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PLANT-プラント-  作者: 千羽稲穂
第一章『青春と葛藤と恋愛と…』
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第四話「狂気と葛藤して(垣間見える狂気と嘔吐)」

 首に下げているペンダントに集中する。まだまだ回数は大丈夫みたい。普通のスーパーで売ってる魔法石だけど、あたしの手にかかれば通常三回で終わる魔法も、回数が十倍に跳ねあがる。だから、残り十回ぐらい。今は魔法の調子がいいからもっと使えるかもしれない。

 よしっと喝を入れ、迎え待つ。


「翔、離れてて」と合図すると

「待て待て」と翔が慌てた。


「何なの?」


 此処に来て邪魔するとか本当ない。


「あれ、使うのか」

「あれ?」


 間髪入れず、あたしは魔法石から光を発した。一定範囲にこの光を広げる。この魔法は破壊の魔法の応用版。認知範囲の物全て破壊するのがあたしの魔法だけど、この魔法は物じゃなくてもプラントにも効く。広げるだけで、プラントの活動が鈍る。光を広げるだけだから、魔法石に負担をかけないし、回数制限も少なくて済む。破壊自体魔法石の容量を多く食うからたくさんの魔法石が必要な魔法だから、負担をかけないこのプラントの動きを鈍らせる魔法は本当に便利。


「待てって言ったのに」

 すると、翔は口を抑える。



「気持ち悪い」



 へっ?



 吐くの? この魔法で?


 もう一回広げる。紅色の光が辺りを包む。先に居る梅の木はあたしの光にあてられて、動きを止めた。前に傾いたまま、倒れそうだ。

 翔もそれとおんなじように、四つん這いになり倒れる。


「ちょ、ここで吐かないで」


 汚いって。

 そういうことじゃない気がする。こうだ。


「大丈夫!?」


「うっぷ」細い体が四つん這いから起き上がった。まだ喉元でしゃくりをあげている。このまま吐きそうだ。それは本当勘弁して。「最悪の気分だ」


 心なしか翔の瞳が黄色に光ってる。妖し者とプラントしかこの魔法反応したことないんだけどな。


「吐く?」少し笑いかけてみた。


 妖し者なら、ここであのプラントと一遍にやっとかないとね。


 二三歩下がり、前傾姿勢する。身構えて、翔の喉元に注目する。すぐに刃物を生成し、手を動かす。


 次の動作は決まっている。

 翔が妖し者であるなら、あたしを殺しにかかってくるはずだ。目の前の命を刈ろうとするのが妖し者なんだから。そこを迎え撃つ。


 ところが、翔は向きを変えた。動きを止めた梅の木の方へと駆け出す。あたしなんて目もくれず、そこへ一直線。




「えっ?」


 置いてけぼりをくらってしまった。身構えていたのに。

 と、言うか。


「それ、あたしの獲物」


 取られてたまるか。


 翔についていく。後ろから追いかけた。翔の背中は細くて、行ったってなにも出来なさそうなのに、それでも彼は勝機があるのか、あたしの獲物プラントへ向かう。プラントに辿り着くと、翔は袖に忍ばせていた拳銃を取り出す……って、えええ!?なんでそんなの隠し持ってるの?


 慣れた動作で安全装置を外して、腐った幹に向ける。そして引き金を躊躇いなく引き、撃ち続けた。


 ガンッ

 ガンッ

 ガンッ

 ガンッ

 ガンッ


 普通あんな細腕で撃ったら関節外れるでしょ。


 でも、拳銃を持つ腕は何にも起こっていない。よくよく見たら撃ったら脱臼して、脱臼が治ってを繰り返してる。外れていた腕が次の瞬間完治で、また撃って外れて。


 なにあれ。


 あたしがやろうとしてたのに、突っ立ったままになってた。そうしてぼんやりと見てると、翔の拳銃は弾切れを起こしたのか、カチッと引き金が止まった。


「負けてらんない」


 ぐっと堪えていたフラストレーションを手に宿す。手に光を集中させる。次の瞬間には体と同じくらいの大きな斧が出来ていた。斧の刃が重さで地面に刺さる。あたしはその斧を両手で握り、体を捻った。野球のバッドを振るように遠心力を使いそのまま幹へスイングする。体を強化しているからそれなりに強いはずなのに……


「切れてない」


 斧が幹に刺さったきり、貫通していない。春の木よりも明らかに細く、やつれていて、しかも今はあたしの魔法が効いて弱ってるはずなのに、真っ二つにならない。


 固い。


 この場合大雑把に真っ二つにするよりも、核となる魔法石を狙った方が早い。なら、この斧は狙うのに邪魔になる。崩壊するのを待つのはじれったい。


 再び崩壊の魔法を、先ほどより強くかける。周囲を紅色の光で包む。


 あまりこれをやると、逆にプラントの活動が促進されることもある。妖し者も同様に。


 事実目の前の枯れた梅の木は今の光に当てられて動き始めた。後ろ向きにゆっくりと梅の木は動きだす。


 刺さった斧は光にあてられ崩れ、塵と化した。



 さて、今度は梅の木の核を探さなければならない。この腐った匂いの中、色濃く甘い匂いを醸し出しているところを。


 犬のようにくんくんと二すい、目を一秒閉じて、木の全体像を頭に浮かばせる。


「は?」浮かんだ全体像の弱点の核は、翔が撃った場所と同じところをさしてさしていた。


 …って、え!?


