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×4 未知数の少女達  作者: 有栖川優悟
1/7

*弐拾肆

岸波きしなみ おうぎ

この作品の主人公。平凡な無能力者ブランカーの少女だったが、異形のクラスメイト達を見返すためにアヴァロンへ入り、“破壊の狂戦士”ベルセルクとして異形を抹殺する行動に出始める。

笹部ささべ 穂香ほのか

無能力者とクタニドのクォーターで、嶋村の従姉妹でもある。ちなみに目が金色なのは遺伝である。また、怒ると怖い。

吉野よしの 陽菜はるな

サバサバした性格のクトゥグアの少女。炎を操ることができる。いちごミルクをこよなく愛する。

間宮まみや しのぶ

穂香と扇の間の席の少女。イモータルであるためか、異常なまでの自殺願望を持っている。紅茶に飴玉と練乳を入れて飲むくらいには甘党である。

時坂ときさか 神楽かぐら

このクラスには数える程しかいない無能力者。不幸体質で、スクールバッグにいつもお守りをつけている。


駿河するが 東香とうか

三年B組の、ハスターの少女。生徒会長を務めている。基本的に何でもできるので、扇に劣等感を持たれている。

日笠ひかさ しきみ

三年B組の、雪女の少女。コードネームは「エンジェル」。

能前のうまえ 菊里くくり

三年C組の、妖狐ようこの少女。コードネームは「エクスカリバー」。

すめらぎ 昏羽くらは

アヴァロン本部長(長官)を務める、死神の女性。

おうぎちゃん、『向かいの放火魔ほうかまさま。』最新刊読んだ?」

「…というかその題名初めて聞いた」

『向かいの放火魔さま。』。今若者の間で絶大な人気を誇るネット小説家、松田まつだかなりあが『小説家になりませう』で連載していたものをそのまま書籍化したものであり、彼女の代表作となっている。


 戸が開いて、新しい出席簿を持った学級担任、嶋村しまむらが入ってきた。

「はい、着席。転校生来るぞー、うちのクラスには二名な」

「最近新しい人来ること多いですね…」

 片方は金棒を背負いながら、片方は特筆できるものは何も持たず、ドアを開けて入室する。

「じゃあ小田切おだぎりー」

 金棒を背負っている方の少女が喋り始めた。

「私の名前は小田切氷雨(ひさめ)です。鬼です。宜しくお願いします」

 二本の角、八重歯、透き通るような銀髪。比喩ではなく正真正銘の鬼だ。

 鬼。

 一般には人に危害を加え、さらに人を食べてしまう存在とも考えられていた。日本の各地にはその昔、鬼が住んでいたという伝説が残る山が多い。また変身能力があり、見目みめうるわしい青年や美女の姿で現れて若者を誘ったり、化かす相手の家族や知人に化けることができる。

「次。八神やがみー」

 もう片方の少女も、自己紹介をし始める。

「八神・ラングレー・綾音あやね、ニャルラトホテプっす。宜しくお願いします!」

 ニャルラトホテプ、またの名をい寄る混沌こんとん

 まだこの世界が混沌としていた頃、絶対的な力をもった存在アザトースが、自らの分身として三つのものを生んだが、ニャルラトホテプはそのうちの一人であり、アザトースの使者とされている。旧支配者の一柱にして、旧支配者の最強のものと同等の力を有する土の精だが、中には普通に人間として暮らしている者も少なくない。

 彼女もまた銀髪だが、氷雨のそれとは色味が少々違っている。

「二人とも初めまして。嶋村和穂(かずほ)、クトゥルフだ。じゃあ八神は窓際の一番後ろ、小田切はその隣な」



***



「へえ、ニャルラトホテプかー」

「そうっすけど…もしや貴方はクトゥグアっすか?」

「うん、陽菜はるなでいーよ。宜しくー」

 吉野よしの陽菜、クトゥグア。ナイアーラトテップの天敵である。

 クトゥグアもまた旧支配者に分類される神であり、顕現けんげんの際は「生ける炎」の姿をとるものが多いが、彼女はそうではなく、赤髪のポニーテールの少女の姿をとっている。

「これはこれは、憎むべきクトゥグアじゃないっすか。確か、かつて地球上に召喚されたことあったっすよね」

「え、私そんなことあったっけ?それ多分私の先祖だと思うけど」

「ンガイの森を焼き尽くしたりとか…」

「ああそれね、君達の地球上の拠点だったっけ。でもそれ私じゃないから、恨まないでくれると助かるなー」

「ではそうしておくっす。そちらは?」

 青髪の少女が答える。

「私?笹部ささべ穂香ほのか、クタニドだよー。ちなみにここ、中等部の生徒会長さんはハスターなの」

「…ハスターか」

 氷雨は特に取り乱した様子も見せず、黙って聞いていた。

「初めまして、私がこのクラスの学級委員、岸波きしなみ扇。無能力者ブランカーだけど、宜しく」

「同じく学級委員の千石せんごく早苗さなえ、セイレーンです。宜しくお願い致しますね」

「岸波と千石か。宜しく」

「私もー!時坂ときさか神楽かぐら、岸波ちゃんと同じ無能力者!」

間宮まみやしのぶ、イモータル!宜しくね?」

「はい!皆様ありがとうございます!」

「皆がこれから私と仲良くしてくれたら嬉しい」

 夏休みまであと一ヶ月、二人の新たな仲間とともに扇は新たなスタートを切ることになる。

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