cheesyと言われても
職場は都心から少し離れた国道沿いにある
自宅から最寄り駅まで自転車で15分、職場の駅まで40分駅から徒歩25分または自転車で13分程だ
俺は自転車で駅から通っていたが
今はアパートから自転車で7分程で着く
通勤時間は短ければ短いほどいい!!
いくつものテナントが入っている大型のショッピングモールの社員用入り口から入店し手続きを簡単に済ませて休憩室へと向かう
平日の朝だというのにスタッフがごった返している
今日の朝番のシフトは俺と日比野と清水くんか
着替えを済ませ休憩室前に設置された自販機であたたかい缶コーヒーを買い、ふたたび休憩室に戻りパイプイスに座り一息つく
仕事前のルーティンをしていると
「ぉはざーす」
テンション低めの声がかけられた
「あ、おはよー」
日比野「今日も寒いしだるいっすねぇ」
「だなぁ、、清水くんはたばこ?」
日比野「そぉっすね、俺は寒かったんで先にきました。あいつは2本吸わないとダメらしいんで」
「あー。でもたしか清水くんは電子たばこだったよね?あれってチャージとかあるんでしょ?」
日比野「ありますね、でもあいつ二刀流になったんで」
「なるほど(笑)」
くだらない会話で開店5分前まで時間を潰していると、清水くんも喫煙所と名前だけ付けられた屋外の一角から戻ってきたようで
清水「あ、おはようございます!」
ハキハキとした気持ちのいい挨拶が投げかけられる
「おはよー、ニコチンチャージはできた?」
清水「はい!若干足りないかもですけど」
軽いパーマのかかった髪をくしゃくしゃとしてはにかんだ
日比野「3本目買っちゃえよ」
「三刀流の剣士みたいじゃん」
清水「いやぁ。。さすがに」
「そろそろ行くかぁ」
日比野×清水「っす」「はい!」
「今日の戻りとかあるの?」
日比野「ないっすねぇ」
清水「自分は1件年配の方の戻りが朝イチであります」
「了解。まぁまったりやってこーか」
平日の仕事は客足も少なく通路入り口で声がけしてのキャッチがメイン。あとは問い合わせを捌いたり、売り場の展開を変えたりと基本暇だ
両隣のテナントに顔を出して軽く挨拶するのが日課となっている
小物雑貨屋への挨拶を済まし、果実ジュース屋への挨拶にいく
おっ小松さんじゃん
「おはよー」
小松「あっおはよーございますっ」
朝は空調も効いていないのでかなり冷える
それなのに小松さん
小松エリナ推定23歳身長約151センチ体重42くらい
バストG確定!
は、いつも丸々な笑顔で挨拶をしてくれる
今俺イチオシの娘である。
「今日も寒いねぇ売れるかねぇ」
小松「売れなかったらまたバナナミルク買ってくださいね」
「バナナミルクは至高のドリンクだからね。今日も買わせてもらうよーってあれ?小松さんなんか雰囲気変わった感じ??髪でも切ったん?」
ここで話を途切れさせない!
客足のまだない朝イチこそが他のテナントの子とコミュニケーションの取れる貴重な時間なのだ!
清水くんは時間通り開店直後に戻ってきたご年配夫婦の対応中
日比野はまだ雑貨屋で時間潰しているから邪魔もない!
小松「えっすごーい!わかりますかぁ?髪は切ってないんですけどぉ」
いや、何もわからんよ。
「髪じゃないのかぁ、なんかすごい良い感じだよね。化粧のやり方かなにかを変えたの?」テキトー
小松「正解です!すごいですね!いい感じですか?!よかったぁアイライン引くのとかも変えてみて、実は不安だったんですよぉ」
はいキター
とりあえず髪切った?からの良い感じだよね。のコンボは女性への切込みには85%くらいで好感触なトークだ
すかさず
「前は可愛かった感じだったけど、今回はなんかグッと大人な女性!みたいな感じよね。いいわぁ好きだわぁ」
小松の丸い顔がさらに丸くなり太陽のような笑顔になっていく
小松「もぉっ何言ってるんですか朝からっ何も出ませんよぉ!とりあえずバナナミルク1リットル作って置きますからね♡」
「めっちゃ出るじゃん!めっちゃ金引き出そうとしてるじゃん!」
イタズラな笑顔になったところで切り上げる
幸先のいいスタートなんじゃないかな?