「何であいつ、核の場所知ってんの?」


 普通はあたしみたいな特殊な鼻や、黒木さんの目みたいなものがないと分からないのに。


 翔をちらりと見ると、今度は放心して、手をだらりとしたらせていた。手に持つ拳銃は手からするりと地面に落ちた。


「翔」と呼びかけると、ぷいっと顔を横にして、下に俯き、蹲った。顔を下へ……もしや…


 次に瞬間きらきらと、翔の口から…


 ぐるんっと視界をすぐに移して、あれを目に入れるのを回避。なんとか全部は見なかった。生きてる人のやつは堪えるんだよね。戦闘中あれされると厄介だし。


 敵はと言えば、後ろ倒しに枝葉を傾けている途中だ。


 来る。


 あれはどう見てもあたし達を狙ってる。このプラントは、もうすぐ死ぬけど、それでも生きたがっている。だから、あたし達を倒す。


 魂もない、生き物なんかにはやられるはずない。


 にこっと微笑む。なんだか久々の強敵で心が躍ってきた。今は誰にも縛られない。此処にはそんな人も心もない。


「残りの回数は、七、八回」


 魔法はそれだけ。もっと質の高い魔法石持ってきたらよかった。それなら回数制限がほとんどないのに。この回数だと、不安だ。肉体強化を長時間すれば、それだけ回数も食う。此処に来るまでで予備の魔法石二つは消費したし。支部から配給される星雲石なら、普通の石の十倍は使えるんだけど。今日に限って、節約したのが悔やまれる。


 後悔したって仕方ないんだけどね。


「翔、動ける?」


 あたしは、今はプロじゃない。けどね、元プロなんだから。


「ゴホッ、ゴホッ」とせき込んでる音が聞こえる。ハーと息を吐いた。「動け、る」


「じゃあ、次来る攻撃に避けてから、あたしが合図するから、合図したらあたしが投げるもの受け取って」


「何…を」


「それでありったけプラントの注意を引きつつ、核を攻撃して」


 翔の疑問をいちいち聞いてられない。既に梅の木は幹を後ろに目いっぱい仰け反らせている。


 普通の銃弾はさっきの翔の攻撃で効かないのは理解してる。ならもっと強力な拳銃と銃弾、それに、一気に畳みかける大きな大砲があればいい。


 核の場所を見ると、うっすらと傷がついている。効いてないわけではない。ただただ固いだけ。


 老いぼれた木なのに生意気だけど、これまで出会ってきたどのプラントより固い。


 あとは翔だけど、ここまで来た身のこなしと、さっきの拳銃の扱いで多少なりとも、いやいや、多少じゃないぐらい戦闘経験がありそうだし、大丈夫。


「いいから、落とした拳銃を取って」


 あ、ちょっとわくわくしてる。声色が明るい。


「来るよ」


 どうでもいい。この身の内の狂気も。周りの目も、翔が何者であっても、あたしの血が騒いでる。



 ――行け。ここがあたしの居場所だ。



 いっぱいに仰け反った木が、ばねが跳ね返るように前に押し倒れて来た。あたし達がいる方へ真っ逆さまに木の頭が落ちてくる。根が踏ん張っているから木ごと倒れて来ない。


 あたしは左、翔は右へ別れて避ける。ちらっと確認したところ、翔の手には確かに拳銃が握られている。


 皐月ちゃんみたいに出来ないし、そこまで頭良くないから猿真似程度だけど、今はこれが最善。


 魔法石で描くのは、銃弾。それもあたし特製の。


 紅色の光が力強く魔法石から発せられる。同時に肉体強化して、銃弾を作る。頭の中で構想を立てる。そして、右足で踏ん張ってもう一回避けた方向へ転換。木に近づくと、肉体強化の力を足に全て込める。


 で、前のめりになった木を一気に下から蹴り上げる!!


