第11話・変態魔術師と新たなヒロインな件
本日2本更新します。1本目。
ゴブリン村からの帰還後、英二たちは更なる依頼を探すため、翌日も冒険者ギルドを訪れた。
だがギルドの受付はいつもとは違う異様な雰囲気に包まれていた。
ローブを深く被ったいかにも怪しい人物が、受付のお姉さんに詰め寄っていたのだ。
「しゃべる鳥を出せっ!この世に存在してはならない魂の器を自由に乗り換えるドランゴ!今すぐ研究用に提出しろ!」
その魔術師風の強い言葉に、お姉さんは怯え顔を歪ませていた。
「また騒ぎですか?」
ニーヤが息巻いて近づくとその魔術師は英二の姿を見て、そのローブの下で興奮で震えさせている。
「いたっ!これだー!まさしく私が求めていた究極の魂の器!」
魔術師は英二の美しすぎるフォルムに目を奪われたようで、ニーヤに詰め寄りその肩をがっちりと妻くと、前後に揺らしながら唾を飛ばす。
「エルフの女!それ、いくらなら良い?金貨百枚か?いや、二百は出す!そのドランゴを私に売れ!」
ニーヤは一瞬怯むか、右足をダンと音を立てて踏み込むと、その魔術師の手を跳ね飛ばす。
「冗談じゃない!」
また物理を解禁しようとしたニーヤ。
だが英二はそれよりも早く動いた。
ブワッ!
英二はドランゴの翼を広げ、全身の神気を一気に魔術師へと向けて放出した。神気の圧力は物理的な力となり魔術師の体を直撃した。
「ぐわッ!?」
魔術師のローブが風で勢いよくはだけ、その下から女性的な肢体が見える。フードも捲られ鮮やかな赤毛があらわになった。
地面に膝をつき、あられもない太ももを晒してしまった彼女は、赤面しながらも目からは涙を流し始めた。
「ひどい……!こんな格好をこんなに多くの人の目に晒すなんて……」
彼女は涙目で英二を見上げ、懇願するように言った。
「慰謝料です!この恥辱の慰謝料として、少しでいいから私に研究させてください!あなたを研究できれば、この屈辱も報われます!」
その涙目とローブの下から覗く女性の色気に、英二は思わずドキリとした。
(え、なんかこの子、可愛いぞ?)
「ぐぬぬ!新ヒロインですか!そうですか……、ならば戦争です!神様、この変態色気女は無視して……」
ニーヤが嫉妬に駆られて騒ぎ出すのを、英二はドランゴのくちばしで軽く突き黙らせた。
話を聞くと、どうやら彼女は魔術師ではなく、研究者の女性だったようだ。
「君の自宅に、研究用の亡骸があるんだって?」
英二が問うと研究者の女性は「あります!とっておきのものが!」と興奮気味に答えた。
「わかった。少しなら……、でも、痛くしないでね?」
英二はその研究者の自宅に「状態の良い肉食の亡骸」があるという期待を込め承諾した。
ニーヤは「あー!神様が色気で釣られたー!」と騒いでいたが、英二はそれを無視して女性についていくことにした。
研究者の女性の名はセラと言った。彼女の自宅兼研究室に着くと、壁一面に奇妙なフラスコや試験管が並んでいて少し不気味だった。
そして目的でもある研究用の「亡骸」のコレクションを見せてもらった英二。
その首を下げガッカリする。
「これは……、ゾンビ?」
セラが誇らしげに見せてきたのは、どれもボロボロに崩れかけていたり継ぎはぎだらけ。おわゆるゾンビのような、あるいはグールのような、およそ「神の依代」には程遠い、保存状態の悪いものばかりだった。
「どうです?私の傑作たち!神様の体をくまなく調べ上げれば、きっとこの子たちももっと輝変えるはずなのよ!」
「いや、無理」
英二は心の中で涙を流し愕然とした。
しかし約束は約束だというセラ。英二はにドランゴの体を提供し、様々な実験を身に受けることになった。
「失礼しまーす」
セラは興奮した手つきでドランゴの鱗や羽、体温などを計測し始めた。
そしてその手つきが次第に、熱を帯びてくる。
「ふへへ、ここですか?ここが良いんですか?神様も好きですねー。任せて下さい、すぐに天国へ、あの世へ連れてってあげますからー!」
英二の体を弄りながらヒートアップするセラは、手に鋭いメスを光らせ迫ってきた。
「やめーい!」
神気を放出する英二。
セラはまたも倒れ込み、白衣がはだけマナ足と共に下着も露わになる。
「ほ、ほどほどにな」
「はい」
少し落ち着きを取り戻したセラにより、数時間かけてドランゴの皮膚の隙間や羽の生え際などを、まるで脆く貴重なサンゴを扱うように、しつこく、ねっとりと弄り始めた。
「う、うーん……」
英二はドランゴの体の中で理由の分からない変な汗をかきながら、その研究が早く終わることを願いながら目を瞑り耐えていた。
そしてその様子を、ルルンは興味深そうに、ニーヤは嫉妬に満ちた目で睨みつけているのだった。
次回最終回。
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