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君の名は・・・
マツを見失った司は、あたりを見回しながら遊園地の中を散策した。
「遊びにきたのか?」
遊具にいる様子はない。先のほうに小さな小屋がある。マツを注意深く探しがら、その小屋へ向かった。
「なんだ、ホラーハウスか。」
お化け屋敷のことを英語ではホラーハウスと呼ぶ。
「まさか、ここでバイトしてるとか?」
なおも、あたりを見回しているとベンチに男の子が座っている。高校生?でも格好がもう少し大人びている。
「だめもとでマツを見かけたか尋ねてみるか。」
近づいて解った。知り合いだ。
「君の名は・・・」
二人は同時に叫ぶ。
「チビ!」
「デカ!」
互いに名前は知らないんだった。