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朝露に濡れて輝くバラの花  作者: 白石 瞳
月の女神ディアーナ
4/15

誤解

私は、生理が来た時にカレンダーにマークをつけておく。

夫はそれが消えた日の夜に、気が向いていたら私を誘う。

そして、コトが終わると自分の場所をティッシュで拭いて横を向くの。

こう言いながら

「声が継続して出ていた。子供達に聞こえるんじゃないか?」

声を出さないと貴方が『本当に感じていたか?』と気にするからでしょ。



貴女を思い切り抱きしめたいと今も気持ちが渦巻いています。

そう、そう、貴女が「読んでみて下さい。」と仰っていた貴女の詩を読みましたよ。

そこには、ほんの僅かですが気になっていた、想像していた貴女がいましたよ。


快楽と禁欲についてけだるさをセクシーさを表すようにしていた貴女とは全く違う、何かにロマンティックというより何かに怯えるような最近の貴女です。

私に何を期待して詩を勧めたのですか?


もしも私に貴女が欲することが備わっていなければ、会う意味はないと考えませんでしたか。それとも拒絶するために読ませたのでしょうか?

会うことは無意味なんでしょうね・・・。



私が怯えているとしたら貴方にではなくて、私が失望されてしまった時のことですわ。

詩やメールの文章なんてものは、その人の持つ一面に過ぎないでしょう?

でも、貴方が描いていた私ではなくて、「怯えてる」私のそれが大きく見えてしまって興味を失くしたのでしたら仕方がありませんわ。

媚びたくはありませんので、ここで諦めます。



私は貴女に興味を持ち欲情しました。

が、恐れてもいます。

まるで薄氷で出来た花弁のように透明で儚げで美しい詩の言葉。

私は粗野で荒々しい男です。私が貴女を思い切り抱きしめて愛したら、貪ったらどうなってしまうのでしょうか。それが気懸りでした。まだ不安は残っていますよ。


・・・失望。それは貴女が私に対してするものなのではありませんか?

私は、容姿についても拘っておらず、愛し合った時の貴女の体に対してもイメージは持っていませんから失望することはありません。

断言しますが、知識としての教養はないが直感的知性と洞察への熱情は高いのです。

貴女が私に再開して私の容姿に失望した時には、どうぞ遠慮なく、その場で「帰る。」と一言だけ行って下さい。



ねぇ、貴方、国立大学出身でしょう?



私は国立大学でなく有名私立大学出身です。

貴女、面白い方ですね。



「有名私立」。

プライドが高い方ですわね。知性なんて、やりとりしていれば分かるものですから、わざわざ教えることはないでしょう。


私を抱きたいだなんて、突然なんてことをと思ったのに、怯えてるのは貴方みたいですわ。

私は野に咲く名もなき1本の花でもあり、深紅のバラでもありますよ。

そうだわ。バラをくわえてカルメンのように踊りましょうか?



有名私立程度でプライドを持つほど俗物ではありません。

貴女が聞いたから答えただけです。




明朝はパンね。トーストしてバターを塗って。

夫の好きな、ゆで卵を崩したものに黒胡椒、オリーブオイルをたらすの。

後はコーヒーとサラダ。

子供達にはサラダじゃなくてキウイにヨーグルトかしら。

グレープフルーツにしたいんだけど駄目ね。

果汁が飛んでしまって夫が無言でスーツを確かめるのが嫌だから。

子供達は柑橘が好きなんだけど、ジュースでいいかしら。

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