別れの唄を
やだよって言って空に縋って
抱き締めてほしくて腕を伸ばして
情けない
報われない
遣る瀬無い
救われない
助からない
つまらない感情だって認識できない顔が笑う
沢山の顔が惨めだ哀れだって嘲笑う
知らないくせに
分からないくせに
どうしようもないくせに
変わらないくせに
同じなくせに
そうだよ。自分で決めた事だ。宣言までした事だ。
そうだよ。置いていったのは私だ。置いていかれたのはあの子だ。
言い訳でも何でもいいじゃないか
寂しいんだよ
辛いんだよ
虚しいんだよ
悲しいんだよ
切ないんだよ
ねぇ、泣き言くらい許してくれたって良いだろう?
ねぇ、雨音が、響いていますね。
ごめんね。今でもたまに思い出して寂しくなるよ。でも後悔はしてない。
嗚呼、でも。こんな文章じゃあ信じてもらえないか。だけど本当の事だよ?
あの時そのままでいることは出来なかったし、結局いつかはああなったって思ってる。
切り捨てたことに罪悪感もない。今までだってあった事だし、これからもありうる事だから。
手を振り払ったのは確かに私だけど。でも時々ふと思い出して感傷に浸るくらいは許されるでしょ?
夏が終わりに近づいて、避けていた人混みに足を踏み入れる時期になって。にこやかに笑い合う人達の顔を見て、君の事を思い出してしまったから。
読んでほしいわけじゃないんだけどね。ただの決意と決別。
いつかまた寂しくなった時に君を思い出しても、たらればで夢想して縋ったりせずに、泣き言一つ二つだけを自分に許して、そして前を向くための。
また元のように戻ることは絶対に無い縁だから。だからこれで、残すものは最後にしよう。
そんな“おはなし”




