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PLANT-プラント-  作者: 千羽稲穂
第一章『青春と葛藤と恋愛と…』
37/67

第五話前編「猫を探して(間違い探し)」

 隣町の駅構内はでかい。だからか知らないけど、駅構内で迷う要素が多い。それはさながら入り組んだ迷宮だ。


 迷宮の構造を覚えるのには苦労したものだ。小学生の時は皐月ちゃんに連れられて、この駅からあの支部がある街行っていたから、迷うことなく行けて、何も不自由がなかったんだけど、一人で行くようになってからは携帯のマップ機能がなかったら当然のごとくいつも迷っていた。

 で、あたし一人だけでなんとか迷うことなく駅に辿りつけるようになったのは最低でも五年くらいかかったんだ。

 その頃になると家出なんてよくしていたし、駅から街へ行くことも、この駅に秘密基地を築くことも出来てた。秘密基地なんて、すぐに皐月ちゃんにぶっ潰されたけど、あれもいい思い出。


 翔の携帯にメールを送信っと。


『改札中央口、十時に集合って言ったけど、迷ってる?』


 現在の時刻は十時半。



 おっっっっっそい!!!!!!



 ドタキャンとかないよね。確かに道が入り組んでいるけれど、中央改札口ぐらい来てほしい。改札目の前で構えているのに、あいつの姿がいっこうに見えないし、今日は休日ってこともあってか人も多いし、そのせいで迷っていることもあるのかもしれないけど。ドタキャンと早々決めつけるわけにはいかない……よね。


 いけない、いけない、イケナイ、池ない?…て、寒いギャグかましてないで、早く来ないかなあ。


 待ってたら、携帯から着メロが鳴った。このごろ流行りの俳優が歌手デビューした曲だ。つややかな声と可愛らしい曲調で他の歌手とも違う雰囲気を漂わせている曲だ。その曲が二小節までなる前に、あたしは電話に出た。


「アヤカ」


 案の定それは翔の声で、いらっとくる。


「翔、何分待たせるの? もうとっくの昔に集合時間過ぎてるんだけど」

「悪い」


 それだけ答えると何故か押し黙ってしまう。

 あたしの声そんなに威圧的だった?なんかいたたまれないんだけど。いいや、あたしは悪くないし、今回はちゃんと来ない翔が悪い。あたしはずっと待ってる。これじゃあ、猫を探すにも時間が無くなるってもんだ。あたしは探すとなったら本気だからね。本気で見つけるから。


「翔?」

 とは言え、黙ってちゃ進まない。仕方なく、声をかけてみた。



 …



 返って来ない。


「おーい。翔?」



「……迷った」


 焦ったわけでもなく、平坦な声色で翔は告げた。いつもとあまりにも同じ声色なので、その発言の意味に暫く気づかなかった。ちょっとだけ頭を整理させてから、ふっと鼻で笑ってしまった。仕方ないやつだ。


「今はどこにいる?」

「分からない。多分改札口から出たあたりだ」

「周りに文字とか」

「見当たらない」


 これは一大事だ。どうしたものか。翔をどうやって探したものか、が今は大事。あたしにとって分かりやすい見つけた方といえば……


「俺の匂い分かるか」


 そうそれだよね。あたしもその方が手っ取り早くて助かるし、合流するには合理的な気がしてた。多分他の人なら、携帯で検索するんだけど、あたしの携帯インターネットに繋がってない。


 あれは最新の機種だと組み込まれているんだけどなあ。あたしのパカパカ開く携帯は無理。それなら匂いかな。


 翔の匂いは分かりやすい。変な匂いと言えばそれまでだ。詳しく言えばプラント特有の甘い匂いと甘酸っぱい生き物の匂いとそれが混じりあって鼻がひしゃげるほどの刺激臭がする。おかしいし、変な匂いだし、存在感が強いからあんまり嗅ぎたくない。最近は慣れてきて意図的に嗅がないようにしてたんだけどね。


「分かる。ちょっと待ってて」


 すんっと一嗅ぎしてみる。周りの匂いを香る。ところどころに獣臭い香りが混じっていた。そしてゼンソク特有の痛い甘酸っぱさも。本気になればこの一つ一つが誰だかを判別できる。その中でひときわおかしな匂いをしている人が居た。匂いの存在感が濃いし、この中では一番目立っている。


「見つけた。この匂いを辿るからそこ動かないでね。絶対だよ」

「絶対?」


 あれ、ちょっとだけ香りが曖昧になった。


「今動いたでしょ」


 判別出来ていた、おかしな香りは、ゆらゆらと人込みに一瞬紛れた。


「動いた」


「素直すぎる!」


 拍子抜けする事を聞いて一瞬だけ携帯を落としそうになる。なんとか手元から離れた携帯をキャッチして、落とすのを免れた。携帯についていたストラップをきちんと掴む。

 ちゃらちゃらつけているこのストラップのおかげで救われるなんて、思ってもみなかった。いつもこのストラップのせいでお姉ちゃんには子供っぽいと言われるから、ストラップを非難されるけど、こういう事態に備えて、つけといて正解だった。ーーそういう事態を考えたこともなかったけど。


