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きみたちはセカイのかけら  作者: 美汐
第六章 真実の土曜日
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真実の土曜日6

 勇哉は保健室まで戻り、そこに誰もいないことを確認すると、壁を拳で叩いた。


「くそっ! 誰もいない! みんないったいどこに行ったんだ?」


「どこかで行き違ったのか? でも、どちらにしろそう遠くには行っていないはずだ。その辺りを捜せばみんないるだろう」


 景子はそう言ったが、勇哉はますます気がせくばかりだった。

 このままではなにかまずいことになる。

 Xが立てた復讐の計画は、今このときすでに進行中なのだ。なにが起きてももうおかしくない。

 この世界では、どんな法律も制約も関係ないのだ。

 早く止めなければ、本当に取り返しのつかないことになってしまうかもしれない。


「とにかく、捜すしかない。なにかが起こる前になんとかしないと!」


 勇哉がそう言ったそのときだった。

 保健室の南窓の向こうが、ぱっと光った。その光はゆらゆらと動いて、こちら側を照らしているようだった。


「な、なんだ?」


「校庭のほうからみたいだな。とにかく行ってみよう!」


 勇哉と景子は、すぐさま校庭に向かって飛び出していった。

 校庭に行くと、そこにはライトをつけたままにして倒れている原付バイクがあった。どうやらそれが先程の光の正体だったらしい。しかし、周りにはすでに誰もいなくなっていた。


「おかしいな。誰かいたはずなのに」景子が周囲を見渡しながら言った。


「そうだな。でもさっきまでは確実にここに誰かがいたはずだ。俺たちが駆けつける間にどこかに行っちまったみたいだけど」


「どこかって、どこに?」


「さあな」


 勇哉はなげやりにそう答えた。さっきからすべてにおいて一歩出遅れている。このままではすべてが手遅れになってしまうような気がしてならない。気持ちだけは先へ先へと急ぐのに、状況は一向に思うようにならない。勇哉の胸には、もどかしさだけが募っていた。

 そんな勇哉の気持ちを知ってか知らずか、景子は落ち着いた声でこう言った。


「でもこの原付、佐々嶋たちの乗ってきてたやつだよな。じゃあ、あいつらも帰ってきてたってことにならないか?」


「そうなのかもしれないな。けど、姿を見ていないっていうのはどういうことだ?」


「……もしかすると、どこかに閉じこめられてるってこともありうるよ」


 景子の言葉に、勇哉は目を見開いた。


「閉じこめられてる? まさか、スタンガン使って?」


「そう。力ではかなわなくても、スタンガンの力を使えば、あいつらだって余裕で倒せるはずだ。それにいじめへの復讐だったら、あいつらが一番最初に狙われたとしてもおかしくない」


「そうか。そうかもしれないな。じゃあ、あいつらのことも捜しだして助けないと……」


 勇哉は言いながら、きらりと上の方向でなにかが光ったのに気づいた。


「ん? なんだ?」


 勇哉はその光の正体を突き止めようと、先程光った方向を見上げた。

 それは校舎の方向からだった。しかも下の階のほうからではない。位置的にかなり上のほうからだった。

 もう一度その光が見えたとき、それがどこから光って見えたのか、勇哉は理解した。


「屋上だ! 屋上に誰かがいる!」


 そして勇哉たちは、再び校舎へと向かったのだった。


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