彩光の詩 第10話【新たな舞台】
『彩光の詩』登場人物紹介
『彩光の詩』読者の皆さまへ。 投稿開始から約1か月、物語は第10話で折り返し地点に到達しました。霧咲高校の秋、音楽室のメロディ、桜並木の夕陽――彩花たちの青春は、音と心の共鳴で輝きを増しています。ここで、物語を彩る登場人物たちをおさらい! 彼らの想いと音楽が、これからどんな光を放つのか、ぜひ一緒に見届けてください!
・佐藤 彩花
本作の主人公。内気で繊細な少女だが、キーボードの鍵盤に触れると心が解き放たれる。シルバーフレームのメガネとピンクのサテン衣装がトレードマーク。凛と結成した「BlossomEcho」でキーボードとコーラスを担当し、怜とのセッションで新たな絆を紡ぐ。彼女の才能は、どこまで輝きを放つのか?
・栗本 凛
「BlossomEcho」のギター&ボーカル。太陽のような明るさを持つ少女で、彩花の才能を引き出す霧咲高校のスター。学園祭の赤いサテンシャツが輝くステージで、観客を魅了する力強い歌声を持つ。彩花への深い友情と秘めた想いを胸に、音楽で未来を切り開く。彼女の情熱は、どんな壁も越える光となるのか?
・高橋 怜
ツインギターの ハードロックユニット 「NightReaver」のギター&打ち込み担当。静かな眼差しと柔らかな笑顔を持つ優しい少年。キーボード経験者の感性で、彩花の安価な機材から響く美しい音に心を震わせる。音楽室のセッションで深まる絆は、どんな旋律を奏でるのか?
・山崎 颯
「NightReaver」のギタリストで元サッカー部のエース。寡黙だが情熱を内に秘め、重厚なリフと緻密なアレンジでバンドを牽引。怜の兄貴分として、控えめながら力強い支えとなる。学園祭の雷鳴のようなステージを成功させ、動画サイトTubeStreamで届ける彼らの音は、どこまで響き合うのか?
・中村 優奈
彩花の中学時代の親友。図書室で交換したメモが、彩花の閉ざされた心をそっと開いた。優しい笑顔と温かな言葉で彩花を支えたが、突然の転校で音信不通に。彼女の笑顔は、彩花の心にどんな記憶を呼び覚ますのか…?
・奏
物語の序盤に登場する、赤いフレームのメガネがトレードマークの少女。彩花の幻を追いかけ、美術と音楽の間で心を揺さぶる。絵筆と音が織りなす彼女の物語はいかに…?
・葵
奏の美術部の親友で、明るく活発な少女。葛藤に揺れる奏の才能に気づき、温かな笑顔で勇気づける存在。彼女のまっすぐな眼差しは、どんな物語を切り開くのか?
これからも彩花たちの音が、読者の皆さんの心に響きますように。これまで、比較的スローなペースで進展してきた物語は、後半に向けて一気に加速します。
第10話、どんなメロディが待っているか、ぜひご期待ください!
・音楽フェスティバルの慌ただしい幕開け
霧咲高校の桜並木が紅葉に輝く。秋風がそっと葉を揺らし、校舎に静かな期待が漂う。学園祭の熱狂が遠い記憶となる中、「秋の音楽フェスティバル」の開催が急遽決定。だが、準備不足が響き、出場予定のバンドが次々と辞退。BlossomEchoが早々に参加を決めていた一方で、ライブに消極的なNightReaverにも白羽の矢が立てられた。音楽室には「本番の様に練習を! 練習の様に本番を!」の横断幕が掲げられ、慌ただしい空気が漂う。
昼休みの教室、颯がギターケースを肩に担ぎ、怜に声をかける。「おい、怜、音楽フェス、出るぞ。実行委員がサッカーのチームメイトで、断れなかったんだよ。」 怜を巻き込んで悪いな… 颯の無骨な声に、静かな闘志が滲む。怜は目を伏せ、小さく頷く。「…うん、人前、緊張するけど…」 彩花さんとまた同じステージで… 学園祭をドラマチックに彩ったキーボード、ピンクのサテンシャツが光る姿が脳裏をよぎり、心が熱くなる。颯がニヤリと笑う。「お、怜、なんか嬉しそうだな。彩花のキーボードでも思い出したか?」 怜は顔を真っ赤にして、「…べ、別に…!」と目を逸らし、ギターケースを握りしめる。颯は笑い、肩をポンと叩く。「ま、いい機会だろ。やってやるか!」怜が乗り気で、ちょっとホッとしたぜ…
・音楽室:交錯する音と心
放課後の音楽室、秋の夕陽が横断幕を柔らかく照らす。BlossomEchoとNightReaverが別々に練習を重ね、異なる音が響き合う。彩花は部屋の奥で、シルバーフレームのメガネ越しに鍵盤を見つめ、ロングヘアが肩に流れる。このメガネ、地味かな…? 凛みたいに華やかになれたら… 不安が胸をよぎるが、鍵盤に触れると勇気が芽生える。音楽なら、私の気持ち、全部言える… 彼女のキーボードが星空のような音色を紡ぎ、音楽室を満たす。