小松さんがお昼休憩に入る前に休憩行きたいな
「ひびのぉー俺、昼先に行っていい?」
カウンターに腰掛けて仕事してる風を装ってバイクの検索をしている日比野に声をかける
清水くんはまだ対応が終わる気配がない
日比野「いいっすよぉ。ただ一服だけ先に行かせてください」
「あーおけおけ。行っといでー」
一服してる間に行動に出る
「小松さーん」
トテトテとチラシ配りをしていた小松さんが店前まで戻ってくる
「バナナミルク1リットルください」
目を丸くして
小松「えぇ?!冗談だったんですけど!?」
「うそうそ(笑)でもLサイズ2つください」
小松「そんなに飲むんですか?!」
「俺バナナミルク好きなんだよねぇ。というか、もしかしたら小松さんの作るバナナミルクが好きなのかもしれない。今日は特に良い感じだし。もしかじゃなくて間違いなく好きだな」
小松「なんですかそれぇ(笑)」
「もぉさこの際エリナミルクに改名して売り出したら?絶対売れるでしょ」
小松「絶対やだぁ誰が飲むんですかそんなの」
「俺が買い占めるわぁ」
小松「今もほぼ買い占めてるじゃないですかぁ。はい。Lサイズ2つで1280円です」
むむ。割と高いな。。とか一瞬思ったけど問題なかった
Lサイズのカップが2つ並んで透明な袋に入れられている
その袋を持って自店舗に戻ると、ちょうど一服の終わった日比野も戻ってきた
日比野「おまたせっすー、おっバナナミルク。わざわざありがとうございます。ごちでーす」
「お前のちゃうわ。清水くんが結構対応ハマってるし、バナナミルク前に好きって言ってたし買っといたんだよ」
日比野「俺も嫌いじゃないっすよー」
「好きじゃなきゃダメだろ」
日比野「好きっすよ!好きになりました!」
「そんな告白じゃエリナミルクはやれぬ!」
日比野「キツイーってか、てかエリナミルクってなんすか」
「最近の流行りだよ。じゃ休憩いってくるわぁ」
日比野とのやり取りをそこそこに休憩室に向かい、『小松さんを待つ』
15分程して計算通り小松さんが休憩室に入ってくる
バナナミルクの1本目を飲み干そうとしている俺を見つけた小松さんが声をかけてくる
小松「もぉ全部飲んじゃったんですかぁ?!」
「あたりまえでしょ、小松さんが作るエリナミルク大好きだし。」
小松「まだ言ってるーでもさすがに好きすぎですよぉ」
「まぁホントは清水くんがずっと朝から対応してたから差し入れで買っておいたんだよね。だからもう1本は冷蔵庫に入ってるんだよ」
そう言って休憩室にあるスタッフ共有冷蔵庫へと指を向ける
小松「そーゆーことだったんですかぁ」
休憩室には長テーブルが10台均等に並べてあり、そこにパイプイスが長テーブル1台につき2つずつ置かれている
隣が空いているので軽く促すと
小松「あっありがとうございます」
と気軽に座ってお昼の準備を始める
「エリナミルクをみんなに好きになってもらいたいんだ!おれは!」
小松「ぜったいやですよぉ」
このあとも何度かエリナミルク、好き。大好き。めちゃくちゃ可愛い。似合ってる。などのワードを意識的に取り入れた会話を進めて、お昼休憩を先に終える
大切なのは気軽に下の名前で呼べる環境づくり
小松さんの笑顔好きなんだよなぁ
そーゆーこまめなところ良いよねぇめっちゃ好きだわぁ
など、自分が何に対して好感を持っているのかを伝えつつ、好きというワードを刷り込むことで好意的であると無意識に思ってもらうのだ
そして、俺と一緒にいるときは、なんか楽しい
と思ってもらえるように心がけるのだ
今週中には小松さん含めた何人かでご飯行けるかな
行きたいなぁ