表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/11

1ー2、豹変

 新しい青春を探しに、太郎は図書室に向かった。

 図書室は出会いの宝庫だ。嗜好、性癖を曝け出して小説を選ぶ文学少女とお近づきになり、「コンクリートロードはやめた方がいいぜ」なんて憎まれ口を叩いてみせて、なんだかんだあって、自転車に二人乗りしてウハウハな未来があるかもしれない。誰とも会わなくたって、本を読むだけで次の青春を発見できるかもしれない。図書室はワンダーランドなのだ。

 たまにはスリリングな展開もいいかと思い、中学、高校生ならば誰もが通る道、山田悠介の書籍を眺めていると、一人の女子生徒が隣に立った。

「あんた、見込みあるじゃん」

 突然そんなことを言われて、太郎はギョッとした。

 これは俗に言う、『不審者』ではないか。容姿だけを見たら割と普通の女子高生なのだが、真の『不審者』とは外見で判断できないものだ。とりあえず生徒指導の先生を呼ぶべきだろう。

 太郎はその場を去ろうと、女子高生に背を向けた。

「待って、塚本くん」

 ーーなぜ、俺の名を。

 太郎は振り返った。

 よく見たら、その女子高生は同じクラスの大川真奈だった。普段はあまり話さない子だ。大人しめな女子と仲が良くて、いつも聞き手に回って穏やかに笑っている子だ。あまりにもイメージと違いすぎるーー。

「あんた、見込みあるじゃん」

 よほどそのセリフが気に入ったのか、今度は本棚に肘を掛けて述べた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