「もしもーし翔?」


 すぐに電話にでるけど、もう切れてた。動いても確かに居場所は分かるけど、せめて電話は繋げてほしい。ぜんぜん人に頼る姿勢じゃない。意地悪と言うか、なんというか、人の気を使ってほしい。


 あたし、女の子なんだよ? もうちょっと優しくしてよ。


 かけなおすのも面倒になり、開けていた携帯を閉める。そして、その携帯をパーカーのポケットにしまった。あたしは鞄を持たないことが多く今日もそうだった。魔法石は、きちんと魔法石のネックレスとしてしてきている。服の下にアクセサリーの部分を隠しているから、外からは見えないけどね。


「さて、と」


 とりあえず、気合を入れて探すとしますか。


 周りの状況を伺う。人が行きかう改札口にちょうど人が出て行くところだった。電車の時刻がやって来たんだ。人々の中に、あたしと同じ年代の子はあんまり見かけない。さっきまで居たんだけど、時間帯が過ぎてしまったのかも。


 ぶつからずに改札に吸い込まれる人を見ていると、いつも不思議になる。どうしてぶつからずに入れるんだろうって。それなのにあたしはそこから離れた場所に一人でいる。

 どうしてもいつも一人になる。孤独を感じてしまう。あたしは寂しいとかあんまりないけど、でもどこかの誰かに「あっ、藤村だ」と声をかけてほしくなる。寂しいと言うか、もっとちゃんとした理解者って言うのかな。近くに居れば安心する人が居てほしい。いつも傍に居てくれる人みたいにね。


 そんなことよりこの匂いを辿らなきゃならなかった。

 すんっとそこで鼻を鳴らす。


「あっ、見つけた」


 中央改札口から、移動する。多分ではなく、確かな感覚を得て、そこへ歩み出す。翔が居る場所は南改札口周辺。そこから強い匂いがある。悪く言えば刺激臭、良く言えば不思議な匂いなあれ、だ。

 南改札口は人がまばらだった。移動しただけで人の行き来が全く違ってくる。改札に通る人は早歩きの人よりも走っている人の方が多くなっていた。もう電車も発車時刻ぎりぎりだ。ここは改札の裏口だから走れるし、簡単に改札に入りやすいから、よく走っている人を見かける。


 そこに一人一際匂いが濃い人が立っていた。


 さっきの電話の切り方の仕返しをしたい欲求に何でか知らないけど駆られる。意地悪し足りないんだろうね。

 そろそろと彼の後ろへと歩みより、そこで一気に背中を押す。



「わっ!!!!」と、大きな声。


 でも、そこから反応はなく、ゆっくりと彼、翔は振り返る。

 いつも通りの不愛想な表情に、ゆっくりとした緩慢な動き。ほそっこい体。肩からは黒いショルダーバッグを下げてる。大切そうにそのショルダーバッグをワンテンポ遅れて庇って、鋭い目つきをあたしに向ける。若干黄色が滲んだその黒い瞳はあたしを見て、泳いだ。


 そんなにあたしだったことがびっくりすることだった?


「本当に辿って来たんだな」


 ようやく紡いだ言葉がそれじゃあ、驚かした意味ない。


「そうだよ。来たよーーー」


 来たんだよー!!


「匂いで?」


 こくんと頷いた。


「このぐらいで分からない匂いじゃないからね。舐めないでよね」


 胸を張ると、翔の視線がそこへゆく。……あんまり見ないで。


「壁?」

「殺すよ?」


 ぎゅっと手を握り、握りこぶしを翔に突き出す。この拳をみぞおちにいれたら流石に翔の体はバラバラになっちゃう。だから本気で言ったつもりはない。

「殺せないよ」と翔は冗談に本気で反撃してきて、しないけどねって言う前言を撤回して殴ってしまった。

 その後駅構内のトイレで翔が吐いたのは、流石のあたしでも罪悪を感じてしまったけど。


 ま、いいよね。


 □□□


 街の中はいつも通りの賑わいを見せている。


 人が行きかう繁華街に、そこに植物の姿はない。緑のカケラすらない光景が広がっている。この街はグレーのビルと藍色のアスファルトの道路だけが印象に残る街だった。

 これがいつも高校に通っている街からそんなに遠くない隣街だ。人も交通も活気もあるのに、何か欠けているように感じてしまう。


 今日みたいな休みは人でいっぱいになる。主にカップルとか。よくデートスポットになるらしい。あたしには関係ないけど。


 きらびやかなショーウィンドウから見えるウエディングドレス、その隣の店は袴、そして次には高校の制服。この制服はこの隣町の高校と中学のだ。ひっそりと二つの服は飾られている。少しだけ気になってしまった。


