロテクトの魔法を唱えた。
確かヴィレントは、剣技に長けた魔物だったわ。
はじめから全力で行かなくちゃ。
私はスロー・タイムを発動させ、無詠唱で広範囲魔法のホイッピング・ロックスを発動させた。
素早い動きを得意とするヴィレントではあったが、不意を突かれた上に、魔法の影響が広範囲であったため、躱すことが出来ず、ダメージを負っている。
ゲイリーは右側から、私は左側から攻撃を仕掛けた。
私とゲイリーの二人を相手にしながらも、器用に立ち回り、一進一退の攻防を続けるヴィレント。
しかし、合図と共にオリビアのファイア・ストームが炸裂した。
私とゲイリーは、阿吽の呼吸で魔法範囲から避難したが、ヴィレントはもろに魔法の炎に包まれた。
ヴィレントは炎の中で、高速に動き回ることで、ダメージの軽減を図っている。
私は、ヴィレントの足止めと、炎を勢いづかせるために、ウインドカッターの呪文を発動させた。
ヴィレントは、足を見えない刃で切り刻まれ、動きが鈍くなった。
また、酸素を送り込まれ、更に炎は勢いづいている。
私は、最後にもう一発ファイア・ストームを発動させ、ようやくヴィレントを倒すことに成功した。
「なかなか手強かったわね。いきなりニュークリア・バーストの方が良かったかしら?」オリビアが一人呟いている。
やっぱりダークゾーンでの戦闘は嫌いだ。
「早くダークゾーンから出ましょう」
私は周囲を十分に確認しつつも、どんどん先へと進んでいった。
(下に、第三層のマップを掲載しておきます。ご参照ください)
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