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×4 未知数の少女達  作者: 有栖川優悟
6/7

*弐拾玖

おうぎ

 ここ、朝葉原ともはばらでは八月の最初の木曜から日曜――今年は五日から八日――にUCXにて祭りがあるらしい。

 メッセージアプリを開けば、ぴこん、と言う軽快な音とともにメッセージとアイコンが映し出される。

よしのん『いつ行くの?私はいつでもどんとこいだ!』

まみやさん『ごめん私土曜日は行けない』

シャナ『いつでも大丈夫です』

ほの『…あー、金曜ちょっとなー』

とっきー『木曜無理かも』

棊子麺きしめん『じゃあ八月八日午後五時、朝葉原駅に集合だね。私も大丈夫だけど』

 彼岸花を模した丸いアイコンが吹き出しで喋るメッセージは、先程私が打ったものだ。アカウント名はただ単に岸波きしなみという苗字をもじっただけで特別な意味はないし、棊子麺が特段好きなわけでもない。



 ***



 当日 八月八日

「扇ちゃん!」

 すめらぎさんに借りた青紫の浴衣を着ているのだが、いかんせん浴衣というものは少し動きづらい。

「岸波ちゃんって本当に青紫似合うよねー」

 陽菜が感心したように言う。

「そう?まあ青紫は好きだけどね。陽菜は明るい赤、朱色って感じ」

「朱色ね!おっけ!」

「私はー?」

間宮まみやちゃんは、珊瑚っていうか、コーラルピンクかな?」

「岸波さん、私はどうですか?」

 私に直接振られる。

千石せんごく?千石はミントグリーンだね」

「私はどうかな?」

「そうですねー…笹部ささべさんはターコイズブルーでしょうか。もしくは普通に水色」

「ああ、似合うよね!じゃあ私は黄色かな!」

「うん時坂ときさかは普通に黄色だね。それかレモンイエロー」

「そっかー。あ、もう行こ!始まっちゃう!」


「そうだ、りんご飴頼もうかなー」

 陽菜はいつもと変わらずはしゃいでいる。

「私は…焼きそばや焼き鳥があったらそれ頼むつもり」

「えっ、岸波さんそういうの好きなの?」

 正直なところ、一番好きなのは焼きそばとかラーメンとか、インスタントで作れるものだ。焼き鳥は嫌いではないという言い方のほうが正しいかもしれない。強いて言えば好物と言えるだろうか。

「…まあね」

「私は綿飴あったら頼むつもりだよ」

「間宮ちゃんらしいね!」

 私達は迷うことなく、真っ直ぐに屋台に向かった。

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