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これを読みNTRと思ったアナタは、なろうに毒され過ぎてない?

読む方によっては、NTRになるかも知れないですので、ご注意を。

 『ねぇ、どういう事なのか、ちゃんと私が納得のいくように、説明してくれないと、許せる物も許せないんだけど? 理解してる?』


 俺は今、何故か知らないが、幼馴染みで、婚約者の、海堂 伊織(かいどういおり)に、詰め寄られている。

コイツは、さっきから何をそんなに、怒り狂ってるのか、俺には、サッパリ皆目分からん。


 「説明? 何を? そもそも何でそんなに、怒ってるのかが、まず分からんのだが?」


 『はぁ? 啓介(けいすけ)、アナタ自分が、何をしたのかも理解してないの?』


 理解? してるに決まってるだろ? 俺は、1つの世界を破滅から救ったんだから。

皆が俺の事を【勇者】【英雄】【救世主】と、口を揃えて、絶賛するような偉業を達成したんだから。


 「逆に言わせてもらうが、昨日、伊織の元に、シャリーが現れて、俺が地球に居なかった3年間の事は、聞いたんだろ? だったら俺が何をしたのか理解出来てるだろ? 俺は、あの世界を救った英雄なんだから」


 『ええ、シャリーとか言う天使から聞いたわ全て何もかもをね、あの日、アナタが突然、行方不明になった日から、昨日までの事全てをね、最初は信じられなかった……、当たり前よね? 地球とは違う異世界から喚ばれて世界の破滅から、世界を救っていたなんて聞かされたんだから』


 「だったら、何で俺が、伊織の側に居てやれなかったかも、分かるだろ? 違う世界に居るのに、会いに来いとでも言うのか?」


 『アナタは、私が何で、こんなに怒っているのか、理解出来て無いようね……』


 コイツは、何をそんなに、怒ってるんだ? こんなに理解力の無い女だったか?



 






 俺の名は、泊 啓介(とまり けいすけ)。3年前の、あの日。向こうの世界が行った、勇者召喚の儀式により、勇者として選定され、破滅の危機から世界を救う為に、異世界で、戦った。


 日本には、海堂伊織と言う同じ年の婚約者が居た。初めは、何も聞かされてない、知らされてない状態で、まったく何も知らない異世界に連れて来られて、世界の為に戦ってくれ。なんて言われ、困惑もした。

馴れない戦闘訓練に、身も心も疲弊して、ボロボロだった。


 伊織に会いたい……俺にだけ向けてくれる、あの笑顔に癒されたい。心に重くのし掛かるストレスに耐えられ無くなりそうだった時に、あの笑顔に出会ったんだ。


 アンリエッタは、俺を勇者召喚した国に住む、プリーストと呼ばれる癒しの魔法を使う、神官の少女だ。

彼女との、出会い。彼女の見せる献身。そして、彼女の心と体を使った愛が無ければ、俺は、破滅の危機から、向こうの世界を救い、またこうして、地球に戻ってくる事は、出来なかっただろう。











 俺は日本に帰って来てから、真っ先に伊織の元に向かった。それほどまでに、伊織の事を愛していたし、会いたかったからだ。


 そして、伊織に会って、何故俺が伊織の前から姿を消さなければいけなかったかを、説明したかった。

伊織の家を訪ねると、伊織が俺を待っていてくれて、しかも、昨日、天使のシャリーから、事情を全て聞かされたようだ。


 そして、笑顔の伊織に抱きしめて貰おうと、やって来た俺を待っていたのは、笑顔の伊織では無く、怒っている伊織だった。


 『本当に、私が怒ってる理由が、分からない? 突然黙って違う世界に行っちゃったのは、啓介にも、どうにも出来なかった事だよね? 3年間、戻って来れなかったのも仕方ないと思うよ、私はそんな事で、怒ってるんじゃないの』


 「だったら、何で怒ってるんだよ!」


 『本当に分からないのね……もういいわ……啓介との婚約は今日を限りに解消させて貰うから』


 え? コイツ今、何を言った? 婚約解消って言わなかったか? フザケんなよ! 俺がどれだけお前に会いたくて、堪らなかったと思ってるんだよ! お前の笑顔を、もう1度見る為だけに、異世界で頑張って来たのに。


 「はぁ? 何で、婚約を解消しなきゃダメなんだよ! 理由を言えよ、理由を!」


 『え? 理由が分からないの? ……そうね、啓介には、分からないかもね、私が怒ってる理由も分かってないぐらいだしね』


 『それと……啓介に、もう1つ言っておく事があるの、私、来年結婚するから』


 はぁ? いきなり婚約解消だ! って言い出したと思ったら、結婚するって? コイツは、どれだけ俺の事を馬鹿にして、俺の事を裏切るつもりなんだよ! お前に会いたい。それだけの為に、あんなに努力して、命がけで戦って来たのに、アンリエッタの愛と献身が無かったら、俺は絶対に向こうの世界で、死んでたぐらい大変だったんだぞ!


 「な……なんだよそれ……俺がお前に、どれだけ会いたかったか、お前の笑顔を、もう1度見たくて、どれだけ頑張ったか……そんな俺の思いを、裏切って結婚するだって!?」


 『そうなんだ……啓介って、そんな人だったんだね……私、今まで本当の啓介の事を知らなかったみたいだね……』


 コイツは、何を悲しそうな顔してるんだよ! 泣きたいのはこっちなのに、しかし……俺と言う婚約者が居るのに、たった3年会えなかっただけで、他の結婚相手を見付けるなんて!