 制服みたいな、かちっとした服は苦手だ。で、今日みたいな私服が一番好きだ。簡単に汚せるし動きやすい。なにかと魔法を使ってしまうから、そんなこと思っちゃうんだろう。魔法を使うことに我慢はしないけど。


 翔と並んで街を歩いていると、ふと思い出す。


「このごろ殺人鬼が出るらしいね」

 依頼した子、舞薗真夜が懸念していたことだ。


「そうらしいな」


 翔が適当にのっかってくる。どっちかといえばその話題が嫌なのかもしれない。雰囲気的にそんなことを感じていそうだとは分かる。あたしはその人の雰囲気で人の感情を読み取るのは得意だ。


「つい最近なんて、ひとり刑事が死んだんだって」

「そうなのか」今度は語気が強まった。


 怖々と彼はあたしの言葉を待っている。

 そんなに重大なことは言ってないはず。


「ただの噂だよ。これで魔法使い一人に、一般人三人、それでこの間の刑事さんが一人」

「他は?」

「他は……確か猫が数匹、犬が数匹、鳥が数羽」


 真夜に言われた後すぐ調べて分かったことだ。テレビの報道でもさんざん言われていた。だから最近はぶっそうな世の中だねなんて言って魔法石を携帯する人が多いらしい。まあ、正直なところあたしみたいに力試ししたい人が大半だと思う。みんなお祭り騒ぎだ。


 それでも、殺人鬼は見つからないそうだ。正確には捕まえられないんじゃないかな。見つけても、殺されてるんだ。顔も分かってないとかそうとうな魔法の使い手だし、見つけるのが困難なのは頷ける。もしかしたら自身も殺していることに気付いてない妖し者だったりしたらいいんだけど、そうすればこの隣町の支部と黒木さんが動くから楽しくなるのになあ……なんて。


「まあ、会わないよね」それがちょっと悲しくはあるんだけど。


 翔は黙って俯いた。


「お前は本当に覚えてないのか」小さな呟きが聞こえた。


 声色は哀愁が漂っていて、懐かしい何かを思い起こそうと頭が動き出す。でも思い出せなかった。記憶の扉は幾重にも重なっている。懐かしいこの刺激臭も言葉も、声色も開けるには鍵が足りなかった。


「覚えてないって?」


「いや、何でもない」


 少し微笑んだところをみると、思い出してほしいのか、ほしくないのか、分からなくなってきた。


「翔は……もしかしてあたしと前に会ったことあるの?」


 あたしは歩道の真ん中で立ち止まってしまう。歩行者は過ぎていく。あたしのことをじろじろと見ながら。その視線は慣れたものだったのに、どこか痛い。翔の視線はそれとは違う。もっとあたしのことを懐かしむようなそれでいて、憎むように愛している視線だ。温かく見守っているみたい。


「翔さん(・・)は、会ったことがない」翔は冗談気味に返した。


 そしてあたしを置いて歩き出した。急いで翔の隣についていく。


「そんなことも言えたんだ」


「そんなことってなんだ」


 少し笑みを含ませる。でもその視線はあたしには向かない。

 あたしの視線も彼にはどうでもいいらしい。気になっていることは今は殺人鬼の話だけ。それは、あんまりに的外れなことだ。今は猫を探しているはずなのに。


「そう言えば、翔は探している人がいるって言ってたよね」


 あたしより背が小さい彼の背中は何故かそれでもどっしりしていた。何かを背負っているような背中で、まるで皐月ちゃんみたいだった。あの人も、いろいろ背負い過ぎている人だったから、翔もそうなのかもしれない。


「言ったなあ」


「その人って誰?」


「多分アヤカが歩いてたら、見つけるだろ」


「どういうこと?」


 はてなマークを頭上に浮かべてしまう。

 今度はあたしが犬も歩けば棒に当たる馬鹿な犬みたいなんて思って、ぶっと噴き出してしまう。


「どうした?」と心配されてしまうが、なんとも返しようがない。こんな馬鹿を晒してしまいたくなくって、押し黙る。「まあ、賭けみたいなものだから、俺の探しものは気にしないでくれ」


「今日はなんだか饒舌だね」


 ショルダーバッグを翔は掛けなおす。重そうなショルダーバックだった。


「今日は緊張しているんだ。そうしたらよくこんなにいらない言葉が出て来る」


「いらない?」


「言葉が嫌いなんだ」


 翔の表情は苦い物を食べたように渋い顔をしていた。あたしは彼の言葉の地雷を踏んでしまったらしい。そんなに痛い物でもあったならぶら下げないでほしいと思ってしまう。あたしは悪くない……よ、ね?



