開店準備
直ぐに西離れを改装する工事に掛かってもらうことにします。
保健所の営業許可を得るための必要な設備を整えます。
これに関しては、タカイの小父さんのアドバイスも受けました。
あと、西離れにはお手洗いも無い。でも、東離れ前の外便所がありますので、お客さん用としてはこれでよいかな。
今時珍しいオマケつき便所なんですけどね。
えっ、意味わかんない?
ポットンとウンチすると、ピシャっとしずくが返ってくる…。そのしずくがオマケ……。
ゴメンナサイ、バッチくて。つまり、汲み取り式ってことですよ。
ある意味貴重な存在ですが、このままという訳にはゆきませんね。水洗便所に作り変えましょう。
星野も、しょっちゅう顔を出します。当然、咲夜ちゃんに会うのが目的ですよね~。
片道1時間なんて距離は、愛の前には何でもない!♡♡!
それにしても、星野はいつになったら告白するのよ…。いい加減じれったい。顔見るたびに、せっついて虐めてやります。
それを咲夜ちゃんに見つかって、「ケンカしないで」って言われてしまうのが恒例になってきました。
でもまあ、あと一歩の勇気が出なくて踏み出せないヘタレ男をからかうのは、もどかしくも楽しいよね。 …名前は勇樹のくせにね。
既にある建物を利用すれば、すぐにでもお店をオープン出来ると考えていた私の見通し。完全に甘すぎました。
高屋敷の我が家に水道を引くのがかなりの難工事。咲夜ちゃんが住めるようにと水屋でも水道を使えるようにしますし、当然下水の方も必要。
お店にする西離れと、咲夜ちゃんが住む水屋の内部の改装をし、庭も整えて西離れに入りやすくし、保健所の営業許可も取り……。
それからですね。駐車場の確保ですよ。
公共交通機関の無い田舎。駐車場が無ければ、御客が来てくれません。
ちょうど、私の畑の隣にもう一つ、耕されてない畑がありました。調べてみると、持ち主は私…。父が手続きして貸した土地でした。
借り主に話をすると、もう足腰が痛くなってきて耕作できないので返したいと思っていたところだとのこと。これは、ラッキー!
ですが、農地を他の目的で使用するためには、これまた面倒な手続きが。あああ~、ヤヤコシイ……。
てなことで、結局お店のオープンは次の春。桜が花開く頃になりそうです。
まあ、生活費に困ってるってことでもありませんし、ノ~ンビリ行きましょうや。
それまでの間に、咲夜ちゃんをナギさんにも紹介しましたよ。
この地でお店を開くのですから、氏神様にも御挨拶しておかないといけませんからね。
もちろん、咲夜ちゃんの手打ち蕎麦、ナギさんにも食べてもらいました。
ナギさん、大絶賛でした。
八月の後半には、夏休みの弟子たちと咲夜ちゃんも連れて、祖母の家の大掃除に。
お店で使えそうな食器なんかを持ってくるという目的もありましてね……。
弟子たちは囲炉裏のある古民家に大興奮!
長いこと使っていなかったけど、竈もありますからね。大平宿より近くて良いでしょ。
別荘として、偶に遊びに来るのも有りですね。
秋には、スクさんこと少彦名様が、家に遊びに来てくれました。
咲夜ちゃん、小人神様にビックリ!
でも気を付けてよ~。この神様、エロイからね~。お風呂、覗かれないように!
スクさんも咲夜ちゃんの蕎麦を絶賛でした。
食べ方が妙でしたがね。一本を口にくわえて、ズルズルズル~って啜り飲んで……。
そうそう、弟子たちですが、彼女たち、大学四年生。
本来なら、就職活動しなければなりません。…が、一切していない二人。
何でかというと、活動するまで無く既に内定が出ているのです。
その就職先というのは、私のところ。
こんな優秀な秘書、絶対他に盗られたくない!
蕎麦屋の従業員を兼ねて、これからも私のもとに居てもらいます。給料はドーンと弾むからね!
あ、蕎麦屋は資金と場所を提供する私が社長で、咲夜ちゃんが店長。
で、弟子二人が社長秘書兼店舗従業員で~す。
で、伊吹おろしが吹き荒ぶ寒い冬も終わり、咲夜ちゃんの蕎麦屋、準備が整ってきましたよ。
もともとの店の名前は「蕎麦屋江藤」でした。
が、移転することもあり、咲夜ちゃんは名前を変えたいと言い出しました。
で、ビンちゃん、ナギさん含めた相談と、多数決の結果、「蕎麦処白結」となってしまいました。
そうです。私の「白結の巫女」が由来。
いや、私は抵抗したんですよ。でも多数決で押し切られて……。
神との関りを持てる存在を「結の巫女」と呼び、咲夜ちゃんもその一人です。神様が見えますからね。
私の場合は見聞きだけでなく神に触れることまで出来るという、トンデモナイ力を持ってしまいました。それを特別視(?)し、アルビノの白い外見から名付けられたのが「白結の巫女」。長野戸隠神社の思兼様が命名主です。
当然、新店名の「白結」は私のことに違いないのですが、咲夜ちゃんも結の巫女。
そして、咲夜ちゃんはアルビノではありませんが、かなりの色白。
だから、これは咲夜ちゃんのことでもあるんだと、私は無理矢理自分を納得させることにしました……。
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