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清洲同盟

　永録五（一五六二）年、織田と松平は同盟を結ぶ。俗に清洲同盟と呼ばれるものだ。

　織田と松平は父や祖父の代から争っていた間柄である。信長も桶狭間の戦いの後に兵を出していたりする。昨日の敵は今日の友、今日の友は明日は敵。戦国時代に感情だけで動いていたは先はないのだ。

　桶狭間の戦いの折り、松平元康は別動隊の先鋒として戦っていた為に難を逃れた。元康は松平家の菩提寺で自害しようとするが、住職に説得され三河岡崎城に帰還する。

　岡崎城は元康の父が家臣の謀反で殺された際に今川家の手に渡る。当時松平家は今川家に従属しており、今川家から城代が派遣されていた。元康はその頃織田家に捕らわれていた。後に人質交換で取り戻すも駿河国に留め置かれて、今川家の実効支配は続いていた。

　岡崎城を混乱に乗じて取り戻した元康は、義元討ち死で浮き足立つ家中を抑えるのに奔走している今川氏真に対して「仇討ちの出陣をしない」と難癖をつけて今川の混乱が治まる前に独立した。

　そこで美濃攻略に専念したい織田と旧領の回復に努めたい松平の間で同盟が結ばれた。

　ちなみにこの同盟、史実では信長の死後の小牧・長久手の戦いまでの間続いた。その要因として挙げられるのが、幼少期に人質として尾張にいた元康と信長との間に友情が芽生えていたからと云うのがある。

　実際どうなんだろね？　俺も挨拶ぐらいはしたけどそれ以来は絡んでないし、信長とは別々に暮らしてたからわかんないな。単純に利害が一致し続けていただけだと、俺は思う。