表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

エッセイ

エッセイってよくわからない、読まない……なんて勿体ない!

作者: chise

 エッセイは、自分の思いを綴ったものであれば基本的に内容を問いません。他のジャンルと比べても、かなり自由なくくりだと思います。


 日常のことや、自分の体験を書くこともできます。経験から発展させて自分の考えを伝えることもできます。疑問を呈したり、好きなものをとくとく語ることもできます。


 しかし、なろう内のエッセイの書き手は、けっこう限られていると感じます。


 でも、私はいくつかのジャンルの中で、エッセイがいちばん好きです。


 なんたってエッセイには、読むことにも書くことにも良いことしかないのです。


 どんな良いことがあるのか?それを知れたなら、あなたも読みたくなるし書きたくなるでしょう。きっとエッセイ推しになるでしょう。


 それをエッセイで語っているのですから本末転倒かもしれません。ま、知る人ぞ知るお得情報ということで、勘弁してください(笑)


 さてまずは、読みから。


 一つ目は、論説・提唱エッセイについてです。


 これらは、問題提起→説明→考え のような流れをたどってかかれます。妙に納得できてしまう上手なものもあり、文章としても学ばされます。


 自分も思っていたことが主題となっていると、「それなああああ!!」と涙を流して共感でき気持ちが良いです。そこから感想欄にアタックして、塩対応され撃沈。までがテンプレだと面白い。勿論仲が深まっても良いけどね。


 反対に、自分の脳みそからは永久に生まれなかったであろう考えだとしても、それはそれで面白いものです。


 そこで「確かにそうかも」と感じたら、そのエッセイは素晴らしいです。なかった考えに対して納得させられるって難しいことだと思います。算数を知らない子どもに、足し算と引き算を教えて、できるようにさせるのと同じです。その先生は教えるのが上手いねーってのと一緒。


 新たな学びを得られる模範エッセイです。


 次に、日常エッセイです。


 これは、いかに「おもしれー」と思わせるかがポイントになります。


 さくらももこさんのエッセイを読んだことはありますか?


 あの人のエッセイにはハズレがありません。どれを読んでもびっくりするくらい面白いです。個人の感想ですが。


 起こった出来事を淡々と綴るのではなく、感じたことを書くわけでもない。表現ひとつひとつから感情をにじませて、感じたことや気持ちをじわじわと伝えながら、エピソードを面白おかしく装飾する。そして、読者に「おもしれええええ!!!」と感じさせます。そこがすごいのです。


 つまり、直接的な表現をせずにふわっと感じてもらうことで、潜在的に面白いと感じさせている。


 それが日常エッセイの良さなのです。


 ある意味小説に近いかもしれません。


 さて、ここまでエッセイの良さを語るだけでしたが残念ながら後半も同じです。しかしここからは「書く」面でのエッセイの良さとなります。


 エッセイを書くことには、いくつもの良さがあります。


 まず、自分の思いを可視化できます。


 エッセイを書きながら、起きたことと感じたことを書いていくでしょう。駄文だとしても、出来事とそれに対して感じたことは、どちらもまあまあ書けると思います。


 書き起こすだけでも「出来事」と「感情」は分けて考えられるようになります。絡まりあっていた二つをほどくことができるからです。


 これ、どういうことかというと、自分がその出来事に対してどう思っているのかが、ハッキリとわかるようになるのです。


 起きたことを文として言語化するためには、どの物事に対してどう感じたかを、順序を追って、ひとつひとつ「分析」していかなければなりません。


 しかし、そのように考えながら書くことで、それぞれの物事にまとまりができ、散らかっていたものを整えられます。


 分離できてくると「あ、私、こんなふうに思ってたんだ」と自分の中で一つの思いとしてまとまりが完成します。ヒートアップしていた思いが落ち着き、冷静に対応するための構えを作れるのです。


 発生した出来事への解像度を上げることにも繋がります。


 むしゃくしゃしているときにやると良いでしょう。「こんなことで悩んでたのか」と思えるかもしれませんし、逆に「思ったよりまずいことになっている」とか「絶対あの人が悪いじゃん」など、新しい考えを発掘できるかもしれません。


 これは、エッセイを綴るだけでもできます。人に見せなくても、十分な効果がありますよ。


 二つ目は、論説・提唱エッセイについてです。


 論説・提唱エッセイを書くと、鍛えられるものがあります。


 意見を明確にする考え方。それを言語化して、誤解なく第三者に伝えられる文章力。根拠をハッキリさせるための論理的な文の構成の仕方。


 つまり、文章がめっちゃ上手くなるよ!他人に意見を伝えるのが得意になるよ!ってことです。


 逆に、上の三つができていないと、論説・提唱エッセイは大変なことになります。読者に正確に伝わらないので、必ずアンチコメが寄せられます。または、そもそも文として受け入れられず、人目が寄せられないまま0ポイントで佇むことになるでしょう。


 このエッセイがそうなってしまったら、説得力があるのかないのか(笑)


 とにかく、上の三つは意見を伝える上で重要です。勿論エッセイではなく、会話の中で相手を納得させる上でも必要です。


 たけのこ派をどうにかしてきのこ派に引きずり込むか。そのためには説得力がないといけません。説得のためには上の三つが揃わないと納得にこぎつけられません。ヒステリーを起こして「キノコーーー!!!」と叫んだところで、誰が納得するでしょうか。


 わかりやすい論説・提唱エッセイを書ける人は、現実世界でも、自分の意見を反映させるのが上手な人だと思います。


 さて、ここまで沢山のエッセイの良さや好きなところを語ってきました。ひとつでも「確かになあ」と思える部分があったら幸いです。


 私自身、他ジャンルと比べ異質(ふしぎ)な盛り方を見せているエッセイジャンルを見ていると、何とかしたい気持ちでいっぱいになります。


 同じ人が書き、読んでいるエッセイジャンル。上位作品ですら、評価が4桁や5桁に到達することは極稀です。母数が少なく、多くのポイントを得にくいからです。


 こんなに面白くて興味深いジャンルですよ。私たちだけで独占して楽しむのは、非常に勿体ないと思いませんか。読んでいない方にとってもそうですが、今、エッセイを好む私たちにとっても不利益です。


 色々な人が出入りして、色々な考えを聞いたり語ったりするからこそ、発展するジャンルだと思うからです。同じような人ばかりが蔓延(はびこ)るばかりでは、なかなか世界が広がらないのではないでしょうか。


 もしこれを読んで、少しでも興味を持った方がいらしたら、投稿せずとも是非、思いを言語化してみてください。


 大好きな何かを語るのでも、超イラつくあの人の愚痴でも、なんでもいいのです。エッセイは自由なのだから、沢山のことを文字に起こしてみてください。


 書くのはちょっとなあ……という方は、沢山のエッセイを「読み、評価し、感想を寄せ、少しでも盛らせ」てください。今のエッセイランキング、12()ポイントもあればそれなりの場所に突っ込めてしまいます。ちょっとした力が大きな発展に繋がるのです。


 拙作がエッセイを好転させるきっかけになることを願っております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
仰る通りですね。 エッセイは本当に勉強になる。 そして、「ああ、自分だけじゃなかった」と思える。 皆さん、エッセイを書きましょう。 といって、エッセイを2か月くらい書いていない私が通り過ぎますよ。 …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