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朝露に濡れて輝くバラの花  作者: 白石 瞳
月の女神ディアーナ
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フラメンコ

 私のsexは自分の快感を求めるものではなくて、女性に快感を得てもらうsexとなります。奉仕するというものではありませんよ。女性の悦びが自分の悦びになるという意味です。


 それを聞いて安心しましたわ。男性が早くイカないのや、感じてないように思うのは、気になりますから。私が「女」としての魅力がないせいだからだと思っているからです。

 私は子供を産んでからというもの、感じやすい体質に変わりました。でもね、体は反応したとしても、それは動物的なものだと思うんですよ。「心」を許すと言うんでしょうか、心を開いた方でないと「心は感じない。」んです。お分かりになりますか?

 貴方とお会いした時に、その・・・sexする時には、私のことを思いながら、武道で鍛えられた筋肉の盛り上がりを楽しみながら、とことん動いて下さいな。私は貴方に心を預けようとしてるの。

 激しいsexをしたいと仰っていましたわね、私が感じすぎて立てなくなったら手を貸して下さいな。


 *


 スペインの空が真っ青なのか、どんよりしているのかはわからない。

 日本で見るフラメンコの踊りは、異性を意識して愛情表現するために女性ダンサーは床を蹴りつける。ギターと男性歌手の切ない呼びかけに、女性は黒いドレスにまとめた髪、深紅のバラを耳元につけて身をよじらせる。顔には苦悩を表すのか、眉間にしわが現れることも。カスタネットを操り、闘牛士が持つような黒のドレスの下のふんわりしたペチコートをなびかせるようにして。

 私には、洗練された踊りは要らないわ。裸足でもいいの。髪をまとめる必要もなくて・・・口紅だけ真紅にし、白い歯が見える位に大胆に踊りたい。顔に汗をかいて、髪がついても踊り続けるのよ。

 欲望と苦悩がこみ上げてきたなら、それらを踊りで昇華しながら大胆というよりも自由にね。靴が脱げて踊れなくなるよりも、脱げてしまったら裸足のまま爪がかけてもいい位に・・・。


 結婚して子供が生まれて、夫は家族というより空気みたいな存在になった。夫は仕事で外、私は子育てと嫁としての役割、洗濯や料理という内の仕事を。仕事というよりも、それらは日常のことで暮らしていくためというか生活していくのに必要なことをしてるのよ。

 外で働く男性達には、昇進や転勤によって「評価」がついてくる。家で家事をする女性には、それがない。昔はシャツにアイロンをかけると「ありがとう。」と言ってくれたけれど知らない間に、当たり前のこととなって事務的なことと不満だけを口にするようになって。夫だけが悪いわけではないのかもしれないけれど・・・。

 香水のプレゼントの数だけ女性とつきあっていたように、「内」にいる私のことは「女」としては見なくなってしまってきたわ。時折、義務のように営んで、その時にも昔のように優しく髪をなでてくれたり髪を切ったことにも気がつかずに、ただ、「するだけ」。そこに、愛情ってあるのかしら・・・。sexする時に甘い雰囲気があれば言葉なんか要らない。だけど、夫の無言って私を追い詰めるような気がするものなんですもの。


 だけど、私が彼と会おうとしてるのは夫が外で自由にしてる腹いせのつもり、やり返してると言うわけじゃないわ。彼は私のことを理解しようとしてくれてるから。少しずつ、気持ちが近づいてきてるからよ。何故か、惹かれてしまったからよ。


 *


 ルームサーヴィスのあるホテルにしましょう。

 お会いして食事をする時間がもどかしい気がします。おちあったら、すぐに海の見えるホテルに行きませんか? sexの後で好きなものを好きなだけ食べましょう。


 結構ですわ。

 ただ、シャワーは浴びたいです。下着をはぎとりたいのでしたらバスローブではなくて、シャワー後にまた下着を身に着けますわ。


 女性の下着姿は、無防備に見えますね。体のラインが想像され、その美しさにため息が漏れてしまいそうです。いえ、剥ぎとるかどうかはわかりませんが、貴女の気持ちもありますので・・・ただ、是非、その姿を見せて下さい。


 私は、貴女の体だけではなく、心の中ももっと見せてもらいたい。私も貴女に自分の弱さや過去のこと全てを晒していきましょう。


 私はバラのように美しくはありませんが、

「朝露に 濡れて輝く バラの花よ。」

 そう、仰って下さいましたわね。

 お会いする時は、晴れてるでしょうか、雨でしょうか? 雨が降り、髪が乾かないまま濡れて咲き乱れるバラも素敵ですわね。


 貴女の全てを見ますよ。そして、優しく触れます。花が奥まで吸われながら、私の愛撫で感じる貴女を早く見たい。いえ、私は興奮している。もう、中止ホイッスルは吹けません。

 よろしいですね、じゃじゃ馬さん?


 ・・・お気に召すままに

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