第23話 テレポーテーション
第23話 テレポーテーション
「大分マップが埋まってきたわね。残るは、一番北の通路の中央部にある扉から、入っていけるエリアだけね。十字架をひっくり返したような形ね。ここに第二層への階段があるに違いないわ。この層に、ボスと言える魔物はいるのかしら?」
「僕が仕入れた情報では、ボスはいないようだよ」
「そう?それなら、もうすぐ第二層へいけそうね。第二層の情報はあるの?」
「第二層は、いろいろな種類の魔物が出るみたいだよ。人間型の魔物も出るらしいよ。マスター・ニンジャとかダイミョウとか言うらしいんだけど…。少し特殊な魔物らしい」
「それって、私の前世の歴史に出てきそうな名前の魔物ね。妙な感じ…」
「人間型の魔物なら、剣技に長けているのかしら?」
「それは、他の魔物に比べればそうだろうね。今日は特に剣の練習を念入りにしておこう」
「分かったわ」
「その他にはキラー・マンティス、ドラゴン・フライ、コボルト・キングといったところだね」
「成る程…」
その後、剣の練習をみっちりとしてから、休んだ。
翌日、迷宮の第一層の最北の通路に来ていた。
東西に長く延びる通路の中央部にある扉を開け、中に入った途端、ダークゾーンが広がっていた。
「また、ダークゾーンだわ!この通路は、しばらく南にまっすぐ続いているはずよね。でも左右に一方通行の扉があるかもしれないから、確認しながら慎重に進みましょう」
「了解」
ダークゾーンの中は全く光が存在せず、目が慣れて、徐々に見えてくるということはない。
しかし、幸いなことに、敵の有無を、索敵能力で、ある程度は確認することができる。
迷宮内は、外部とは違い索敵能力に制限がかかるので、索敵範囲はせいぜい数十メートル程に制限されている。
そのため、より慎重な行動が必要となる。
私たちは左右を確認しながら、ゆっくりと進んで行った。
ダークゾーンの中をしばらく歩いて行くと、突然の浮遊感におそわれた。
浮遊感がおさまると、そこはダークゾーンではない通常の一室だった。
「テレポーテーションの罠か。どこかに飛ばされたな」
「ロケーションの魔法で位置を確認するわ。…ロケーション!どうやら、十字架の横棒の東側の端に飛ばされたみたいね」
「じゃあ進むしかないね」
「了解」
「待って、この扉は鍵を使わないと開かないわ」
私は持っていた銅の鍵を使った。
すると、無事に解錠できた。
「成る程、銅の鍵はここで使うのね」
扉を開け中に入ると、テレポーテーションの罠で飛ばされてしまった。
「またテレポーテーションの罠だ。飛ばされた場所は予想できるけど、一応確認しておこうか」
「そうね。…ロケーション!」
「予想通り、十字架の横棒の西側の端ね」
「この扉はまた鍵を使わないと開かない扉だわ」
「はいはい、今度は銀の鍵かしら」
「貸して、開いたわ。また進むと飛ばされるのかしら。あの感覚あまり好きじゃないのよね」
「仕方がないわ。進もうよ」
「分かった」
またテレポーテーションの罠で飛ばされた。
飛ばされた先では、南側に鍵を使わないと開かない扉があり、北側に第二層へと上る階段が見えた。
「この扉はまだ開けられないわ。第二層で鍵をゲットしないといけないみたいね」
「ああ、反対側から開けられなかった扉だね。このまま第二層へ進めということかな。第二層に進んでみよう」
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