輝ける明日へ4
石垣優里は、携帯に届いた一通のメッセージを眺めていた。
――会いたい。
それを受信したとき、優里は心臓が止まるんじゃないかと思った。何度も何度も試してみたが、一向に届くことのなかったLINEのメッセージが、突然向こうから送られてきたのだ。
それを見て、優里は溢れる涙を止められなかった。
会いたい。それは優里がずっと思っていたことと同じだった。
病院でその姿を見たとき、優里はあまりの安堵にその場でくずおれてしまった。そして優里は、そのときようやく彼への自分の感情を自覚した。
家の前で携帯を見ながら彼が戻ってくるのを待っていると、遠くから彼の姿が近づいてくるのが見えた。その姿がだんだん近づくのにつれて、そんな彼の顔がはっきりと見えてきた。
その表情がなぜか今日は明るいことに、そのとき優里は不思議に思った。
なにかいいことでもあったのだろうか。
優里は待ちきれず、道の真ん中に出ると、彼に向かって大きく手を振った。夕陽に伸びる彼の影が、手を振り返したのを見て、優里はくすりと笑った。
「おかえり! 勇哉!」
その言葉を言える幸せを、優里は深く噛み締めていた。
<了>
最後までお読みいただきありがとうございました!
この作品を読んで、少しでも心に残るものがありましたら幸いです。
令和元年7月26日 美汐