 にゃーん



 そこで黒猫が前を横切った。


 不吉なものでその黒猫は横切ったそこで待っていた。歩道に居座り、ごろ寝を決め込む。

 黒い毛並みは光を反射して、猫の上品さを引き立てていた。黄色い瞳はぎょろりとあたし達に向いていて、ごろ寝を決め込んだ腹を撫でろとばかりに見せつけて来る。

 あたし達は黒猫が歩みを遮ったせいで、立ち往生してしまった。おまけに目の前で猫が偉そうにしている。これは触れと言っているみたいだ。触らなきゃ損だ。損にしか思えない。


 かわいい。かわいい。


「ネズミだ」ぽんっと翔は呟いた。

「ネズミちゃんだね」あたしはわくわくしながら、その猫へと微笑みかけた。


 通行人はそんなあたし達なんていざ知らず、通り過ぎる。一つの人の波が去った後で、あたしはがばっとその猫に近寄った。可愛すぎるその態勢と美しい毛並み。


 やられた。


「翔の家の猫だよね、触っていい? いいよね。良くないはずないよね」


「俺は別に、ネズミに聞けば……」


「よし、触るね」


 黒猫は腹を上にして、見せつける。此処を撫でろ、と。そこをよしよしと撫でると、にゃーんと甘えた声を発した。



「かわいいいいいいいいいいいい」


 感極まって何度も撫でてしまう。

 このあいだは猫が翔だけにしか近づかなかったから、こうしてなでられるのがとっっっっっても嬉しい。感動。涙でそう。


 でもここは歩道の真ん中なのでちょっとだけネズミちゃんには移動してもらって、ショーウィンドウにもたれかかって、存分になでさせてもらった。人の波を見つめながらの、猫。好きすぎる。


「そう言えば、ネズミもおかしな匂いするよね」


 撫でながら嗅ぐと、翔とよく似たような刺激臭がした。翔よりはあんまりまじってないので、ほんのり漂ってくる程度だけど。このぐらいならいいのに、何で翔はこんなに強いんだろうか。あたしが懐かしいって意識してるから? それなら、このネズミはあんまり意識してないからこんなに薄く香っているってことに……あっ、この香り移っているのかも。だとすれば、確かにネズミの香りの薄さが分かる。するとこの香りの根源は翔なんだろうね。


「獣の匂いも分かるのか」

「分かんないって」


 猫を持ち、頬で猫の顔を擦る。すごく気持ちいい感触だ。柔らかくてほのぼのとする。こんな感じが好きだ。あたしも飼えたらいいんだけどな。


「でも、ネズミの匂いは分かるんだろ?」翔は構わず尋ねて来る。


 しつこいな。


「分かるよ。このぐらいの匂いなら、本気になれば今日翔を見つけたみたいに、すぐに探し当てられる」


「じゃあ、舞薗の猫を見つけることも容易いだろ」


 だから、動物とこの猫とは違うって……て、まだ話してなかったっけ。

 あたしは説明しようと口を開けた。


「やみくもに探すより、アヤカの鼻を頼りに探した方がよくないか」


 翔の矢継ぎ早な言葉に口を噤んでしまう。そんなに真剣に話されても、あたしが見つけられるものと、られないものがって、動物は対象外だ。そりゃあ、獣臭いところを探せばいけるかもしれないけど、獣交じりもゼンソクも居るこんな広い街をしらみつぶしに探そうなんていくら時間があっても足りない。だから、そんな期待に満ちた目を向けないでほしい。あたしが断りづらい。


「あたしの鼻は……」


「アヤカ、お願いだ。その鼻で探してくれ」


 三点リーダーを、心の中に浮かばせて、断れないあたしの心の弱さを叱った。今、断らないでいつ断るんだ。


「あたしは……」

「アヤカ」


 何度目かの翔のお願いで言い出すタイミングを逃してしまった。これではいけないのに、このやりかたじゃあ、無理なのに。


「……分かった」ため息を思わず了承してしまう。「でも一回やって無理なら、ネズミにでも探させよう」


「それはネズミに聞いてくれ」


「猫の言葉なんて分かんないから」


 翔が冗談なのか、それとも本当に言っているのか時々分からなくなる。いつもひょうひょうと本当のことを言っているから、嘘なんてつけない性格なんだろうけど、時折何かを隠すようなそぶりを見せるから、それが気がかりで仕方がない。


 入学して、大きな木の下で六人が集まって、それで同じ部活になって、考えてみればまだ翔と出会って二か月そこらだ。それなら隠し事は当たり前なはずなのに、何であたしそんなことにこだわってるんだろう。


 すんっとあたしは鼻を鳴らした。

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