 思った通り、木はもう一度仰け反った。でも、これはあたしが故意に仰け反らせたから、すぐに前に倒れてくる。


 まだ手の中には一つしか銃弾が出来ていない。


 やっぱりあの勘が良い皐月ちゃんより作るのは遅い。誉の方がそう言うのは早そう。ちょっと生意気。


 出来て三つかな。


 あと一つ、二つと頭で描き、手のひらに浮かび上がらせる。浮かんだ光の点と線をつなげる。


 人によって創造の仕方は違うけど、あたしと誉はほとんど同じだ。誉も頭の中で思い描く。でも、浮かんだものがでてくるやり方が違う。誉はぽんっと出て来る。あたしは、こうして空間に絵を描くように出来上がってくる。だから遅い。


 描かれた銃弾三つは形を成し、色がつき、現れる。


 出来た。


「翔」


 梅の木が仰け反っている間に、対面にいる翔に呼び掛ける。すぐさま翔は反応してくれて、こっちを見てくれた。すぐに三つの銃弾を放り投げる。


 反応がいい。


「受け取って、木の上に撃って」


 やはり、翔は慣れているのか、三つの放り投げた弾を片手で掴む。その行動は明らかにやることを理解していた。


 察しまでいいなんて。


 これなら、次に移れる。


 この間、秒単位で動いてる。まだ強化が効いてる。


 次は斧。でも今度のもさっきの銃弾と同じく、特別に。じゃないと、あたしの力と、あの木の固さに耐えきれない。


 斧は手慣れているから、銃弾より格段に速く作り出せた。さっきよりちょびっとちいさいけれど、これでもいける。


 仰け反った木の下はがら空きだ。幹を支える根が見える。その木の根元に向かって飛ぶ。斧を振り、根元からすくい上げるごとく足を切る!!


 根元を基点として、グラつかせているわけだから幹より固いわけじゃない。むしろ、柔く脆く、固い根であれば、幹よりも簡単に切り取れる。あとは、あたしの応用魔法。


「強化魔法って、実際は創造したものに使うんだよ」


 誰にともなく呟いた。


 強化魔法がかかった斧で、根を切り倒した。仰け反った木は根がなくなったことで、後ろに反動で倒れていく。


「よし」後はもうひと押し。


 バンッ

 バンッ

 バンッ


 銃声が背後から鳴った。


 そう、後は翔が銃弾で撃ってくれれば、その銃弾が重しになってくれる。皐月ちゃんが得意な技だ。


 撃った弾丸は上部の幹に乗り、その銃弾ごと大きくなる。創造したものをもう一段回その創造物から創造する。本当は二段階目で破壊出来たり、最大で四段階目まで作ることが出来るけど、頭が悪いあたしには無理。てか、石の数も足りない。


 大きくなった三発の銃弾のおかげで、背後から木は倒れた。


 倒れたら狙い撃ちはこっちのもの。


 強化した杭を作り出し、倒れた木の上に飛び乗る。木の側面にある幹に埋まった核を狙い杭を刺し、そこを足で杭をピンポイントで打ちつける。ぱきっとガラスが割れる音がした。


 でも、強化はまだ続いている。まだ足りない。まだ核に届いてない。右足で、杭を打ち付ける。最大限の強化を右足に集中している。足でぐいぐいとなじり、杭を打ちつけるつ


 ーーまだ、届いてない。こんなんで終わらせない。届いてるはずない。


「あはは」


 ちょっと楽しい。いやいや、ちょっとじゃないくらい楽しい。


 強化が解けた。でも、続けたい。命の感覚が、傍にある。傍にあった命を殺してる。


 もう木は動いてない。老木がよくここまで動いたものだ。


 また、杭を足で打ち付けた。タンッとあたしが幹に打ち付ける小さな音しかしない。





「おい」

 翔が声をかけて来た。


「何?」


 うるさいんだけど。


「もう、やめろ」


 何?その顔。何で注意してくるの? これはあたしの獲物で、翔はついて来ただけでしょ? 何がそんなに嫌なの? あたしがとったのがいけない? そんなに眉をひそめて、嫌なものを見る目で見てるのは、どうして?


「何で、そんな楽しそうに笑ってるんだ」


 翔の瞳は黒く戻っていた。先ほどまでの黄色い瞳はその目にない。そして、あたしの顔は……





「あれ?」


 満面の笑みだ。


「楽しい……から??」


 ヒートアップしてた。楽しさに身を任せてた。何でこんなに壊してんだろ?


