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告白されても困るよ…

 その日、私は気分が悪いと言って部屋に閉じこもりました。

この後に企画されていた私の誕生会の予定はキャンセルです。

 咲夜ちゃんも心配してくれますが、ちょっと、今、顔を合わせられない……。


 ビンちゃんに狐神さんを呼び出してもらい、咲夜ちゃんの方の情報を収集しました。

狐神さんは咲夜ちゃんの守り神ですからね。いつも彼女に付き添っているのです。

 あ、御神体は、西離れ前に祠を設置してお祀りしてるんですよ。


 狐神さんによると、勇樹は咲夜ちゃんに対しては、特に何も言っていないとのこと。

普通に開店祝いの言葉を掛けただけだそうです。

 まあ、まだ正式に付き合っていた仲ではないのです。

告白前の段階。だから、別れ話も何もないよね。

 自分の私への気持ちも、ヤツは咲夜ちゃんには話していないとのこと。

つまり、咲夜ちゃんは、勇樹がした私への告白は知りません。


 夜が明けて朝早く家を抜け出し、名木林神社へ。

ナギさんに相談すると…。


「見てたわよ~。ハルカってば、顔真っ赤にしちゃって可愛かったわよ」


 み、見られていたか。恥ずかしい……。


「イイ男じゃない。たくましくって、良い子種も持っていそう。早速まぐわっちゃえ!」


 あ、あのですねえ!

どうしていつも、そうなんですか!

 怒りますよ!


 え? 男が複数の妻を持つのは、昔は当たり前だった?

 親友なんだったら、二人とも一緒に妻にしてもらえば良いって?


 それ、いつの時代の常識ですかっ! 神代の昔?

 今は、そんな訳にはゆきませんっ!!


 全く以って、まともな相談相手が居ないよ……。


 とにかく、親友の思い人を奪うなんてマネは、絶対できません。私が諦めれば良いのです。

勇樹も、私が現れたからチョット心が動いてしまっただけ。咲夜ちゃんのことを嫌いになったのではないのです。


 咲夜ちゃんに知られる前にキッパリ勇樹を振って、咲夜ちゃんとくっつけさせなければっ!!


 少~しばかり未練がないでもないですがね……。




 二日目のお店。開店初日よりは落ち着いた感じです。

 バイトの女子大生も春休み中は来てくれます。

ですので、昨日ほどは慌ただしくありません。


 そんなこともあり、「社長は容姿が目立ちすぎるから」と言われ、私は店からはじき出されてしまいました。

 いや、別にアルビノの私が仲間外れにされたんではありません。

みんな、私の体調を心配してくれているのですよ。優しい子たちです。


 さてと、どうしよう。

あ、店じゃなくて、勇樹ですよ。

 どうやって振れば良いのかな……。

もっかい、引っ叩いてやろうか!

 いや、いや、いや、それはちょっとね。


 キッパリ諦めさせるために効果的なのは……。


 私に他の彼氏が出来れば、一番良いんでしょうけどね。そんな当ては一切無い。

お金はあるから、バイトのニセ彼氏でも雇っちゃうとか!


 う~ん、そんなゲスイ金の使い方は良くないやね。

神様から頂いた有難いお金なんだから。

 それに、ヤツが咲夜ちゃんと付き合えば、しょっちゅう私とも顔を合わせることになる。後でバレルようなことではいけないよね。


 困ったな……。


 部屋で思い悩んでいるところへ、ひょっこり現れたのはスクさんこと、小人神様の少彦名様。


「おやおや、なんかシケタ顔しとるのう。美人さんが台無しじゃないか。

あ、いやそんなことでなかったな。今日はビンちゃんに用事があって来たのだ」


 え? スクさんが、ビンちゃんに用事?

 どういうことかとビンちゃん共々聞いてみると…。

今晩、思兼様のところ、つまり長野の戸隠神社まで来るようにとの伝言。つまり、用事があるのは思兼様ですね。


 今晩だなんて、いきなり過ぎるよと思ったら、私は来なくて良いって…。

神様にとって戸隠までの距離は、一時間も掛からない程度だから、私が行かないなら特に無理な呼び出しでも無いようです。


 う~ん、でもそんななら、用事がある思兼様が来てくれれば良いのにね。

 スクさん曰く、思兼様は戸隠の社を離れたがらないからって…。

たまたま近くに行っていたスクさんが捕まり、使者にされてしまったと、スクさんボヤいています。

 この小人爺様、放浪癖ありますからね。きっと、長野の温泉巡りでもしていたんでしょうね。長野も温泉多いからね。


 だけれども、用件は何ですかね?

もしかして、宝くじの件が問題になったりしてる?


 でも、いけない事では無いはずよね。

前にビンちゃんが仕出かしたように会社をいくつも潰せば、多くの従業員が路頭に迷い、混乱します。

 ですが、宝くじを当てたって誰も困りません。昔から社寺では「富籤」としてやってきていたことなのですしね。


 用件についてスクさんは「我の命に従うという(かせ)を外してやる」と言っていたと…。


 そう。会社を潰しまくったビンちゃん、神様連に捕まり、枷を掛けられ思兼様のところに囚われていたのでした。思兼様の命には背けなくされているのです。

この枷は、いまだに有効です。

 まあ、枷と言っても、実際に手錠とか掛けられているということではありません。誓約をさせられているということ。

神様にとって、誓約は絶対破れないモノのようです。


 つまるところ、思兼様に来いと言われれば、ビンちゃんは行かざるを得ないということですよね。現時点では。

 それが今回で終わりとなれば、嬉しいことです。


 なお、ついでに、新たに眷属になった送り犬二匹もつれてくるようにとの追加伝言。

スクさんは「眷属は関係ないのにな」と言いますが、この二匹は元々長野県に居た存在。どこかで思兼様と繋がりがあるのかもしれませんね。


 ただ、そうなりますとですね。ビンちゃんばかりかソウやトクまで居なくなって、私を守ってくれる存在がいなくなってしまいます。

 それをビンちゃん、大いに心配します。


「ああ、大丈夫じゃ。氏神殿も力を取り戻しているようだし、ビンちゃんに匹敵する強力な守護神を臨時に憑けてくれるとのことだった」

とのスクさんのお話。


 ビンちゃんに匹敵する強力な守護神って、誰?

 長野で強い神というと、諏訪のタケミナカタ様?

 いや、もしかして、その神に勝ったタケミカヅチ様とか?!

 どっちにしても、ビンちゃんと違って武神でイカツイんじゃないかな。ちょっと怖いな……。


 具体的に誰が来るのか、スクさんは聞いてないみたい。


 そんな訳で、夜の指定時間が近くなり、断ることも出来ないビンちゃんは不安そうにしながら、長野へと行ってしまいました。ソウとトクも連れて……。

 派遣してもらえる神様の姿は見えませんが、きっと近くで守っていてくれてるのでしょう。


ブックマーク・評価・感想、感謝感激です。本当に有難うございます。

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