第20話 攻略開始
第20話 攻略開始
迷宮の入り口は、三日間閉じることもなく、特に変化もなかったので、問題ないだろうと結論づけた。
しかし、迷宮の攻略にはかなりの時間を要することから、その間に第三者の手によって入り口が閉鎖されては困るので、魔法で入り口を隠しておくことにした。
オリビアが隠蔽の魔法を入り口唱えた後に、みんなで中に入った。
さあ、本格的に迷宮の攻略開始だ。
私たちは、早速、怪しかったタイガーの像を目指すこととした。
マップを確認しながら、慎重に進んでいった。
時計回りに小部屋を進み、タイガーの像のある部屋にやって来た。
「確かに怪しいね。あの像には何かあるに違いない」とゲイリー。
「そうでしょう?きっと何かアイテムがゲットできるはずよ」と私。
「じゃあ、準備は良い?触れるわよ?」
「OK」
迷宮にある像にギミックがある場合、その像に触れると、何かしら反応があることが多い。
私がタイガーの像に触れると、煙がモクモクと立ち上がりはじめた。
私はすかさずパーティーの隊列に戻り、様子をうかがった。
しばらく出ていた煙が、集まりだし、何かしら形作られていく。
「やっぱりグレート・タイガーが出てくるのかしら?」
「そうかもしれないね。でも油断禁物だよ。レベルの高い個体かもしれない」
「了解」
しばらくすると、煙は霧散し、やはりグレート・タイガーが一体出現した。
私とゲイリーはグレート・タイガーに向かっていった。
オリビアはスリプルの魔法を詠唱している。
イオタはプロテクトの魔法を私たち前衛に唱えた。
私とゲイリーは連携しつつ、斬撃を加えていった。
相手のグレート・タイガーは、やはり高レベルの個体なのか、動きが素早く、二人の攻撃を大きなダメージを受けることなくやり過ごしている。
オリビアのスリプルの魔法が発動したが、効果を発揮しなかった。
「手強いな」ゲイリーが呟いた。
私はとっておきのスロー・タイムを発動した。
時間の流れが遅くなる。
ゲイリーの位置を見て安全性を確認すると、広範囲魔法のウインドカッターを無詠唱で発動させた。
目に見えない無数の風の刃がグレート・タイガーに襲いかかる。
とても素早い動きのグレート・タイガーであったが、スロー・タイム中の広範囲の魔法を避けることは出来ず、無数の傷を負ってしまった。
チャンスだ!
ゲイリーは、チャンスを逃すことなく斬りかかる。
グレート・タイガーを下段から切り上げ、そのまま横、縦と十字に斬撃を加え、最後に深く突き入れた。
とどめを刺す型である攻撃の三番目の型だ。
流石に私よりも更に動きが鋭い、レベルが高いだけはあるわね。
グレート・タイガーはゲイリーの攻撃を受け、倒れ込み、消えていった。
「本当ね、魔物が消えたわ。なぜなのかしら?今度機会があれば、女神様に聞いてみよう」
グレート・タイガーが消えた後には、銀の鍵が残されていた。
「これはどこか特殊な扉を開けるのに使う鍵よね?」
「多分そうですね。アイテム、ゲットですね」
「うん。幸先良いね」
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