第24話 マスター・ニンジャ
第24話 マスター・ニンジャ
第一層から第二層に上る階段は、第一層の中央部に存在したことから、階段を上ると、第二層の中央部に出てくるはずだと予想していたが、予想通りであった。
その階段を中心として、北東、北西、南東、南西の四方向に、それぞれ斜めに二つの通路が繋がっているようだ。
沢山の壁が存在しているが、扉のないものがほとんどで、東西南北に四カ所だけ扉が見える。
「どこから行こうか?運試しだな」
「それなら私に任せて」とイオタ。
「まずは、四カ所の扉を開けて回るのが先決ね」
「じゃあ、そうしよう。それで、どの扉から確認する?」
「私の勘が、北だと告げているわ」
「じゃあ、北から行きましょう」
私たちは北に見えた扉までやって来た。
「あれ、この扉は開かないわよ。イオタの勘も信用ならないわ」
「待って、最初に開かない扉を見つけておいたのは幸運かもよ?」
「またそんなこと言って誤魔化そうとしているわね」
「バレたか…」
「いやいや、特別な扉を先に把握しておくことは、大事なことだよ」
「ほら、ゲイリーも言っているでしょ?」
「分かったわ。そういう事にしておいてあげる」
「じゃあ次はどちら?」
「まだ私に聞くの?」
「当たり前よ。勘が当たっていたんでしょ?」
「分かったわ。次はどちらでも良いと勘が告げているわ。じゃあ、西の扉で」
西の扉の前まで行き、扉を開け中に入った。
中に入ると、魔物は見えなかったが、充満する殺気と空気の揺らぎを感じた。
「気をつけて!何かいるわ」
私はスロー・タイムを発動した。
時間の流れが遅くなり、高速で動き回っていた相手を視認することが出来た。
魔物は三体、それぞれが上下左右に高速で動き回っている。
私は狙いをつけ、広範囲の攻撃魔法であるコールドウインドの魔法を発動させた。
この魔法は、急激な温度低下を広範囲に起こし、更に数ミリ大の霰が吹き荒れる水属性の魔法である。
三体の魔物は魔法の影響でダメージを受け、動きが鈍くなった。
「マスター・ニンジャだ!」ゲイリーが叫んだ。
私とゲイリーは動きの鈍ったマスター・ニンジャに斬りかかっていった。
私は、スロー・タイムとダメージの影響で、動きが鈍っているマスター・ニンジャを苦労なく斬り伏せ、倒すことに成功していた。
ゲイリーは、ダメージを受けてなお素早く動き回るマスター・ニンジャに、苦戦しているようだ。
しばらく激しい攻防が続いたが、ゲイリーは、戦士の必殺技であり無数の突きを瞬時にたたき込む、流星剣を放った。
それが見事に命中し、マスター・ニンジャを一体倒すことに成功した。
残りの一体に対しては、オリビアがライトニングの魔法を放ち、感電させ麻痺状態にすることが出来た。
これにより動きがとれなくなったところを、私がとどめを刺した。
「みんな無事?」
「大丈夫。でもちょっと厄介ね。敵の居場所を確認するのに、手間取ってしまった。注意しないといけないわね」
敵がいなくなった部屋の中を確認したが、特に何もなかった。
「何にもないわね。次の扉を目指しましょう」
(下に、第二層のマップを掲載しておきます。ご参照ください)
読んで頂き有り難う御座います。宜しければ、高評価、ブックマーク登録をお願いいたします。