 「本当の俺って何だよ! 俺は心の底から、伊織、お前に会いたくて、毎日を過ごして来たんだぞ! その俺の気持ちを裏切ったくせに、何が本当の俺を知らなかっただよ!」


 『啓介……聞いて……』


 怒りは、全然治まらないが、俺の事を裏切った、コイツの下手な言い訳ぐらいは聞いてやるよ。言ってみろよ! 下手な誤魔化しぐらいじゃ絶対に許してやらないから。


 『啓介……私も突然、啓介が消えてしまって、沢山泣いたの……毎日、毎日、啓介がどこに居るのか、生きているのか、不安で夜も眠れないぐらいに……』


 「そんなに、俺の事を、思ってたのなら何で……」


 『最後まで、ちゃんと聞いて、啓介の事を探す為に、私も私の家族も、持てる力の全てを使って探したのよ、でも……啓介は見付からなかった、当然よね……地球にすら居なかったんだから……』


 『それでも、私には啓介しか居ないって……啓介は必ず私の元に帰ってくるってずっと待ってたの、でも、1年経っても……2年経っても……啓介は私の元に帰って来なかった……それでも私は、啓介の事を信じて待ちたかった、だけど……周りが環境が、それを許してくれなかったの、啓介も知ってる通りに、私の家には、子供は私しか居ないよね、だから、家の仕事を継いでくれる人が必要なの、私はそれを啓介にやって欲しかった……』


 『そして、周りから、帰って来ない啓介の事は、諦めて、早く結婚をするように言われたの、それでも私は、啓介の事を信じて待ちたかった……だから1つだけお願いをしたのよ、3年、3年経っても啓介が帰って来なかったら、啓介の事は、諦めて結婚しますって』


 だったら、ちゃんと3年目に帰って来たんだから、他の男と結婚をする必要は無いだろ! それなのに、コイツは俺より他の男を選んで結婚するって、やっぱり俺の事を裏切ってやがったんじゃないか。


 『そして啓介は、3年目に帰って来てくれた……とてもとても嬉しかった、啓介との結婚を諦めなくて済んだって……』


 『それなのに、昨日、天使とか言う人に、啓介が私の前から消えていた間の事を全部教えて貰ったの、ねぇ……啓介……聞かせてくれるかな?』


 『アナタが、異世界に居た時に、仲良くしていた、アンリエッタって名前の女性の事を』


 アンリエッタ? アンリエッタがどうしたんだよ? アンリエッタは、俺が元の世界の地球に帰るために頑張って戦ってる間、ずっと俺を支え続けてくれた、唯一の存在だぞ?


 『ねぇ……私は、啓介が突然私の前から消えてしまった、あの日から、今日までずっと、啓介の事だけを考えて、啓介との結婚だけを考えて生きてきたのよ、ねぇ啓介聞かせてよ、アナタは私が結婚しなきゃいけない事情も、考えてくれないどころか、異世界に居る間に、アンリエッタって言う人と、まるで恋人同士のように過ごしていたのは何故なの? ねぇ聞かせてよ、そんなに私の笑顔が見たくて、頑張ってたって言うアナタが、何で、私じゃ無い他の女性と、体を重ね合わせる必要があったの?』


 それは、俺が、伊織に会う為だけに、頑張ってたが、馴れない戦いの連続で、俺の心が壊れそうだったから、アンリエッタとの楽しい時間が無かったら、俺はとっくの昔に、心が壊れてたからにきまってるだろうが。俺の場合は仕方なかったんだよ!


 「仕方ないだろ! 馴れない命のやり取りで、心も体もボロボロだったんだから、アンリエッタが居なかったら、伊織に会う事すら出来なかったんだぞ!」


 『私も啓介と同じだよ、ねぇ、教えて、自分だけではどうにもならない程、心が痛くて堪らない時に、啓介は、他の女性と恋人同士のように過ごし体の関係まで作っても良くて、他の男性に目移りもしないで待ってた私が、他の女性と恋人のように過ごしていた啓介と、結婚しないと言うのが、何故駄目なの? ねぇ教えてよ、アナタは浮気をしても良くて、私は浮気もしてなかったのに駄目な理由を、ねぇ啓介教えてよ! 私が、ちゃんと納得出来るように!』


 そう言って、伊織は泣きながら、俺の前から、どこかに走って行ってしまった。俺は異世界に居て戦ってたんだぞ! 伊織は日本に居て普通に暮らしてたんだろ! 状況が違いすぎるだろ! そんな状況じゃ、他の女の子と仲良くするぐらい許してくれて当然だろ!






 その後、伊織は、伊織の親が見付けて来た男と結婚をした。

伊織に会いたい一心で、あんなに頑張って来た俺を裏切って。


 そして、伊織の親は、伊織からどんな作り話を聞かされたのか知らないが、俺が伊織を裏切ったと断罪してきた。

俺の親が経営している会社への援助も打ち切ると言ってきた。

親と俺は関係ないだろ! 何で、親の会社への援助まで打ち切られなきゃいけないんだよ!


 その事で、俺は、自分の親からも、伊織を裏切ったと言われ、家を追い出されてしまった。

俺が何をしたって言うんだよ。全て俺の事を裏切って勝手に結婚した伊織が悪いんじゃないか!!

 



 

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― 新着の感想 ―
[一言] どういう事? 普通に主人公の浮気じゃん 毒されてるとは?
[一言] 天使が親族にも説明してないのが悪い
[一言] 主人公に感情移入できなかったので、なんとも言えないですね。 なんか、第三者目線で修羅場を覗いてる気分になりました。 別にNTRというよりかは、なんだろうか。人間観察?
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