表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/77

ビンちゃんの正体

 てなことで、まだ梅干し試食会の途中です。


 うん?

 な、なになに、ビンちゃん。そんなに私の頬をペシペシ叩かないで!


 え? お前たちばかりズルい? 私にも食べさせろ?


 あ、そうですよね~。

 はい、はい、どうぞ。出来立て梅干しですよ。あ~ん。


 大きくお口を開けたビンちゃん。


「う~ん。酸っぱい! が、美味い!」


 そうでしょ! はい、ご飯もどうぞ。


「ふぐふぐ…。う~ン堪らんな。……あっ!」


 そうでしょ、そうでしょ。美味しいでしょう!

でも、「あっ」て、何?


 ビンちゃんの視線をたどると…。

驚愕の顔で目を剥いてフリーズしている弟子二人…。



 ・・・。



 え、え~と。 わ、私…。今、何してましたっけ?


 あ、あちゃ~。二人の目の前で、ビンちゃんに梅干しとご飯を食べさせちゃいましたよね。


「し、師匠…。私は、今、何を見たのでしょう?」


 う、う~ん。祐奈さん。そ、その~。


「師匠? 今、梅干しと、ご飯が、スーッと消えましたけど、これって…」


 あいや~。レイラは、やっぱりズバッと言ってくれるね。

こ、これは…。もう、気のせいでは納得しないよね。


「別に、話しても構わんのではないか」


とは、ビンちゃんのお言葉。


 ですよね~。話すしか、ないっすよね~。


 ということで、私は二人に秘密を告白したのです。

神様が見えて、神様の声が聞こえて、神様に触れること。

私に守り神として取り憑いている貧乏神のビンちゃんに、お食事を食べてもらっていること。

ついでに、富山で二人が財布を無くしたのは、温泉に入るのを邪魔されたビンちゃんが怒ってしたことだって…。


 二人は、またまた驚愕の顔。

特に、ビンちゃんが貧乏神様だって言った時には、思いっきり引いてました。

 まあ、当然ですけどね。関わり合いになりたくないよね。二人には、富山での実害もあったことですしね…。


 でも、怪訝な顔で祐奈は言います。


「株のお告げをくださったのも、その『ビンちゃん様』なんですよね。

師匠、それ、おかしくないですか?」


「へ? おかしいって?」


「だって、貧乏神様なんでしょ?

なのに、なんで儲けさせてくれたの?」


 あ、それ! 私も思ってましたよ。変だなって。

そんなことして、貧乏神様的に大丈夫なんかなって…。


「ねえ、師匠。その神様って、どんなお姿なんですか?

やっぱり、ボロボロ着物の御爺さん?いや、御婆さん?」


とは、レイラ。


「いやいやいや、全然違う! ちっちゃい、可愛らしい女の子!

ちょっと短めの赤い着物で、おかっぱ頭の」


との私の回答に反応したのは、祐奈。


「へ? おかっぱで、赤い着物の小さな女の子……。

そ、それ、座敷童様じゃないの?」


「えっ……」



 そ、そういえば・・・。


 たしか、ビンちゃんは自分のこと「最近は貧乏神と呼ばれておる」と言っていた。

「私は貧乏神だ」とは名乗っていない。

 変な言い方だなって思っていたけど…。


 ビンちゃんに視線を向けると、


「懐かしいな。そう呼ばれた時もあったな」


 え、えええええ~!!



 いやはや、もう、びっくり。

 ビックリ!

 ビックリクリクリ、クリックリ!!


 なによ。ビンちゃんてば、貧乏神じゃないんじゃない!

座敷童だっただなんて…。

 力を無くして、貧乏神みたくなっていただけだっただなんて…。


 で、私がお世話して、力を取り戻していた。

つまり、今では完全完璧な座敷童様! 幸運の女神様です!!


「え、え~と。師匠。富山の財布の件は、まあ、良いですよ。

ただ、そんな素晴らしい神様の、私たちは弟子の弟子でありまして…」


 祐奈、何それ。

弟子の弟子って、私は別にビンちゃんの弟子じゃないよ。


「私たちも精一杯お手伝いさせて頂きますので、(たま)にはご褒美で株のご指導なんかも頂けましたらと…」


 え、ええええ……。


 さっき、私からの報酬を怒りながら断ったくせに。


 ビンちゃんの方を見ると、


「偶になら構わんぞ」


 え、ええ~。いいんだ……。


「オッケーだそうですよ」


「「やった~!!」」


 まったく、ゲンキンな弟子たちだ…。

梅干しのハシタ金なんかいらない。もっと大きなのよこせってか。

なんだかんだで、デカイの持ってくよ。

 まあ、だからこういう人種は、金持ちなんでしょうね…。

ブックマーク・評価・感想、感謝感激です。本当に有難うございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