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神の事情

 暫くして戻って来た咲夜ちゃんの手には、容器に入った緑色のドロッとしたモノ。

外に生えていたヨモギやらドクダミやらを採ってきて磨り潰し、スクさんの神気を吹き込んで作った神薬だそうです。


 あ、スクさんって、温泉と酒の神様であると同時に、医薬の神様でもあるんですね。


 スクさんが塗ってやるというのは、丁重にお断りして、部屋から追い出しまして…。咲夜ちゃんに塗ってもらいます。

 小人とはいえ男神に見られた上に、さらに大事な部分をネッチネチ触られるのは流石に勘弁ですよ。


 スクさん曰く、タップリ内部に押し込むように塗れとのこと。

伝えたその言葉のままに咲夜ちゃんは指にタップリ薬をとって、私の秘部にズブッと押し込んできます。


 ぐうううっ。い、痛いっ!!

 猛烈に沁みるよ~っ!!


 当然ですね。裂けてしまっているんですから。

 全く以って、酷過ぎますよ。最っ低のロストバージンだ。


「ゴメンね。咲夜ちゃん。そんな汚いところに指入れさせちゃって、本当に申し訳ない」


「何言ってるのよ!汚くなんてない! 赤ちゃんを産み出す、神聖なところよ!

それに……」


 少しの間……。


「本当にゴメンナサイ!ハルカちゃん、私の身代わりになってくれたのよね。

ホントはスサノオ様に指名されたのは私だったんでしょう?

私がされるはずだったことをハルカちゃんが代わってくれた……。

ゴメンナサイ、ゴメンナサイ……」


 咲夜ちゃん、両の目からタラタラ涙をこぼし、泣き出しちゃいました。



 でも……。


 それは、違うよ。



 …だって。咲夜ちゃんじゃ、スサノオ様の相手なんて出来ないもの。


 神様に触れられないんですから……。



 私も慌てていて気付かなかった。

 だけど冷静になって考えてみれば、何てことありません。

神様に触れられるのは私だけ。咲夜ちゃんには、最初っから無理なんですよ。

 なのにスサノオ様が咲夜ちゃんを指名したのは、私に体を合わせることを進んで認めさせる為。ハッタリだったのです。


 私にとっては、神様と触れ合うことは意識しなくても出来る普通のこと。

冷静な状態であれば、それが私だけの特別だとは、よ~く分かっています。

 しかし、その冷静さを失わせるのに十分な衝撃発言だったと思いませんか?あれは!

 私はマンマとそれにノセラレ、自ら股を開いてしまったということですよ。

超間抜けですな。悔しい……。


 オマケに裂けてしまって動けなくなってだなんて…。

 お馬鹿な自分が情けなくて、涙がチョチョギレますううう~!


 が、咲夜ちゃんの手前、ここで私が泣く訳にはゆきません。

グッと我慢し、泣きじゃくる咲夜ちゃんにも、彼女には最初から無理だったことを伝えます。



 そんなときですよ。血相変えてビンちゃんが飛び込んできたのは。


「ハルカ!無事か?!」


 ビンちゃんの目前、私はまだ全裸で情けない格好。幼児に見せる姿じゃないよ……。


「お、おのれ、クソ親父! 絶対許さん!! ソウ、トク、ついて参れ」


「ちょ、ちょっと、ビンちゃん!」


 止める間もなくビンちゃんはスッと姿を消しました。


 どこ行っちゃったの? 眷属まで連れて! まさかスサノオ様のところ?

何するつもりなのよ!


 股間の痛みよりもビンちゃんの方が心配です。

 ですが、どうすることも出来ません。


 咲夜ちゃんが情けない格好の私に服を着せてくれます。

 服を着終わったのを見計らったかのように、ナギさんとスクさんが入ってきました。


「ごめんね、ハルカ。私には何もできなくて……」


 ナギさんが私に頭を下げました。

 毎度のように、見てたんですよね。私がスサノオ様にヤラレチャッテいるところ……。

 まあ、仕方ありませんね。姉上とは言え、ナギさんは分霊体。スサノオ様の本霊に逆らえませんからね。


「嬢ちゃんや。済まなんだのう。あの思兼のすること、何か企みがあるとは思っていたが、まさかこんなことになるとは……」


 はい、はい、スクさん。もうイイですって。恨んでなんかいませんよ。

スクさんにしたってスサノオ様に抵抗できるはずない。

ピシャッとぶっ潰されてハイ終わり!ですからね。


 薬は半日ごとに、あと二回塗るようにとのスクさんからの指示。完治するまではスクさんもいてくれるみたいです。

 でも、良かったよ~、病院に行かなくて済んで~。

お医者さんに「無理やりヤラレて、巨根で裂けました」なんて恥ずかしくて言えませんからね。

そんでもって通報なんかされて警察沙汰にでもなれば、相手は神様、もう訳わかんないことになりますしね。


よろしければ、ブックマーク・評価感想など頂けましたら有難く存じます。

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