怜は部屋の手前で、颯とギターを調整。彩花の音が耳に届き、キーボードに集中する姿に目を奪われる。彩花さんのメガネ、夕陽に知的に光って…綺麗だ… 彼女のメロディに心が引き寄せられる。あの音、俺のギターと響き合える… 怜が弦をそっと撫でる仕草に、彩花の視線が止まる。あの時、私の音を『星が降るみたい』って感じてくれた怜くん…心がこんなに揺れるなんて… 怜の指が弦を弾き、繊細なアルペジオが柔らかく響く。
凛がギターを鳴らし、声を弾ませる。「彩花、秋の音楽フェスもガンガンいくよ!」 学園祭のレッドのサテンシャツを思い出し、彩花の心が揺れる。凛の輝き…私に勇気をくれた… 凛の情熱が部屋を駆け巡る。颯が笑う。「相変わらず元気だな。俺たちも負けねえぞ!」と力強いリフを刻む。
彩花のキーボードと怜のアルペジオが別々に響き、音楽室で交錯する。怜くんの音、優しいのに力強い… 彩花は怜の視線を感じ、指が一瞬止まる。怜くん、また見てた…? 私のこと? それとも凛の明るさに…? 凛の情熱的な笑顔、まるで太陽みたい…私、あんな風に輝けないのかな… 内気な彩花の心は、怜の優しさと凛の輝きで揺れる。どっちも私の音を特別にする…どうしたらいいんだろ…
揺れる想い:試練の瞬間
練習後、音楽室の静寂に夕陽が茜色の光を投げる。凛が怜に軽やかな笑顔で話しかける。「ねえ、怜くん、NightReaverの曲作り、めっちゃ気になる! 颯くんの重いリフと君のアルペジオ、対極なのにバッチリハマるよね。どうやってあのバランス作ってるの?」 プリーツスカートが軽く揺れ、凛の声が弾む。怜は頬をほのかに染め、視線をギターの弦に落とす。「え、う、うん…、颯がリードしてくれて、俺は…感じたままに弾いてるだけ…」 言葉が小さくなり、前髪をそっとかき上げる。凛さん、こんな気軽に話しかけてくるなんて…
彩花は部屋の奥、キーボードの前でその光景を遠くから見つめる。凛と怜が楽しそうに話す姿に心がチクリと痛む。…私、あんな風に話せない… 二人の親し気な様子にかすかな嫉妬心がよぎるが、すぐに心を抑える。凛は私の音を認めてくれる…こんな気持ち、ダメだよね… メガネを直し、深呼吸する。私の音で、怜くんと響き合いたい…
突然、音楽室のドアが開き、実行委員長が現れる。「颯、悪い! またバンドが脱退して、NightReaverとBlossomEchoの出番、15分増えた。なんとか頼む!」 颯が眉をひそめる。「マジかよ…準備足りねえぞ。」 彩花は緊張で息を呑む。15分…!? そんなに時間、埋められる…?
彩花の決断:秋の旋律
彩花の胸がざわめく。今まで凛のリーダーシップに頼ってきたけど、私だってBlossomEchoを輝かせる一員になりたい…! 彩花は勇気を振り絞り、声を上げる。「あの…前に弾いてたフレーズ、使えないかな…? まだ完成してないけど…」 あのフレーズ…私の気持ちそのものだった… 凛の目が輝く。「彩花、それだ! そのアイデアでいこう! 急いで仕上げよう!」 凛の情熱が彩花の不安を吹き飛ばす。颯が頷き、「よし、俺たちもお蔵入りの曲を引っ張り出すか。怜、できるよな?」 怜は彩花をチラリと見て、小さく頷く。「…うん、やってみる。」 彩花さんのフレーズ…俺たちと同じステージで響いて欲しい…
BlossomEchoは彩花の新フレーズを基に急ピッチで新曲を組み上げる。彩花のキーボードが星空のような音色を紡ぎ、凛の歌声が力強く響く。NightReaverは未公開曲を磨き、怜のアルペジオが新たな輝きを加える。音楽室は熱気と緊張に包まれる。彩花の心が花開く。私の音、みんなに届けたい…! 秋の夕陽が音楽室を照らし、桜並木の紅葉がそよぐ。次のステージで、私の気持ちを響かせたい…!
次回予告:第11話【響き合う心】(9月16日【火】20:00公開)
秋の音楽フェスティバル練習最終日、彩花の天才的なプレイの秘密が明かされる! 心を揺さぶられ、互いの鼓動を感じた二人は、ついに音楽室で想いを交わす。凛の情熱、怜の勇気、彩花の微笑み――二人の音は愛のハーモニーとなるのか? 次回、「響き合う心」、青春のメロディが未来を響かせる!
・コメントのお願い
突然のイベント発足、彩花の揺れる心、怜と凛の交錯する瞬間、どのシーンがあなたの心を震わせましたか? 彩花と怜の次のステージ、どんな展開を期待しますか? ぜひコメントで教えてください!