 次第に顔が冷えていくのが分かった。


 あたし、やっぱりこんなことしかできない。

 あたし、こういう事に目がいってしまう。


「はは」乾いた声が漏れた。


 結局他人のためじゃない。学校近くとか、老木とか、そういうところに言い訳してた。“プラントが学校に行って、子供を傷つけたらいけないから”“あたしの方が手っ取り早く始末できるから”“老木でも、危険性があるから”とか。ここまでずっと。自分のある可能性について触れなかった。


「あたしはあたしのために、命を壊したいからじゃん」


 だから、こんなことをしちゃったんだ。


「あーあ。またやっちゃったなあ」


 呆れ声が嫌に響く。

 もう諦めたい。諦めて、普通に魔法使いになった方が将来安泰に思えて来た。



 ぷっ



 誰かが噴き出す。くくくと笑いだす。肩を揺らして、それまで複雑そうな顔をしていたのに、それでも翔はあたしを見て笑う。


 気味悪いって心で思って、その笑みにあたしはきょとんとした。それなのに胸にすんなり入る。


「いやあ、気色悪い」


 笑い交じりに翔は告げた。


「ななななななんなの」


 怒りとも、恥とも言える感情が言葉を押す。


「普通に感想を言っただけだ」


「いーじゃん。あたしは、こんなんだよ。これがあたし、何か?」


「何も?」




 …えっ?


 もっと何かあるでしょ。何で、そんなに、普通なの? もっとこう…気味悪いとか、気色悪いとか言って、蔑んだ目をして、そして去っていくとか。あたしが最初に妖し者を倒したあの時の人みたくさあ。


「何なの」


 変だ。

 おかしい。

 何で。


「俺の身内にさ、アヤカみたいなやつがいるんだ。そいつはアヤカみたいに、狂ってて、でも純粋で、なんというか……似てきたなって」


 言いづらそう。


『似てきた』? 『似てる』じゃないかな。


 言いづらそうにしてるのに、彼は必死で、言葉を紡いでる気がする。元の言語じゃない言語を言ってるときみたい。頑張って、でも笑ってる。嬉しそうだ。


「シロって人?」あたしは言い当てようと告げる。


「違う。……確かに『苗字じゃなくて、名前を言えば友達になれる』とかは確かにシロだが」

 ごにょごにょと小声になった。

「アヤカは、自分の性格を嫌っていたが……」


 翔は口を閉じた。言う内容が分かんなくなったのかもしれない。


「狂ってるでしょ? おかしいでしょ? 嫌っていいよ」


 はっきりと嫌いの方がまだいい。闇抱えたまんま付き合うのは大っ嫌いだから。



「それ、誰かに言われたことがあるか?」



 ゆっくりと返って来た言葉にずっしりと重みがあった。


「みんな、そういう目で見てる」あたしも徐に返した。


「そういう奴もいるさ。でもお前の周りの誰かそれを正面から言って去っていったのか。鳥羽は、盾倉は、黒木は、唐崎は、お前の家族は」


 お姉ちゃんはあたしの心を知らない。あたしの狂気を知らない。弟だって、お母さんだって、お父さんだって知らないから、言わないだけだ。みんな知らないから。知らないから言わないだけ。


「そんなの…」


「少なくとも、俺と鳥羽誉は去らない」


 頭を傾げて、翔は黒い瞳を丸めていた。そうすることが、当然のように。当たり前のことを口にした。


「俺はお前が笑ってた時だって、此処に居ただろ? いなくならない。出会って数回しか会ってない鳥羽が気づいてたなら、きっとアヤカの周りは知ってるはずだ。だったら、嫌がる必要ないだろ。どこに嫌がってんだ? 俺は別に気にならない」




 ……

 えっえっ

 ちょっと、頭がこんがらがって来た。


「嫌がるでしょ。だって、人殺して、こうやって笑ってられるんだよ。普通あたしのこと嫌うって」


「お前のことを理解して一緒にいるんだ。嫌ってたら、一緒に居ないだろ」


 うっと堪えること言われる。何でこんな簡単な言葉にやられてんだ。待って。待った、をしたい。レフェリー彼を止めてください。


「翔、でも……」

 翔が被せて言う。

「俺も、みんなも、お前のことを認めてる。何を嫌がるんだ?」


「嫌ってるって。確実に」

「嫌ってない」

「本当?」っとあたしも小首をかしげる。

「本当」翔がこくんと頷く。「もしなんなら、明日にでも鳥羽に聞けばいい」


 ハードル高いことを言うなって。何でそんな簡単に言っちゃうのかなあ。笑けてくるんだけど。

 くすくすと口元が歪んでしまった。


 なんで、こんなに嬉しいんだろ。


「そうだね。そうする」


 幹の上から、翔を見下ろすと、翔は小さく見えた。さっきまで、拳銃をの引き金を引いていたみたいには思えない細い体に、森にふく冷たい風が揺らす。そのまま風で押し倒れてしまいそう。


 かさっ


 と、その時、ここに近づいて来る影があった。


 これはいけない。随分と長居をしてしまったらしい。多分魔法使いの誰かがプラントを刈りに来たんだ。あたしがいるって分かったら魔法使いの仕事が面倒なことに。て、いや、あたしが面倒くさいだけなんだけど。


「翔、隠れよう」


 幹から降りて、翔を手招きする。隠れる場所は、このあたりの木で十分だ。

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