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~序章~ 異世界の成れ果て
世界が崩壊する音が聞こえる。
緑豊かだった山は草木が枯れ果てた岩石と変わり。
透き通り煌びやかな川は悪臭を漂わせ黒く濁っている。
「こんなはずじゃなかった・・・」
今にも崩れ落ちそうな廃墟の中で変わり果てた世界を眺める少女は呟く。
綺麗だった夜空は真っ黒な雲に覆われ世界を包み、穏やかに暮らしていた動物達はお互いを殺し合う猛獣に成り果ていつも無闇な殺し合いをしている。
「こんなつもりじゃ・・なかった・・」
震える声で呟く少女の後悔に、誰も慰める者はいない。
支える仲間もいない。
導く大人もいない。
指し示してくれる同類もいない。
少女はただ、自分が導きだした結果を眺める事しかできないでいた。
「・・・なに、あれ」
そんな中、背後から暖かい何かを感じて振り返る。
まるで暗闇の中で誰かが指し示してくれているような輝きがそこにあった。