スーパー「タカイ」
さて、戻ってきました我が家です。
お掃除の続き、しなきゃな……。
あ、でも…。
もう、今日は、いいや。明日から!
それより夕食、どうしようかな?
お財布の中、寂しいな…。
なにしろ、昨日豪快に飲み食いしてしまいました。
その上、あのデカパイ二人組にポンと宿泊代と帰りの費用を上げてしまったし…。
う~ん、ビンちゃんといると、どんどん財産が減ってゆきそう。
流石は最強貧乏神様だ。
守り神様とはいえ、これは困ったもんです。
食費も、これからは倍かかるよね。
ビンちゃん、結構食べるから。
暫く、カップ麺生活かな?
あ、でも、カップ麺じゃ、ビンちゃんが怒るかな……。
「あ、あの~。ビンちゃん。
夕御飯ですけど、カップ麺でもよいかな~なんて…」
「カップ麺? ああ、見たことあるな。
ウンウン、ちょっと興味はある」
お~っと、取り敢えず喰いついてきてくれたぞ。
ビンちゃんが気に入ってくれれば、暫くはイケルかな…。
ってことで、お湯を沸かし、こっちへ戻ってきたときに買い込んでいたカップ麺にお湯注ぎ、三分。
早めの夕食ということで……。
まずは、私が一口。
味噌味のカップラーメン。安っぽい味…。
あんまり好きじゃないけど、なんてったって便利で手軽にお腹が満たされるんですよね。
で、フーフーして、お隣に坐っているビンちゃんの口へ。
ビンちゃん興味深そうにチュルチュル啜る。
そして、顔を顰め、首を横に振ります。
「え? ダメ? 不味い?」
ビンちゃん、机の上にペッと吐き出してしまいました。
いや、そこまでダメですか…。
「ハルカよ。これ、体に良くないのではないか? こんなもの食すな!」
いや~、ごもっともでございますな…。
でも、便利なんですってば。
「困ったな…。ビンちゃんに食べてもらえるもの……」
「よいぞ、そんなに毎回食べなくても。
今までは全く食していなかったのだ。別に何も問題ない」
あ、そうか。それもそうね……。
う~ん、いやいや!
やっぱり、そうは参りませんよ。
私の大切な守り神様なんですから。
仕方ない。貯金が減ることになるけど、お金は明日銀行から下ろしてくればいいか…。
で、今日は、こうなったら、あそこしかない!
ということで、歩いて向かうは、近くのスーパー「タカイ」。
父ともよく行った店ですが、最後に行った日から、もう九年ぶりくらいになるでしょうか…。
個人経営の、小さなお店です。
最近は超安売りの大型スーパーが続々出来て、小さなスーパーや八百屋さんなんかは次々消えて行ってしまっているようです。
しかしここは、こだわりの品を扱うという戦略で逞しく生き残っている稀有なお店。
但しその分、決して安くはありません。
店主が高井さんですから「タカイ」という名前なのですが、その名の通り、ちょっとお高い。
わざわざ店名をカタカナにしてしまう辺りが自虐チックで面白いんですよね…。
私、こういうの好きですよ。
到着してみますと、結構にぎわっている。
安売り店ばかりで良い物を扱っている店が他に無いとなれば、そういうモノを求める人は、ここに集中するのですね。
店の規模の割に駐車場は広めですが、満車状態。
歩いてきて良かった…。
そして、この状態は、私にとってはハードル高い…。
でも、仕方ない。
周囲の冷たい視線と奇異の視線のバブルパンチを、私の特殊スキル「スルー」によってかわし、お店に入ります。
ビンちゃんは、何も言わずに私の後をついてきます。
野菜。高い!
安売りスーパーの倍くらいする…。
あ、有機野菜か…。
安全で品質良ければ、高いのは当たり前。仕方ないよね。
まあ必要な物だけ。明日の味噌汁に使う小松菜と葱を。
周りの人は…。
あ、やっぱり野菜はあまり買わないみたい。
田舎だから、みんな家にあるだろうしね。
でも、結構色々種類は揃っているな。
売れ残ったりしないのかな…。
ま、余計なお世話っすよね……。
え~と、取り敢えず、今日は、すぐに食べられるものが良いかな。
魚コーナー。この店は特に魚に拘っています。
店主自ら福井県の方まで仕入れに行くとか…。
丸儘のモノから切り身まで、色々並んでいます。
あれ? ビンちゃん、何見てるの?
ビンちゃんが凝視しているのは、お刺身。
ハタ? コチ?
えっと、どんな魚だろう…。
白身魚みたいだけど聞いたことないな…。
ビンちゃんは、これが食べたいのかな?
でも、訊くに訊けない。周りの目が多すぎて話しかけられない。
う~ん、どっちも少量入っているだけの1パックが780円。
かなり高いな。美味しいんだろうかな?
まあ、買ってみましょう。両方とも。
お惣菜コーナー。こちらは、全てお店で調理した物。
あら、色々あるね。
煮魚、焼き魚が各種。それに、いろんな野菜の煮物。
お、肉ジャガや野菜炒めもある。
「使用している野菜は有機野菜」って表示…。
あ、そうか。売れ残った野菜とかは、こっちに化けるんだな。
そうすれば、無駄にならないもんね。
賢いわ~。
あれ、ウナギの蒲焼もあるよ。
小ぶりの国産が一匹税抜き2800円。高いな…。
目の前の小母様、その高いのを籠に入れた。
あ、隣の小父様も。人気商品なんだ…。
高いのは高いけど、国産ウナギをお店に食べに行ったらと考えると安いかも。
「良い物を、その品質の物としては安く」ってところかな。
だから、こんなにお客さん来るんだよね。
ちょ、ちょっと待って、ビンちゃん!
ここでは立ち止まらないで!
ダメダメ。ウナギは、また次の機会で御勘弁…。
うん?なに? ズイキの煮物?
あ、これ確か、サトイモの茎の部分よね。
私も、ちょっと興味あり。これは、買おうね。
あと、切り干し大根の煮物も欲しいの?
ご飯物は…。丼物も有るけど、お惣菜も買うからお寿司かな。
じゃあ、私とビンちゃんの分で二パック。
よし、お会計へと…。
お~っと、税込み合計4406円。
う~ん、毎日ここへ通うのは、やっぱり厳しいな。
お金がどんどん飛んで行く……。




