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[全12話]神へと転生した魂は自称プリティーエンジェルと肉食求め旅をする。  作者: 安ころもっち


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第5話・虹色な君に決めた件


 ニーヤはカクカク神となった英二を抱きかかえ、族長に湖の状況を報告していた。


 英二の活躍により『御神湖(おしんこ)』の濁りが急速に晴れ始めたことを身振り手振りを交え大袈裟に伝えている。終始ドヤ顔で。


 族長は涙を流して感謝し、里は歓喜に包まれた。カブトム神の死(という体の変化)を悼む間もなく、英二の神威に熱狂した。


 その結果、里のエルフたちは、カクカク神の次の依代を見つけるべく、競い合うように『状態の良い亡骸』を里の広場へと運び込むことになった。


「カクカク神様!こちら、里の長老が大切にしていた立派な鹿の亡骸です!」


「神様!私のはどうでしょう!黄金の毛並みを持つ珍しい狐の亡骸です!」


 英二の目の前には、鹿、狐、ウサギ、リスなど、様々な森の動物の亡骸が次々と並べられていく。しかし、どれも英二の眼鏡にかなわなかったようだ。


(鹿は大きすぎるし、狐は地を這う。リスは可愛いが、もっとこう神々しいのが欲しいんだよね)


 英二はカクカクな玩具の中で、ゆっくりと首を横に振る。


 ニーヤは英二の意志を代弁するつもりで、横に振りながら「ふむ。この動物には、神様の力が宿る器ではないようですな!」などともっともらしい解説をつけている。


(なかなか良いのがないな)


 英二が少しうんざりし始めたその時、広場の入り口から一人のエルフがふらふらとよろめきながら入ってきた。そのエルフは血を流しており、かなり傷ついているようだ。


 そして、その背中には何かを抱えている。


 抱えられていたのは鳥とも言い難い、異形の亡骸だった。


 全身は鮮やかな鱗に覆われ、尾は長く優雅にたなびいている。


 そして、何よりも目を引くのは、背中から生えた巨大でカラフルな羽だ。虹色の光沢を放ち、まさに『美しい怪物』といった風格である。


「エイド!それ、虹くじゃドランゴじゃないですか!」


 ニーヤが思わず大声を上げた。


 怪我をしたエルフは息を切らせながら答える。


「あ、ああ……、森の奥でカブトムシを探していたんだが……、このドランゴに遭遇してな。なんとか倒したが、私もこのありさまだ。まずは治癒を……、死んじまう……」


 その鳥のような生き物はドラゴンという名がついているが、どうやら竜と孔雀を掛け合わせたような、ドラゴンの遠い親戚といった感じの希少な一種らしい。


 その雄大でカラフルなフォルムは英二の心をしっかりと鷲掴みにした。


(これだ!飛べる!しかも、ドラゴンときた!神々しさも文句なしだ!)


 英二の胸の中で、かつてゲームに熱中していた頃の記憶が蘇る。


(虹くじゃ君、君に決めた!)


 カクカクな玩具から魂を抜き出した英二は、その亡骸へと一直線に飛び込んだ。


 体がスッと馴染む。


 カブトムシの時とは比べ物にならない軽やかで強靭な肉体だと感じることができた。視界も広く足元には鋭い爪がついている。そして何より、背中の巨大な羽が全身の感覚を刺激した。


「おおっ!神様っ!」


 ニーヤが歓喜の声を上げる。


 英二は新しい依代である虹くじゃドランゴの体をゆっくりと起こした。虹色の羽が広場の光を反射してキラキラと輝く。


 思わず英二の神気があふれ出る。


 その光は木津付いたエイドの体を優しく癒している。


 エイドは勘当し地面に頭をつけ感謝の言葉をささげた。


 そして英二は、その新しい体で力強く羽ばたいた。


 風を切る音が広場に響き渡り、皆が神々しい姿を見惚れる長、英二は空へと舞い上がる。


 カブトム神から虹くじゃドランゴ神へと、華麗な転身を遂げた瞬間だった。


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