表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/77

ナギさんのお食事1

 二人が帰って…。


 朝のご飯があまりにも美味しく、三人(プラス一柱)でペロッと食べちゃいました。

 で、昼にも薪で炊いたのですが、これは、ちょっとたくさん炊き過ぎました。(朝食べ過ぎて、あまり入らなかったというのもありますが…)

 オニギリにしましたが、食べきれない。

どうしようと思っていましたら、ビンちゃんが一言。


「ナギに食べさせる約束していなかったか?」


 あ、いけない。忘れてた……。


 氏神様の、名木林神社ご祭神アマテラス様。

あ、いや、ナギさんと、「お食事」の約束してました。

 きっと、いつだろう、いつだろうと待っていらっしゃるに違いない。


「で、でも、こんな残り物のオニギリで気を悪くされないかな…」


「いや、別に構わんと思うぞ。

それよりも、遅くなる方が臍を曲げるかもしれん」


 あちゃ~。そ、そうですよね。

 まあ、これは、取り敢えずのモノってことで、掃除も終わったしね。


 ビンちゃんと一緒に、名木林神社に向かいました。


「ハルカ~!! いつになったら来てくれるかと、首を長くして待ってたのよ~!!

 び、び、び、ビンちゃん…も、ようこそおいでくださいました」


 へへへ、ナギさん、後半の声、裏返ってますよ。

「ビンちゃん」って言いにくそうね。


 因みに、ナギさんは「ナギって呼んで」って言いましたが、氏神様を呼び捨てには出来ません。

本来なら「ナギ様」とするべきでしょうが、それだと「ビンちゃん」との釣り合いが取れません。

だからといって、「ナギちゃん」というのも、どうかと……。

ということで、妥協の結果が「ナギさん」と言う呼び方です。


「遅くなってしまってゴメンナサイ。

あ、あの~、今日はオニギリしか持ってきてなくて。

ホントに申し訳ないのですが…」


「何を言ってるのよ、それで結構よ!

おっ米♪おっ米♪大好きお米~♪

早っく♪早っく♪食べさせて~♪」


 あらら、ナギさん歌いだしちゃった…。

そこまで楽しみにしていたんですね。

遅くなりまして本当に申し訳ありませんでした。

 私が包みから出すのも待ちきれないようで、ナギさん口を開けて待っています。

超美人さんなのに、ちょっと情けないお顔かも…。


 オニギリの場合は、箸と違って私が先に食べる必要はありません。

私が直接手で持っていますからね。

 直ぐナギさんのお口へ持ってゆくと、ナギさんパクッ!!食いついてきます。


 ちょっとナギさん、私の手まで齧らないでくださいよ!

 慌てなくても大丈夫ですから。


「ふううううう~ん!! おいちいよ~!!」


 そして、また、パクッ!!


 ホントに怖いよ。

気を付けていないと私の指まで食べられてしまいます。

 でも、ナギさん、ちょっと涙ぐんでる……。

 そこまで喜んで頂けましたら、私もとっても嬉しいです。


「う~ん、酸っぱあ~い。これは、梅干しね~」


「あれ、ナギさん、酸っぱいって味、分かるんですね。

そういえば、ビンちゃんも甘い味、分かってたけど…」


 初めて食べて、酸っぱいとか甘いとかっていう味覚名称が分かるって、どういうことなんでしょうねって思っていたのですが、二柱は怪訝な顔…。


「何言ってるのよ。知ってるに決まってるじゃない。

でも、食べたの何年ぶりになるのかしらね。

二千年?あれ、三千年くらい前?だったかな…」


「え?ナギさん。それどういうこと?」


「うん? だから、私も肉体があったときは食べていたんだから…」


 へえ?? 肉体があったって…ど、どういう……。


 え、もしかして、ナギさん、人間だったってこと??


「何を変な顔しとる。当たり前だろうが。

ハルカよ。お前、伯母上の子孫をよ~く知っておるだろうが」


 子孫?アマテラス様の子孫は……。

あ、今日、話に出ていた天皇陛下だ。


 あ、あれ? 子孫? じゃ、じゃあ……。


「ヒトの子孫がいるなら、普通に考えて先祖もヒトだろう。

肉体があったに決まっているじゃないか」


 ビンちゃんの言葉に、ナギさんもウンウンと頷いています。


「そ、それはそうですね…。

アマテラス様も、人間だった……。

お亡くなりになって霊体になられたんだ。

あ、じゃあ、ビンちゃんも?」


「当たり前だ。我がクソ親父は伯母上の弟だ。

姉がヒトなら弟もヒトだ。

私は幼いうちに死んだので、この容姿なのだ」


 ありゃま…。そういうことだったんですね。

ということは、食べたの初めてじゃなかったんだ。


 でも二千年だか三千年だか、訳分かんなくなるくらいぶりか…。

その間、見るだけで食べられなかった…。

 そりゃあ、涙も出るくらい感動しますよね……。


「すべての神がこういう訳では無いぞ。

中にはヒトではない太古神もおわす。

が、神社に祀られるような神は、元ヒトだった神が多いだろうな」


 なるほどね~。いや、勉強になりました。

日本神話の神様って人間臭くて面白いと思ってましたが、当たり前なんですね。

同じ人間である御先祖様の話なんですから……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